さて、動物の多くの個体や集団が、それぞれの生活の場を確保するために、他の集団や個体の侵入を許さない地域、テリトリーがあります。
我が家は鳥と犬と猫の多頭が暮らしていますから、時にテリトリー争いが勃発します。
保護犬チワワのソイは、クマのプーさんのハウスがお気に入りで多くの時間をその中にいますが、自分が入っているときに他の動物が入ろうとすると威嚇して入れようとはしません。
保護犬チワワのミルキーは、お気に入りのビーズクッションに寝ているときに誰かが近づくと威嚇します。
新入りの保護猫ちゃんたちは、いつも肩身の狭い思いで過ごしていますが、キャットタワーや冷蔵庫や食器棚の上などは誰も来れない場所としてなんとかテリトリー確保が出来ています。
そんな中でダントツ縄張り意識が強いのは、コミドリコンゴウインコのナッツです。
机やカウンターに乗っている気に入らないものは全て落としてしまいます。
時と場所に関わらず目に留まって気に入らない誰かがいると、襲いかかり噛みついて蹴散らします。
稀に犬や猫だけではなくて、そばを通る人間にもです。
コンゴウインコはオンリーワンの傾向(一人の人に懐く)があり、そのために起きる行動だろう、また後から来た動物をみんなが可愛がっている姿をみて威嚇するのだろう、被食動物である自分の生命を必死で守る行動なのだろう…と思います。
また、繁殖期になると巣作りらしき行動をするのですが、その時期は特にピリピリしていて巣の近くを歩くだけでも襲いかかって噛みついてくるのですが、本気で噛むナッツの威力はクルミを砕くほどですから、流血も免れません。
なので、繁殖期はこちらも警戒してしまいます。
でも、ナッツの行動は本能に由来する自己防衛ですから、むげに怒ることもできません。
むしろ小さなナッツが自分や巣を守ろうとする姿は愛おしくさえ思えます。
一方で、地上界、人間の世界は常に領土を巡っての争いが絶えません。
以前、日本も戦争に参加し領土をもっていました。
多く戦略し多くを支配する者が強く勝者であると、自分たちに従わせるためにです。
今現在も、ロシアによるウクライナ侵攻は続き、ウクライナの国民を世界の人々を恐怖に陥れ、その非道さは日に日に増しています。
そういえば私が小学生、中学生時代に隣家の家主と土地の境界線のことで、両親が言い争いをしていたことを思い出しました。
その時私は、こんな小さな土地をめぐって争う必要があるのか?と疑問に思い、両親と隣人を見て”小さな戦争だ”と思ったものでした。
しかし人間はなんで土地を得るために争うのでしょうか。
万物の霊長を誇る人間が…。
そもそも、本来その土地は誰のものなのでしょうか。
私がいつも引用するシルバーバーチの霊訓(*1)にも、領土に関する言葉が載っているので引用したいと思います。
「土地、海、空ーこうしたものは、どこの国の所有物でもありません。
大霊のものです。
その霊性がすべての子等を通じて表現されているのです。
ですから、すべての子等が当然の遺産として、幸福と発達と開発と日常生活にとって必要なものを等しく受ける権利があるのです。
そうした人生を送ってはじめて、いよいよ死期が訪れた時に気持ちよく重荷をおろし、より大きな霊の世界への準備が整った状態で死んでいけるのです。」
スピリチュアリズムによる霊性進化の道しるべ P211-212
シルバーバーチが述べているように、土地や海や空…こうしたものは、どこの国の所有物でもありません。
この言葉を読んだときに、本当にその通りだと心から納得しました。
人間が欲望に翻弄されて土地を巡り、海を巡り、空を巡り、自分たちの価値観にまかせ多くを所有しようと争いやけん制が絶えないのです。
人間が勝手に決めたルールが、こうした悲惨な恐ろしい現実となっているのだと思いました。
もちろん、約79臆の人間が暮らす地球ですからルールや規則が必要だとは思いますが、それは一方的なもの、強者と弱者を生み出すようなルールであってはいけないと思います。
だれもが公平に平等に富や食料や土地、海、空を共有できるものでなければならないのだと思うのです。
シルバーバーチが言うように、すべての人間は当然の遺産とし、幸福と発達と開発と日常生活にとって必要なものを等しく受ける権利があるということです。
世界は一人ひとりの生き方で成り立っているのですから、私自身の生き方も戦争や侵攻が起きる要因となっているということです。
死後に自分の生き方を後悔しないように欲を張らず我を張らず、質素に清らかな日常にして、戦争や侵攻の要因とならない自分でいられる努力をしたいと思います。(*2)
(*1)「スピリチュアリズムによる霊性進化の道しるべ」は、スピリチュアリズム普及会で、自費出版されています
(*2) 「関東シルバーバーチの会」という、「シルバーバーチの霊訓」を学ぶ読書会のメンバーが「あいのしんこと舎」を設立し、自費出版にてスピリチュアリズムの知識を分かりやすく絵本にしました。
その中の「コトとシンのうちゅういちたのしいおはなし」という絵本には、スピリチュアリズムが示す「人間の本質」についてや「死後の世界」の知識が分かりやすく描かれています。