2021年11月に娘と連れだって、東京・天王洲の寺田倉庫で開催されていた「バンクシーって、誰?」展に行ってきました。
時間予約をして行きましたが待たされること1時間、ようやく会場に入り一つ一つの作品を見て回りました。
バンクシーは、それぞれの作品に自分の強い思いを訴えかけているように感じました。
私にとって”バンクシーが誰か”を探すことより、その思想事態をとても興味深く思いながら見て回りましたが、私の心を掴み、足を止めるエリアの一つが写真にある場所でした。
この絵は2014年の夏に、7週間にも及ぶイスラエルの軍事攻撃によって廃墟となったガザ地区の北部のベイトハヌーンに残されたものです。
なぜ廃墟と化したこの場所に、愛らしい仔猫の絵が描かれたのでしょうか。
解説にあるように、今世界中で猫がブームになっていて、日本でも書店には猫の写真集が連なり、ペットショップには沢山の仔猫が高値で売られています。
写真集やペットショップに流れる金銭が困っている国や国民の支援に回ったなら…というバンクシーの思いが込められているのでしょうか。
このバンクシーの作品を見ながら、なんで人は、なんで国は争い殺し合うのだろうかという思いが湧きあがってきました。
TVで戦争や紛争のニュースが流れるたびに、「何のために戦うのか」という疑問がいつも巡ります。
多くの人は人を殺すこと、戦争をすることはいけないことだと知っていますし、多くの人が戦争がなくなればよいのに、戦争を止めたいと願っていると思うのですが、私が生まれて50数年の間、戦争が無かったことはただの一度もないのです。
いつもどこかの国同士が、民族同士が、宗教が対立し一瞬の間も止まることなく紛争・戦争をしているのです。
地球が誕生して人類が生まれたときから、争いは一時も止んだことはないのかもしれません。
その戦争についてシルバーバーチ(*1)は次のように語っています。
「他人の肉体生命に終止符を打つ行為は、大霊の摂理に背きます。
殺意を抱くと、理性が去ります。
人間には大霊の分霊が宿っていますが、同時に動物的進化の名残も留めています。
人間の進化向上は、動物性を抑え、神性を発揮することによってなされるものなのです。
動物性をむき出しにすると、戦争や紛争や殺し合いなどが起こります。
反対に内面の神性を輝かせ互いに助け合うようになれば、平和と調和と豊かさがもたらされます。
国家とか民族とで差別してはいけません。
いずれの国家も民族も大霊の一部なのです。
大霊の目かれ見れば皆、大霊の子どもであり、兄弟姉妹なのです。
私たちの教えは、単純ですが、真実です。
それは大霊の摂理を基盤にしているからです。
摂理を無視して地上界を築こうとしても、混乱や騒動が起きるだけで、最後はすべてが破綻します。
よほどの犠牲的な努力がなされないかぎり、地上ではこれからも戦争が絶えないでしょう。
人類はそうなる種を蒔いてきており、蒔いた種は人類みずからの手で刈り取らなければなりません。
原因と結果の法則は絶対にごまかせないのです。
流血の種を蒔いておいて、平和を刈り取ることはできません。
動物的欲望の種を蒔いておいて、その結果を免れることはできません。
愛が欲しければ愛の種を蒔くことです。
平和が欲しければ平和の種を蒔くことです。
至るところに奉仕の種を蒔けば、地上世界は奉仕の精神にあふれることでしょう。
このように大霊の真理はきわめて単純なのです。
あまりに単純すぎるために、地上で指導的立場にある人々には、その重大性が分からないです。」
シルバーバーチの教え・下巻 P58-59
このシルバーバーチの言葉はとても当たり前の言葉だと思います。
戦争、紛争が絶えないのは、自分たちの利益や幸福だけを願い、自分たちが良ければ他はどうでもよいという心理が根強くあるからなのだろうと私は思いますし、いずれもが自国や民族、自分の宗教のみを中心に考えているからで、それはシルバーバーチの言葉と真逆の考え、行為をしていることになります。
チューリップの球根を蒔いて百合の花が咲かないように、ほうれん草の種を蒔いて小松菜が出来ないように、種まきと刈り取りの法則は狂うことなく働くのです。
流血の種を蒔いて平和が得られるはずはなく、大霊の真理は本当に単純明快であり誰もが分かり納得のいくものだと改めて思います。
みんなが国家の違い、民族の違い、肌の色の違い宗教の違いを超えて、大霊の子として兄弟であり姉妹であるという認識のもとで、互いに愛の種や平和の種、奉仕の種を蒔ける世の中になってほしいと思いました。
とはいえ、自分がそうできているかと言えば、そうでないことも多々あります。
昨年、東京で開催されたオリンピックの様子が流れてくると、無意識のうちに日本を応援している自分に気づいてハッとしました。
その時、原因と結果の法則を免れることはできないという言葉を忘れずに、人類すべてに分け隔てなく愛の種を蒔いていけるようになりたいと思いました。
私を鼓舞してくれたバンクシー展での貴重な体験に感謝します。
バンクシー、ありがとう!!!
今後の作品も楽しみにしています。
(*1)「シルバーバーチの教え・下巻」は、スピリチュアリズム普及会で、自費出版されています。
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