消えたあんず酒

あんず酒を一度作ってみたいと思っていたので、妊娠時代にあんずを漬けました。ぴょこたん（当時の胎児名）が生まれて卒乳してから、「あの時妊娠してたんだよな～…」とか思いながら飲むのを心待ちにしていました。

漬けてしばらくは瓶の中の変化を楽しむためにキッチンのカウンターに置いておいたのですが、できあがってからは食品庫の奥にしまっておきました。

そして新しい冷蔵庫が来るにあたり、今まで冷蔵庫の上にあった電子レンジをキッチンカウンターに置かなければならなくなり、それに伴いあちこちの収納方法の見直しが必要になりました。冷蔵庫が来るのは12時～14時の予定だったので、朝から整理をしました。

あんず酒は食品庫の奥だと出しづらいので、別の場所にうつそうと持ち手を持って運びました…のはずが、

ガッシャーン！！！！！！

プラスチックの持ち手は瓶の重みに耐えきれず、床めがけてまっさかさまガラスだけなら破片をある程度拾って掃除機をかければ良いけれど、キッチン一帯があんず酒の海なのでそうもいきません。雨漏りしたら困るので急いで破片を拾い、雑巾でそうっと小さな破片とあんず酒を集めてそのままごみ袋へ、を繰り返し、ようやく水分が拭きとれてから掃除機をかけました。掃除機をハイパワーにしても粉々になった破片は吸いきれないようで、裸足で歩くと足の裏がチクチクしました

せっかくおいしいあんず酒を飲もうと思って仕込んでいたのに、たったの一滴も飲まずに消えてしまいました…ガラスの破片がグサグサと刺さって傷ついた床は、私の心そのものでした