「ジョウ、ジョウじゃないか」
クラッシャー評議会ビルのエントランスロビーで、背後から声をかけられた。
振り向くと、懐かしい顔があった。記憶にあるよりも少し年老いた、しかし、人好きのする中年の男性。
「エギル」
ジョウの顔がほころんだ。
同じだけエギルと呼ばれた男もにこにこと相好を崩して近寄ってくる。
自然、握手を交わした。それだけでは足りず、男はジョウの上腕のあたりをしきりと叩いた。
歓迎のしるし。
「久しぶりだなあ。元気そうだな」
「それはこっちの台詞だ。何年ぶりになるかな、もう」
「10年は経ってるんじゃないか。お前さん、売れっ子になっちまって全然アラミスに顔を出さねえからよ。活躍はいつもニュースで見てるぜ」
すっかりでっかくなっちまって、と目を細める。
我が子を見るかのような、愛情深いまなざし。ジョウも嬉しそうな表情を隠さず、
「懐かしい。――スーツなんて着てるんだ、いま」
と気安く言った。
「ん、まあな。定例会議が終わったところだ。柄でもねえけどな。仕事は仕事だ。お前みたいに現役ばりばりの頃が懐かしいぜ」
で、ところでと話題を変える。
「今日はどうしてここへ? 本部ビルなんてここ10年寄りつきもしなかったのに」
と、そこでエギルは初めてジョウの傍らに居る少女に目を留めた。
真っ赤なクラッシュジャケットを着ている。金髪碧眼の美少女。いや、少女というよりは大人になりかけの、匂い立つような美貌が際立つ。
まるで女優かモデルのように美しい娘だった。
これはこれは……。
さっきから、ジョウとエギルのやりとりを黙って眺めていた。ジョウに、「こちら、どなた?」と目顔で訊いている。
「アルフィン、こっちはクラッシャーエギル。ダーナやルーたちの親父さんだ。昔から世話になっている。
エギル、彼女はアルフィン。うちの航宙士だ」
それを聞いてアルフィン、エギルともども「えっ」と目を丸くした。
アルフィンは目の前のがっちりした中年男性をしげしげと見る。好好爺……と呼ぶにはまだ若い。けれども、六〇は超えていると思われる年齢。ルーの父親と言われると、確かに目元とか、似ている。あの3姉妹の面影がある。
アルフィンもエギルの手を握り、挨拶を交わした。
「ワームウッドの件では、娘さんたちにとてもお世話になりました」
エギルはそう言われると、ああ、とうなずき、
「報告書で読んだよ。そうか、あんたがなあ。ガンビーノの後がまがこんな素敵なレデイとはなあ。驚きだ」
しみじみ言った。エギルがガンビーノとも親しくしていたのをジョウは思い出した。
「エギルは俺が小さい頃から可愛がってくれて、自分の船にもよく乗っけてくれたんだ。俺が生まれて初めて船の操縦桿を握ったのは、エギルの船だったんだ」
ジョウが懐かしそうにアルフィンに話す。
「そうなの」
「俺には息子がいなかったからよ。つい、な。可愛かったんだぜ、ジョウ。こんな小さくてなあ、船に乗っけたときは」
自分の腰ぐらいのところを手で示す。
「エギル、エギルって追っかけてきてな。船のこといろいろ教えてくれよって。俺もこんな息子がほしかったぜ」
しみじみ言うので、照れくさくなりジョウは、
「それ、ルーたちに絶対言わないほうがいい」と釘を刺してやった。
エギルは「違いねえ」と呵々と笑った。そして、
「――で、なんだ二人して、今日はダンに結婚の挨拶にでも来たのか」
結婚?
ジョウとアルフィンは言われて目を見交わした。二人とも真っ赤になる。
ジョウはばつが悪そうにあさっての方を向いて言った。
「馬鹿言うな。今日はアルフィンのランク申請に必要な書類を取りに来ただけだ」
「そんなのオンラインで手に入るだろ」
「初期申請だから、ID登録だの写真提出だの、いろいろ面倒なんだよ。知ってるだろ。たまたま近くに寄る用事があったから、一気に要件を済まそうと思って立ち寄ったんだ」
なんで言い訳みたいになってるんだと思いつつ、ジョウは口早に言った。
「へえ、俺はてっきり……」
「てっきり、なんだよ」
「なんでも。で、こっちに着いたことは親父に、ダンには伝えたのか」
「それは、」
ジョウがそこで言いよどんだ。
と、同じタイミングで、
「エギル? ロビーの真ん中でどうした」
そこでまた別に声をかけられた。
エレベータから吐き出された人々が近づいてくる中、一番背が高くひと目を惹く風貌の男がいた。
ジョウの顔つきが変わる。その人物も、ジョウを認めて足を止めた。
「親父」
「ジョウ?」
ラゴールの事件にからむ、スタージス以来の親子の再会だった。
評議員御用達のバー。ダンとエギルは河岸を変えてここに来ていた。
カウンターに並んで腰掛け、乾杯とグラスを打ちつける。
現役時代の二人を知る者なら、このツーショットを見ると驚きを隠せないだろう。それほど犬猿の仲といわれた彼らだった。
というより、エギルが一方的にダンに絡んでいたのだが。それも周知の事実。
「今日は懐かしかっただろう。ジョウと久々に会えて」
エギルが口火を切った。蒸留酒が喉を焼く。
「ん。――まあな」
「久々に会ったというより、何がなんだか分からないうちに本部を出て行ってしまったけどな」
再会とまでもいえない、ほんの短い時間だった。
「売れっ子は忙しいねえ」
「あいつは、小さい頃から俺よりお前に懐いていた」
「お、なんだ珍しい。お前さんでも俺に嫉妬することがあるんだな」
驚きというより、少しの喜色を目に浮かべてエギルは言った。ダンは無表情に、
「嫉妬なんかしていない。事実を言ったまでだ」
と淡々とグラスを傾ける。
そうかねえ、とにやにや笑いを口の端に引っかけ、エギルは隣の席を見た。
「ジョウは俺と居るよりお前と居る方がリラックスしていた。昔から。お前たちの方が本当の父子みたいだと思っていた」
10年ばかり前の記憶を辿って、ダンは言った。
エギルはその表情の変わらない面を見まもりながら、
「ジョウは、お前を尊敬してるからな。父親っていうより、クラッシャーダンっていう偉いお人を見る部分があるんだろうよ。いずれ、自分が超えなきゃならない壁だから、お前は」
と言った。こちらもグラスを傾ける。
慰めではなかった。主観を述べたまでだ。
「壁ね……」
「目の上のたんこぶだろうぜ。同じ仕事をする上ではよ。俺はジョウの気持ちがようくわかるぜ」
それに対しては異論無い様子で、ダンも微笑んだ。
「ところで面白かったな。ジョウ。評議員、会う連中、みんなジョウと彼女、アルフィンか、あの子を見るなり『どうした、ジョウ。ダンに結婚の報告か』『結婚式はいつだ』って口々に。
あんときのあいつの反応! いやあ、いくつになっても可愛いったらねえな」
息子もいいよなあやっぱり、と笑う。
言われるたびに真っ赤になって否定していた。反応が面白くてみんなでからかった。評議員のほとんどは、ジョウの幼い頃を知っている者ばかりだ。立派に成長して、いまやクラッシャーの顔として活躍する彼を誇らしく思い、かまいたくてしようがない面子ばかり。
最後は頭にきたのか、強引にアルフィンの手を引いて本部ロビーから撤退した。
つい今し方の光景が蘇る。
「何しに来たんだか……」
ダンも含み笑いを隠せない。あの調子じゃ向こう10年、またアラミスには寄りつかないに違いない。
自分とはろくに会話もしなかった。スタージスで別れた以来、ぎこちなくなっている自分たち父子の関係。急に関係改善できるわけではなかったが、それにしても直接交わした言葉が「親父」「ジョウ」この二語というのは、いかんともしがたい。
エギルが言った。
「ワームウッドのケースの後、こっちで事後調査を入れただろう。その後、お前と二人で飲んだよな、ここで。この席で。憶えているか」
「ああ。憶えている」
ダンが頷く。
「俺がルーのメッセージを伝えて、ジョウをうちの一族にって言ったらお前、無理だろうって」
「ああ」
「内心、俺は何が無理なんだよ、失礼な奴。って思ってたんだよ。でもやっとその意味がわかったよ、今日」
それほど、どこからどう見ても、誰が見ても似合いの二人だった。
ジョウとアルフィン。
エギルが蒸留酒を飲み干す。喉を焼いて、腹に落ちていった。
「……だろう」
ふふと、ダンが口許を緩めた。
「無理だろう。あれは」
「お、やっと親父の、父親の顔を見せたな」
いいな、一人息子の結婚の話も近そうでお前は、と言い添える。
もしかすると本当に、アルフィンを正式に紹介するつもりで訪れたのかも知れない。そのときエギルは思った。
横やりを入れてしまったのかもしれなかった。
今となっては確かめるすべもないのだが。
あーあ、と彼はバーの天井を仰いだ。
「俺はいつになったら孫の顔を拝めるんだか。娘3人とも今は仕事が恋人って抜かしやがるし」
「待てば海路の日和あり」
「お前……ことわざ持ち出すとか、じじいくさいから止めろ」
「じじい。……人をじじい呼ばわりすると、お前もじじいってことだぞ、エギル」
同い年みたいなもんだからな。とダンが睨む。
「じじいでもいいさ。お互い、目の上のたんこぶで居続けてやろうぜ。若い連中をからかって、英気を養ってな。とことん長生きしてやる」
「……お前らしい」
ダンはグラスを持ち上げた。そんな彼にエギルは言った。
「今夜は俺のおごりだ。ジョウの結婚の前祝いにな」
「気が早いやつだな」
まあ、今夜は有り難くいただいておく。そう言って、ダンは残りの酒を喉を鳴らして飲み干した。
END
おやっさん祭りというよりも、おじいさん祭り?汗
嵐ファンの皆様。。。いろいろお心のうち思うところはおありでしょうが、長くアイドルでいらっしゃる相葉さんと櫻井さんのお二方のご結婚をいち日本人としてお祝いいたします。おめでとう~!
クラッシャー評議会ビルのエントランスロビーで、背後から声をかけられた。
振り向くと、懐かしい顔があった。記憶にあるよりも少し年老いた、しかし、人好きのする中年の男性。
「エギル」
ジョウの顔がほころんだ。
同じだけエギルと呼ばれた男もにこにこと相好を崩して近寄ってくる。
自然、握手を交わした。それだけでは足りず、男はジョウの上腕のあたりをしきりと叩いた。
歓迎のしるし。
「久しぶりだなあ。元気そうだな」
「それはこっちの台詞だ。何年ぶりになるかな、もう」
「10年は経ってるんじゃないか。お前さん、売れっ子になっちまって全然アラミスに顔を出さねえからよ。活躍はいつもニュースで見てるぜ」
すっかりでっかくなっちまって、と目を細める。
我が子を見るかのような、愛情深いまなざし。ジョウも嬉しそうな表情を隠さず、
「懐かしい。――スーツなんて着てるんだ、いま」
と気安く言った。
「ん、まあな。定例会議が終わったところだ。柄でもねえけどな。仕事は仕事だ。お前みたいに現役ばりばりの頃が懐かしいぜ」
で、ところでと話題を変える。
「今日はどうしてここへ? 本部ビルなんてここ10年寄りつきもしなかったのに」
と、そこでエギルは初めてジョウの傍らに居る少女に目を留めた。
真っ赤なクラッシュジャケットを着ている。金髪碧眼の美少女。いや、少女というよりは大人になりかけの、匂い立つような美貌が際立つ。
まるで女優かモデルのように美しい娘だった。
これはこれは……。
さっきから、ジョウとエギルのやりとりを黙って眺めていた。ジョウに、「こちら、どなた?」と目顔で訊いている。
「アルフィン、こっちはクラッシャーエギル。ダーナやルーたちの親父さんだ。昔から世話になっている。
エギル、彼女はアルフィン。うちの航宙士だ」
それを聞いてアルフィン、エギルともども「えっ」と目を丸くした。
アルフィンは目の前のがっちりした中年男性をしげしげと見る。好好爺……と呼ぶにはまだ若い。けれども、六〇は超えていると思われる年齢。ルーの父親と言われると、確かに目元とか、似ている。あの3姉妹の面影がある。
アルフィンもエギルの手を握り、挨拶を交わした。
「ワームウッドの件では、娘さんたちにとてもお世話になりました」
エギルはそう言われると、ああ、とうなずき、
「報告書で読んだよ。そうか、あんたがなあ。ガンビーノの後がまがこんな素敵なレデイとはなあ。驚きだ」
しみじみ言った。エギルがガンビーノとも親しくしていたのをジョウは思い出した。
「エギルは俺が小さい頃から可愛がってくれて、自分の船にもよく乗っけてくれたんだ。俺が生まれて初めて船の操縦桿を握ったのは、エギルの船だったんだ」
ジョウが懐かしそうにアルフィンに話す。
「そうなの」
「俺には息子がいなかったからよ。つい、な。可愛かったんだぜ、ジョウ。こんな小さくてなあ、船に乗っけたときは」
自分の腰ぐらいのところを手で示す。
「エギル、エギルって追っかけてきてな。船のこといろいろ教えてくれよって。俺もこんな息子がほしかったぜ」
しみじみ言うので、照れくさくなりジョウは、
「それ、ルーたちに絶対言わないほうがいい」と釘を刺してやった。
エギルは「違いねえ」と呵々と笑った。そして、
「――で、なんだ二人して、今日はダンに結婚の挨拶にでも来たのか」
結婚?
ジョウとアルフィンは言われて目を見交わした。二人とも真っ赤になる。
ジョウはばつが悪そうにあさっての方を向いて言った。
「馬鹿言うな。今日はアルフィンのランク申請に必要な書類を取りに来ただけだ」
「そんなのオンラインで手に入るだろ」
「初期申請だから、ID登録だの写真提出だの、いろいろ面倒なんだよ。知ってるだろ。たまたま近くに寄る用事があったから、一気に要件を済まそうと思って立ち寄ったんだ」
なんで言い訳みたいになってるんだと思いつつ、ジョウは口早に言った。
「へえ、俺はてっきり……」
「てっきり、なんだよ」
「なんでも。で、こっちに着いたことは親父に、ダンには伝えたのか」
「それは、」
ジョウがそこで言いよどんだ。
と、同じタイミングで、
「エギル? ロビーの真ん中でどうした」
そこでまた別に声をかけられた。
エレベータから吐き出された人々が近づいてくる中、一番背が高くひと目を惹く風貌の男がいた。
ジョウの顔つきが変わる。その人物も、ジョウを認めて足を止めた。
「親父」
「ジョウ?」
ラゴールの事件にからむ、スタージス以来の親子の再会だった。
評議員御用達のバー。ダンとエギルは河岸を変えてここに来ていた。
カウンターに並んで腰掛け、乾杯とグラスを打ちつける。
現役時代の二人を知る者なら、このツーショットを見ると驚きを隠せないだろう。それほど犬猿の仲といわれた彼らだった。
というより、エギルが一方的にダンに絡んでいたのだが。それも周知の事実。
「今日は懐かしかっただろう。ジョウと久々に会えて」
エギルが口火を切った。蒸留酒が喉を焼く。
「ん。――まあな」
「久々に会ったというより、何がなんだか分からないうちに本部を出て行ってしまったけどな」
再会とまでもいえない、ほんの短い時間だった。
「売れっ子は忙しいねえ」
「あいつは、小さい頃から俺よりお前に懐いていた」
「お、なんだ珍しい。お前さんでも俺に嫉妬することがあるんだな」
驚きというより、少しの喜色を目に浮かべてエギルは言った。ダンは無表情に、
「嫉妬なんかしていない。事実を言ったまでだ」
と淡々とグラスを傾ける。
そうかねえ、とにやにや笑いを口の端に引っかけ、エギルは隣の席を見た。
「ジョウは俺と居るよりお前と居る方がリラックスしていた。昔から。お前たちの方が本当の父子みたいだと思っていた」
10年ばかり前の記憶を辿って、ダンは言った。
エギルはその表情の変わらない面を見まもりながら、
「ジョウは、お前を尊敬してるからな。父親っていうより、クラッシャーダンっていう偉いお人を見る部分があるんだろうよ。いずれ、自分が超えなきゃならない壁だから、お前は」
と言った。こちらもグラスを傾ける。
慰めではなかった。主観を述べたまでだ。
「壁ね……」
「目の上のたんこぶだろうぜ。同じ仕事をする上ではよ。俺はジョウの気持ちがようくわかるぜ」
それに対しては異論無い様子で、ダンも微笑んだ。
「ところで面白かったな。ジョウ。評議員、会う連中、みんなジョウと彼女、アルフィンか、あの子を見るなり『どうした、ジョウ。ダンに結婚の報告か』『結婚式はいつだ』って口々に。
あんときのあいつの反応! いやあ、いくつになっても可愛いったらねえな」
息子もいいよなあやっぱり、と笑う。
言われるたびに真っ赤になって否定していた。反応が面白くてみんなでからかった。評議員のほとんどは、ジョウの幼い頃を知っている者ばかりだ。立派に成長して、いまやクラッシャーの顔として活躍する彼を誇らしく思い、かまいたくてしようがない面子ばかり。
最後は頭にきたのか、強引にアルフィンの手を引いて本部ロビーから撤退した。
つい今し方の光景が蘇る。
「何しに来たんだか……」
ダンも含み笑いを隠せない。あの調子じゃ向こう10年、またアラミスには寄りつかないに違いない。
自分とはろくに会話もしなかった。スタージスで別れた以来、ぎこちなくなっている自分たち父子の関係。急に関係改善できるわけではなかったが、それにしても直接交わした言葉が「親父」「ジョウ」この二語というのは、いかんともしがたい。
エギルが言った。
「ワームウッドのケースの後、こっちで事後調査を入れただろう。その後、お前と二人で飲んだよな、ここで。この席で。憶えているか」
「ああ。憶えている」
ダンが頷く。
「俺がルーのメッセージを伝えて、ジョウをうちの一族にって言ったらお前、無理だろうって」
「ああ」
「内心、俺は何が無理なんだよ、失礼な奴。って思ってたんだよ。でもやっとその意味がわかったよ、今日」
それほど、どこからどう見ても、誰が見ても似合いの二人だった。
ジョウとアルフィン。
エギルが蒸留酒を飲み干す。喉を焼いて、腹に落ちていった。
「……だろう」
ふふと、ダンが口許を緩めた。
「無理だろう。あれは」
「お、やっと親父の、父親の顔を見せたな」
いいな、一人息子の結婚の話も近そうでお前は、と言い添える。
もしかすると本当に、アルフィンを正式に紹介するつもりで訪れたのかも知れない。そのときエギルは思った。
横やりを入れてしまったのかもしれなかった。
今となっては確かめるすべもないのだが。
あーあ、と彼はバーの天井を仰いだ。
「俺はいつになったら孫の顔を拝めるんだか。娘3人とも今は仕事が恋人って抜かしやがるし」
「待てば海路の日和あり」
「お前……ことわざ持ち出すとか、じじいくさいから止めろ」
「じじい。……人をじじい呼ばわりすると、お前もじじいってことだぞ、エギル」
同い年みたいなもんだからな。とダンが睨む。
「じじいでもいいさ。お互い、目の上のたんこぶで居続けてやろうぜ。若い連中をからかって、英気を養ってな。とことん長生きしてやる」
「……お前らしい」
ダンはグラスを持ち上げた。そんな彼にエギルは言った。
「今夜は俺のおごりだ。ジョウの結婚の前祝いにな」
「気が早いやつだな」
まあ、今夜は有り難くいただいておく。そう言って、ダンは残りの酒を喉を鳴らして飲み干した。
END
おやっさん祭りというよりも、おじいさん祭り?汗
嵐ファンの皆様。。。いろいろお心のうち思うところはおありでしょうが、長くアイドルでいらっしゃる相葉さんと櫻井さんのお二方のご結婚をいち日本人としてお祝いいたします。おめでとう~!
⇒pixiv安達 薫
エギルが、出てくると話が面白くなるから(笑)
ちょっと、ダンの嫉妬もあったりしてね。
おじいさん祭り、いや「じじ(我が家の子供達は、私の両親をそう呼ぶ)祭り」も近いことでしょう。
じいさん祭り🎵大歓迎でございます⤴️
2人がアラミスに戻って来たら、ただでは帰らせてくれないですね😁
とは逆に、イブニング・ピザン編 JくんのA嬢に対しての、つんけん態度が初々しいったら🤭
「aya19641222aya」は、「おすぎーな」で、ございます🙏
おやっさんと絡めるととても面白い。。。。
おじいさん祭り、のバーの部分とかもっと書き込みたいという欲求を抑えるのが大変でした。
ピザン編はジョウの態度の軟化が見どころみたいですね。