私は早朝のゼブからマニラのフライトの搭乗時間を待っていた。エルサイズのコーヒーは熱すぎて、なかなか飲めない。私をシニアと認めてくれたらしい。早い搭乗を勧められたので、笑いながら、お礼を言って先に歩く。
シートベルトを締め、エンジン音が聞こえ、離陸直前にふと気がついた。
え?ない。あれっ?ない。スマホがない。
そんなはずはない。チェックインではあった。あの時もあった。頭の中は、パニックになりながら、冷静をつとめた。
日本語を英語に直すのに、私が知っている単語のみで伝える必要がある。
盗まれた場合にはスマホは戻らない。しかし、パスワードと顔認証にしてあるから、開かないと思う。その場合には、自宅のパソコンからiCloudでバックアップは可能。まっさらにしたスマホが売られるということか。数ヶ月前に買ったばかりなのに…最悪は、間違えて、開いてしまったら、もっと面倒なことになる。たくさんのパスワードの変更や、銀行、カードの使用を止める必要がある…など、いろいろ心配になる。
とりあえず、一番最初に困るのが、明日の帰国のフライトのチケットはどうする?どうなる?私の英語力で、伝えられるか?
マニラでは、飛行機からイチバン最後に降ろされ、別室までは、車椅子に乗せられた。荷物と私を運ぶのに便利だったからか…私がショックで歩けない、と思われたか…キャビンアテンダントのお姉さんから、若い男性、おじさん、また違う部署のスタッフにと、私が乗った車椅子はリレーされた。もちろん、車椅子に乗るのは初めてのことで、それもショックだったが、スマホの紛失はそれ以上のショックだった。
1.どこでなくしたか?その状況は?
2.どの機種か?色は?
3.SIMについて、電話番号は?
4.最悪、戻らなかった場合は?
5.本日の宿泊は?
6.連絡先は?
7.日本への帰国フライトについて
その全ての質問に答えた。特に電話番号は、何度も言わなきゃいけない場合があったので、珍しく暗記していたのは、不思議だった。その番号の呼び出し音が聞こえ、何回かのコールの後にアナウンスが流れる。それを数回繰り返して、セブパシフィックのスタッフは、私に言った。
「あなたのスマホは見つかった。もうすぐマニラに到着する」
素晴らしい。スタッフの迅速で的確な対応に感謝。しかし、スマホはその日に戻らず、誰とも連絡はできない時間を過ごし、翌日、スマホは私のもとへ。そして、無事に帰国。
日本では当たり前でも、海外において、このようなケースは奇跡に近い。スマホがもどることはほぼない。本当に有能なスタッフに助けられた。
ありがとう。素晴らしい、セブパシフィック。
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