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にざかな酒店

短歌短文リメイク いつか死ねるはず1

と、いうわけで。このスタイルなら話がサクサク進みますね…!
ってことで五月二十八日、ちょっと手を入れてもう少し小説調に読めるようにしてみましたよ。
もう短歌っていうか何かのコピーライティング?キャプション?てことになっておりますが、サクサク進むので文句言わない(どんな理屈だ)
ところでドッペルゲンガーのリメイクが既に結構重要なシーンをサクッとやっちゃってますが(特に殺人シーンが最初のやつはめっちゃしつこくて熱いイメージで描いてたのに、付け回すところとかリメイク版はその辺あっさりと)気にしない。気にしないのだ。とりあえず書きたいところまで頑張ってかいて、あとで補足するところは補足する!かも!的な。
あ、でも順番メタメタになるかもって予告は案外外れ、ちゃんと時間軸通りに進んでおります。(苦笑)
ってことで続きでどうぞ。次回はとんでもない暗い展開から始まるよ!
短歌短文でリメイク いつか死ねるはず1

「侵入者ずかずかと背の高いライフルと私」
ある十月の終わりから十日くらい前の頃。屋敷にずかずかと入ってくる侵入者としか思えない背の高い男。彼女にはこの男は日常を破壊する存在として映った。今のうちに殺しておかない、と。彼は。
思い余った私はライフルを手に取った。
これ以上入ってくると撃ちますよ。彼女は震える声で言った。震えてる?うん。だってこの人、怖いし。
ああ。どうせ撃ったって俺は死なない。さっき交通事故にあったばっかりだ。どうなっているのか当主に話を聞かないことにはー。どうせこのわけのわからない町の一族だから、何かカラクリがあるんだろ?
ああ、じゃあ、あなたは魅厘様の。
今日くる予定になってた、従兄弟だよ。で、撃つの?別に全然痛くないから、いいけど。
いえ、正体がわかれば撃つ必要は。ーーーではご案内します。
いきなり彼女は安心を覚えていた。彼の顔を見たときは恐怖を覚えていたのに。正体がわかったくらいで、私は一体なんなんだろう。現金なものだ。

「そんなボーイミーツガールとゲームが始まるそして悲劇」

「彼女は双子だった 最初の彼女はどっちだろうどうでもいいのかな」
案内されて、もう一つ同じ顔が出てきた。ああ、これでどっちか区別がつかない。でも微妙に、微妙に顔が違う、ような。あと髪型も微妙に違う。なぜもうすぐ死ぬ俺が双子の区別を考える?
「20歳になるまでは死んでおきたい20歳になれば俺は別人だから」
体の構成要素は七年で入れ替わる。三回も入れ替われば、もう最初の俺ではない。最初の俺って?なんだか白い、研究室のような背景が浮かんで消える。白で塗りつぶした何かの絵画が目に浮かぶ。それが見えると、何かよくわからない未来のようなものや、今自分が見てないものが視える。
ところで、俺の死ななかった理由はこういうものだった。
「彼と出会う彼が俺の命の電源まるまま持ってった」
俺は俺の同一化存在(ドッペルゲンガー?)に出会って命の電源を持って行かれたらしい。彼が死なないと俺は死なないと。彼の方にも何かのギフトがあるはずなのだが、と魅厘さんはいう。
当主とはいえ全てを知っているわけではないらしい。っていうか、私も生贄というか、まあ能力値としては化け物なんだがな。その能力を得るための代償として、能力者と血液の交換をしている。と彼女は言った。ああ、そういえばよく見ると腕が傷だらけだ。自分で切ってるんですか?と聞くと彼女は答えなかった。私の話はいいから、月影草二の話を聞け。月影?って…。
その彼っていうのはいつあったのか、いつもよく会う顔で。隣のクラスのはずなのに俺の隣の席の文月小夜香目当てに俺の様子をいつもみにくる、月影草二だと言う話だった。
次の日も体育の授業で、背中を押された。全く違う身長なのに、なぜか俺たちはいつも組まされている。彼は割と小さい。俺と違って黒いジャージとかきてるとまるで黒猫みたいだ。顔も体型もまるきり違うのに。
お前体かってーなー。
ちょっと、足はやめてよ、足は。
腕じゃ全然曲がらねーんだってばよ。お前と組まされてるおかげで全然暇じゃねーか、体育よ。
まあ準備運動のほとんどができないからねえ。
なんの意味があるんだ、なんの意味が。
なぜかその時俺は、俺がやたらと町のあちこちをたらい回しにされていたことを思い出していた。
何か、意味が?
なんでそこ、深刻になるんだよ。別に意味なんかねーよ。ほら、笑えって。
そういえば、俺は泣いたことがない。昔何か怪我をした時も全然痛くなかった。痛く、ない。
どうしたんだよ?
心配そうに覗き込む君に、ああ、君のせいなんだけどな。と思いつつ、いえなかった。

なぜか俺は、双子のどっちかに誕生日を聞かれた。
「誕生日がゲームの終わりそれまでにキーワードの入力を」
にがつさんにち、だよ。にがつみっかじゃない。青は両極、ん、は、ゼロ。ゼロはなし。
なんですか、それ?
なんでか知らない。誕生日を聞かれたらこう言えって、昔貴志美さんって人に聞いたんだ。彼女はーーなんで、知り合ったんだっけ?気がついたら彼女はいなくなってた。
そう、なんですか。
彼が部屋に引っ込んでいった後。
当主と双子の彼女は話をする。作戦会議だ。
二月だったら、まだまだ余裕があるな。キーワードが何かっていうのがわからないが…。大丈夫そうですね。でもあれ、なんか暗号じゃないかなあ…。でも誕生日だったら自己申告でしょ。うん、だけど…。

「この頃無駄に体が痛い。疲れているんだゆっくり寝よ」
時々無駄に体が痛む。何も怪我なんてした覚えなんてないのに、まるで怪我のそれみたいに、自分の痛みじゃないような痛みが。まあ、疲れてるんだろうなあ、と月影草二はのんびりと考えていた。

「繰り返される賑やかな食卓うっかりこのままでいいのかと」

大体双子のどっちかが食事を作る。彼女たちのメニューも少し違うようだ。李々の時は結構ガサツというのか鳥の唐揚げとかチャーハンとか割とそんなので琉留の時は煮物とかなんとかもうちょっとおとなしめメニューである。まあどっちが作っても当主のためにひじきはいつも出てくるのだが。当主、血が足りないから。
そういえば俺が来た日のオムライスはどっちが作ったんだろう。
卵か鶏か?李々か琉留か?なんか考え方おかしいかな。大体双子って同性同士は一卵性だよね。彼女たちは見るからに一卵性だけど。

「いつもの顔がいつの間にか自殺を考えていたりこの世の中は」
「彼」が好きな「彼女」はいつの間にか死ぬことを考えていた。痛みを抱えて学校に通う。黒い制服に緋色のリボン。長い黒髪のツインテール。この学校の誰よりそのスタイルが似合うと噂されながらもその黒い制服が喪服のようだと。でも実際彼女は贖罪を抱えていた。

痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いーーーー痛いんだよ、畜生っ!!
だからっ、これは誰だよ!?

そんな日々が続いたある日、李々の方がお父さんに会ってきます、といって出かけていった。
お父さんに?長いこと、あってないんだろ?
でも呼ばれましたから。
そんなもんなの。琉留さんは会いに行かないんだろ?
ええ、今回は、私で。

それが、あんなことになるなんて。
帰ってきた李々さんは服がビリビリに破かれて、憔悴して帰ってきた。それって、つまり。つまり?
お父さんに会いにいったんじゃ、なかったのか。
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