「最も誠実な国」ドイツがトルコに嫌がらせ!100年前のアルメニア人迫害は「ホロコースト」と同格なのか

2016年06月03日(金) 川口マーン惠美

「最も誠実な国」ドイツがトルコに嫌がらせ!100年前のアルメニア人迫害は「ホロコースト」と同格なのか  どうなる難民政策

 

ドイツは、70年間にわたってホロコーストに対する反省と謝罪を国是としてきた。謝罪の歴史は、ドイツ人にとって今や自慢を通り越して、ほとんど快感となっている

イメージの改善には徹底的な謝罪しかない、とドイツ人は考えた

国民はナチに騙されていただけで、基本的には罪がなかったが、それでも「ナチの罪」をナチに代わって謝罪し続ける

その努力が、70年かけてたわわな実を結んだ。ドイツ人のイメージは一新し、今では「世界でもっとも誠実でモラルの高い国民」である

多くの国民は、国家の思惑などとは無関係に、あるいはそんなことに気づかずに、本当に心から誠実であり、しかも、自分たちが誠実だということをつゆも疑わない

トルコとの共闘がうまくいかないとわかった途端、ドイツはあたかも嫌がらせのようにアルメニア問題を持ち出してきた。「100年前にトルコ人がアルメニア人を殺したのはジェノサイドである」という決議案

トルコが行ったアルメニア人の迫害は第一次世界大戦中の出来事で、複雑な事情が絡み合っている。トルコ(当時はオスマン帝国)がロシアを相手に戦っていた最中、トルコ国内のアルメニア人が敵国ロシアに寝返ったという事実もある。もちろんトルコはそれを看過できなかった

(ドイツには、トルコ系移民が300万人おり、彼らのおかげでかつての奇跡の経済成長が実現した)。

トルコがかりに独裁国になりかけているとしても、この国では普通選挙が行われており、エルドアン大統領は国民に選ばれた元首だ。だいたい、世界には 他にも独裁国はたくさんあり、ドイツがとりわけ仲良くしているサウジアラビア、イラン、中国も、民主主義国家とは言い難い。しかもこの中には、今なお国内 の特定民族を骨抜きにしてしまおうとあらゆる手段で臨んでいる国もある。

ドイツ人は、原爆投下はホロコーストに匹敵する犯罪だと思っている。なのに、謝罪なしで何の問題もないばかりか、かえって日米関係が強固になるなんて、絶対に面白くないはずだ。

そんなわけで、同日夜のニュースによれば、オバマ大統領が謝罪をするのは、まず、日本が真珠湾攻撃について謝罪してからなのだそうだ。「反省と謝罪」は、ドイツが将来の日米関係に課した宿題か? だとしたら、大きなお世話だ。

 

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