消去算とは
消去算とは、複数の関係式を操作して不明の値を求める問題です。
たとえば以下のような問題が代表的な例として挙げられます。
例題1
りんご5個とみかん3個を買うと840円、りんご3個とみかん2個買うと520円だった。りんごとみかんの値段はそれぞれいくらか。
複数の物をいくつか購入したときの値段から、それぞれの個別の値段を求める問題です。
他には、複数の物のをいくつか購入した値段に加え、さらに物の値段の関係が与えられる問題も代表的です。
例題2
えんぴつ4本と消しゴム3個を買うと340円だった。えんぴつ1本の値段が消しゴム1個の値段よりも20円安いとすると、えんぴつと消しゴムの値段はそれぞれいくらか。
そして、個別の値段ではなく、新たな関係式を求めさせる問題も中学受験ではよく出されます。
例題3
りんご3個とみかん2個、バナナ1房を買うと合計470円、りんご3個とみかん4個、バナナ5房を買うと790円だった。ではりんご2個とみかん1個だといくらになるか。
ではこれらの解き方について解説していきます。
消去算の解き方
例題1の解き方
例題1
りんご5個とみかん3個を買うと840円、りんご3個とみかん2個買うと520円だった。りんごとみかんの値段はそれぞれいくらか。
りんご5個とみかん3個で840円なら、それぞれ倍の個数を買えば値段は倍になり、840×2=1680840×2=1680で1680円。りんご3個とみかん2個で520円なら、その3倍の個数を買えば値段も3倍の520×3=1560520×3=1560円になります。
こうすることでみかんの個数を3と2の最小公倍数、6個で合わせることができます。
みかんの個数を合わせることで、とりんごの個数の変化による値段の変化が分かりました。
このようにまとめて、上から下を引くことで、りんご1個120円が求まります。
りんご1個120円という情報を、りんご3個とみかん2個で520円という情報に加えると、「360円+みかん2個の値段=520円」。
つまりみかん2個で160円なので、みかん1個だと80円になります。
例題2の解き方
例題2
えんぴつ4本と消しゴム3個を買うと340円だった。えんぴつ1本の値段が消しゴム1個の値段よりも20円安いとすると、えんぴつと消しゴムの値段はそれぞれいくらか。
下の図のように、消しゴム3個というのは、「(えんぴつの値段+20円)×3」と置き換えることができます。
このように考えると、「えんぴつ7本の値段+60円=340円」となるので、えんぴつ7本の値段は280円、280÷7=40280÷7=40となり、えんぴつ1本が40円。消しゴムはこれより20円高いので、消しゴム1個60円というのが求められます。
例題3の解き方
例題3
りんご3個とみかん2個、バナナ1房を買うと合計470円、りんご3個とみかん4個、バナナ5房を買うと790円だった。ではりんご2個とみかん1個だといくらになるか。
「りんご3個、みかん2個、バナナ1房」と「りんご3個、みかん4個、バナナ5房」はそれぞれを合わせたら6個ずつに数をあわせられることに気づくのが重要です。
このように数を合わせれば個数分で割って小さい個数の新たな関係性が導けます。
「りんご3個、みかん2個、バナナ1房で470円」という関係から引けば問われている「りんご2個、みかん1個」の値段になります。なので答えは470-210=260より、260円です。
他には、はじめにバナナの個数を合わせて消去するという方法もあります。
このような問題はいろんな考え方ありますし、決まった解き方がありません。実際に足したり引いたりしてみるのが重要です。
今回、消去算の3つのパターンとそれぞれの解き方を紹介しました。
消去算の問題はいずれかの方法で解くことになるので、それぞれの方法を抑えておきましょう。
消去算の3つの解法
- 最小公倍数で数を揃えて消去する
- 一方をもう一方の数量で置き換える
- それぞれの数を揃えて新たな関係を導く