新白堊スポーツ(since2004.9.18)~盛岡一高応援ページ

母校の盛岡一高と中央大学を熱烈応援!
趣味はウォーキングと読書。よろしくお願いします。

点と線ー松本清張

2025年03月09日 | 読書


評価5

「ゼロの焦点」と並ぶ松本清張の代表作。

体を並べて亡くなっている男女の遺体が博多近くの海岸で見つかった。
心中事件と見て捜査に当たった警察は男性が中央省庁の課長補佐・佐山、女性が役人がよく使う割烹料亭の女給・お時と断定。地元署の刑事・鳥飼から数々の不審な点を指摘された警視庁の三原は二人の足取りを追う。そこで中央省庁と取引がある機械工具商の安田なる人物が容疑者として浮上するが、安田には二人の殺害時刻には北海道にいたという崩しがたいアリバイが存在するのだった。

複雑に入り組んだ列車時刻表を駆使したアリバイを一つ一つ崩して行く過程がなかなかスリリングで読みどころ満載!そして、意外な首謀者の登場!汚職事件との絡みもあり「社会派ミステリー」の一大ブームを巻き起こした作品だけに読んで損はない。かなり面白い!

【追伸】
アリバイ崩しで列車の時刻ばかり気にしているので、「飛行機があるだろう!」とイライラしてしまった。ちょっとあんた気づくのが遅すぎるよ(笑)!
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姑の遺品整理は、迷惑ですー垣谷美雨

2025年03月06日 | 読書


評価4

一人暮らしだった姑の多喜が亡くなって、嫁の望登子が遺品整理を始めた。経費節約のために業者に依頼せずに始めてはみたものの、そこは夥しい数の物、物、物で溢れ返り遅々として作業が進まない。夫が仕事を理由に手伝ってくれないことも重なり望登子のイライラは募る一方だった。そんな所へ思わぬ助っ人が現れたり、隣近所との交流が生まれたりと望登子の心も晴れて行きつつ無事遺品整理はつつがなく終了~♪

義母や実母とのエピソードや人々の温かい交流を通しての人と人とのつながりや思いやりの大切さを教えてくれる心温まる作品!
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うちの父が運転をやめませんー垣谷美雨

2025年03月04日 | 読書


評価4

50代半ばで家電メーカー研究職の猪狩雅志は同い歳の妻・歩美と一人息子で高校生の息吹と3人暮らし。雅志は高齢ドライバーによる事故のニュースを聞く度に田舎で暮らす年老いた父と母のことが心配でたまらない。78歳になる父親は「車がないと生活がなりたたない」と言って、車体を何度となく傷つけながらも運転をやめようとしないからだ。

そんな中、実家の様子を見るために何度となく帰省しているうちに都会暮らしの雅志一家に変化が訪れる。田舎ならではのコミュニケーションと暮らしぶりに惹かれた雅志は会社を辞めて田舎での移動スーパー開業への道を歩み出す。息子の息吹は通う私立高校から田舎の農業高校へ転校。妻の歩美も全面バックアップだ!父親も条件付きで将来の運転免許返上を約束してくれた。

「父親が運転をやめないこと」をダシにしているが、実は「今までの生き方を考え直そうよ!ニッポン人」というテーマの垣谷美雨らしい傑作!とても清々しい気持ちになる1冊!

巻末解説の国際政治学者・岩間陽子さんによるこの国のアホ政治家への辛辣な批判も素晴らしい!
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ゼロの焦点ー松本清張

2025年03月01日 | 読書


評価3

「点と線」と並ぶ松本清張の代表作。
昭和30年代初頭の金沢を含む北陸路が舞台。

広告代理店の金沢出張所に勤める鵜原憲一は板根禎子と結婚し、本社への転勤にともなう事務引き継ぎのために金沢へ舞い戻ったところで行方不明となってしまうが間もなく断崖絶壁から投身自殺をしていたことが判明。この間、憲一の行方を追っていた兄の宗太郎が毒殺されてしまい、真相究明に乗り出した憲一の勤務先後輩の本多良男も毒殺されて、事件の鍵を握ると思われた女性・田沼久子も自殺してしまう。

新婚早々に夫を失った禎子が地道な調査を重ねて事件の真相に迫る物語。

まだまだ太平洋戦争の跡を引きずっている世相と冬季の北陸の風情が相まって独特の雰囲気を持った作品である。時代背景が古いのと文章の言い回しが硬いのでなかなか話に入り込めない。自殺の場所が断崖絶壁で殺害方法が毒殺ということで「サスペンスドラマの原点」と言えそうだ。

しかし、自分の過去を知られたくない一心で4人の殺害に及ぶとは?
どうも腑に落ちないんだよなぁ~
と、いうことで、モヤモヤ感が残ってしまった。

次は「点と線」を読んでみよう!
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戦雲の夢ー司馬遼太郎

2025年02月23日 | 読書


評価2

長曾我部元親の跡を継いで土佐二十万石の領主となった長曾我部盛親の関ヶ原の戦い、大坂冬の陣・夏の陣における姿を綴った物語。西軍についた盛親は関ケ原の敗戦後一介の牢人に身をやつしたものの、夏の陣で旧臣五千人とともに華々しく散って行く。

女性と交わる話が多すぎて正直言って興ざめ。
その部分をはしょって読んだ。
司馬遼太郎作品としては駄作に入るだろう。

ちなみに、土佐には元々曾我部氏がいて、香美郡に居ついたものが「香曾我部」長岡郡に居ついたものが「長曾我部」と名乗っていたとのこと。

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