ついでに言うと最初に描いてたのは色鉛筆で前回の絵とツールが違うってのもあれかなと思ったんですよね。うん。さらに言うなら、最後の方のそろそろ事件が、てのを絵にした方が良かったかもなんですけど、ちょっとしんみり飲んでる絵というのもまあそれはそれでいいんじゃないかなーと。
若干ラストに向けて進行中、の回です。
では続きどうぞ。
年なんて気のもんだ、とか言うトルマの話から何故か変な歌合戦になり、もりあがっているトルマとエルスの変な歌をBGMに(だいたいのメンツは耳を押さえるか笑うかしている)スノウがうるうるとしだした。
「しょーもない死に方…そうよね、しかも死んだ後、偽善者だから死んで当然とか言われて、私本当に…」
どうやら、前回の引きのトルマの台詞を気にしているらしい。
彼女の独白を聞きながら、隣ではマゼンダがグラスを傾けている。
「誰かに気にしてほしかったとか、そんなんじゃないのよ。でもそれってあんまりじゃないかしら…」
「あなたの場合、周りに関心がなかったのが敗因よね」
呟くようにマゼンダは言う。感情を読ませない言葉だった。
「もっと自分に都合のいい人を捜せば良かったのよ。少しは話聞いてくれて、見てくれるひと。それだけでも救われてたかもしれないわ」
スノウの瞳に、ほんの少し光が宿る。
死後の世界なんて、錯覚かもしれない。ここにいるスノウはスノウ本人にだって本人であるという証明は難しいだろう。
それでも、ここにいるという認識をしているということは、そこにあるということだと、そう思いたかった。
スノウは呟いた。
「あなたのこと、どうして少しだけでも信じなかったのかしら」
きっと、未練はそれだけだったのだ。
「…って、あっれー?なんだかみんな悪い酒になってるよー」
サラの声はのんきだが、状況はだんだんのんきではなかった。
「特に村のおばちゃん連が相当えらい話に。」
相づちをうつエルムだが、表情は硬い。
「誰かさんらは下品一辺倒だし、ショーグリーンなんてロッドの添い寝狙ってるし」
「ななななんですってーーー!」
「のんきに悪い酒ついでる場合じゃないわよ」
そんなこといったって村の付き合いとかもあるんですよー?
特に私ら新入りの上に迷惑かけてるからちょっとはゴマもすっとかなきゃ危ないのー。
サラも反論はあったが、エルムの話を聞いてみよう。
「まあ、添い寝くらい大丈夫ですよ。それより、なんか表情浮かないみたいだけど」
「ちょっとね…みんな、本当はちゃんとやっていけるはずだったのに、私の目が運命狂わせたのかなって…」
魔獣化の遺伝子に、きっと未来はそうなる、と決めつけた。
その目が、人を人でなくしてしまったのかもしれない。
人は人である誇りがないと人でいられなくなってしまうから。
だから、自分は―――。
一方サラは、「うーんエルスさん出番なんだけど「にげたにょーぼー」歌ってるよーどうしよー」と思っていた。
「あ」
「ん、どうしたの?」
「ロッド服むかれ(かけ)てる」
「なんですってーーーーー!!」
叫びとともに、衝撃。
火花の散る音。
電気がふつり、と消えた。
「え、なに、サラ…?」
「ちが、今の龍神様の力じゃない…力が強くなった時期を狙ってのっとった…?」
「まさか…グレイ…?」
場は騒然とした。
魂の燃える色が、目に見えたからだ。
多分、これがこの辺りを囲んでいた霊の最後の炎。
その炎の中に立つ一人の男が満足げに微笑んだ―――。
「やっと具現化できた。久しぶりだな、皆」
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