詩と断片 あるいは 言葉の雫

美琴の新作の詩、言葉を載せています。

夢の居場所

2010年02月19日 | 
夢の切れ端が
夜の片隅から
少しずつ落ちて
月明かりにあたって
太陽の光の一部となって
昼間の人間に希望を与える

夢とは儚いものである
と 同時に
誰かを強くする力を秘めている

夢から覚めて夢を見る
誰でも夢を持つための
許可はもらっている
その夢を持ち続けるのは
本人の努力しだい

夢は重くはない
空中を 頭の中を
飛び回っている
それは蝶にも似ていて
捕まえるのは難しいかもしれない

捕まえるには
少しの考える時間と
捕まえるための準備と
捕まえるまで続ける
気持ちが必要になる

それも元々
誰もが持っていたもので
悪夢を怖れる気持ちが
その気持ちを少しずつ
消し去っていって
いつの間にか人間は
夢は儚いだけで
力を秘めている事を忘れた

そして夢は夢として
現実と区別されて
夜の片隅に捨てられた
でもまだ
力の証を示すように光っている

ただ人はそれを
新しく星と呼ぶようになった

自分達の捨てた夢だとは
誰も気づいていない

今夜もまた星は
夢の存在を思い出させるために
夜の片隅で光っている

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 確実の後ろ | トップ | 戦闘服  »

」カテゴリの最新記事