毎年1名か2名だったのですが、今年は一気に5名。
アメリカ、ニュージーランド、エジプト、シンガポール、ドイツ、 ベルギーと、実に国際色豊かなことになっています。
帰国子女ゆえに、国語に悩みを抱える生徒がほとんど。
ということは、 算数の問題文の読み取りにも悩みを抱えるということですね。
平面図形の問題文中の「折り返した」の意味はわかるけれど、 速さの問題文中の「折り返した」の意味がわからずに??? となる生徒。
差集め算の「A8個、B5個買う予定でいたが、 実際は個数を取り違えて買った」という問題文で「取り違えた」 の意味がわからずに「それで、実際は何個買ったの? 個数が書いてないから解けないよ」と訴える生徒。
時計算で「長針と短針のなす角の大きさを求めなさい」 という問題文を読み、「えっ・・・なす?」 と野菜を思い浮かべる生徒。
ただいま苦戦中です。
ただ、 問題文を正しく読み取れないのは帰国子女に限ったことではありま せん。
ここ数年、言葉を知らない、日常生活での知識がない、 そんなことが原因で問題文が読めない生徒が増えています。
その点については、また機会があったら述べたいと思います。
では、帰国子女を指導するにあたって、 最も難しい点って何だと思いますか?
それは、生徒の「言いたいこと」と「言っていること」 が微妙にずれるときがあるという点。
そのずれを講師が把握できないと、 噛み合わない授業になってしまうのです。
特に難しいのが、生徒の質問内容がずれて伝わるとき。
生徒の解いた過程と質問内容をすりあわせて、 ずれていることをこちらが察知してあげる必要があります。
「去年、 珍語録トリオのヘンテコ発言を通訳してきたから大丈夫でしょ」 と言われますが、全く別物です。
珍語録トリオは「音」で言葉を覚えるので、 ヘンテコ発言は正しい表現と意味はかけ離れていても音は似ていま す。音から類推することができるので、通訳しやすいのです。
一方、帰国子女の生徒の発言は、 正しい表現と似たような意味の表現なので、 あっているようなあっていないような。
そこを流さないように、 常に生徒の言葉に注意して耳を傾けているので、 普段使わない神経を使っているような感じです。
「帰国子女の指導の経験値は毎年上がっている」 とちょっぴり自負している反面、「生徒が聞きたいこと・ 知りたいこと、生徒にとって必要なことを100% 正しく伝えることができているのだろうか」と自問自答し、 悩むことも。
まだまだ勉強させてもらいます。
と書くと「帰国子女じゃない生徒の授業は神経使わずに済むの? 悩まないの?」と言われそうなので、あらかじめ書いときます。
どの生徒の授業も思いっきり神経使いますし、 時には悩むことだってありますから