評価4
再読(前回2019年11月2日)。
上巻で「心霊写真探偵」ぶりを発揮した英一だったが、下巻では弟・ピカや謎の不動産会社事務員・垣本順子の人知れぬ内面に触れて不器用な高校生ながらその解決に奮闘!そして、両親と実家の断絶状態にも首を突っ込み見事な啖呵で大人をあっとさせる活躍ぶり。その反面、垣本順子との淡い恋が余韻を残しつつ静かに終わりを告げたことはちょっと残念・・・ラストの小湊鉄道の描写には心洗われた。
上巻のハチャメチャぶりが影を潜め、じっくり心象風景を描写した展開に頁をめくる手が止まらなかった。で、巻末の解説で、宮部みゆきにしては珍しい物語となった理由がわかり納得。
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