にざかな酒店

とある演劇サークルの記第五章 「繭子、アリスやるか?」

ってことで、本格的に何かがどうにかした展開になってしまった第五章が始まりました。
いや、一週間前くらいからなんか繭子でアリスはどうかなっ?ていう気持ちがありまして…ただ演劇とか学園祭の出し物とかでアリスっていうのは定石すぎやしないか?アリスって手垢付きすぎやしそんなん今更私がするのも、とかいっそ一枚絵とかでスルーするとかいろいろ考えてたのですが、なんか意外と話としてどうにかなりそうだったので採用!第五章はこれでいけ、となってしまいました。
っていうかぶっちゃけ演劇ネタってこういう劇をやります、で作家とかがこういうの書きましたネタとかなら作家がブツブツ言ってるだけっぽいのが人数もいるからそれなりにエピソードでてくるしきっちり作品内解説しなくて済むから自分が普段描かないような作中劇いくらでも盛り込めるし、これあかんわ、ほんま麻薬的に気持ちいいわ、こういうの書くのんわ…ってなってます。
程よいところで止めようと思いつついつも書いてるのに全然やめられないじゃないの!!困るわあ…。
っていうか、某キャラの両親が市民劇団のトップだったっていうことは前にそのシリーズで書いてましたからね!今初めて出した設定じゃないですよ!!今割とマンスリーアーティストで話してるあのシリーズの割と最初の方で書いてたはず…。いや、割と書いたことは覚えていてもいつ書いたかは割と不透明な作者ですんで正しくどこでかいたかは提出できませんが!
ってことでまたまたのクロスオーバーをお楽しみください。
全部、繋がりすぎやで、うちの(ブログの)出し物は…。
あ、でね?またどこそこ大学の話が出てるんやけどね…(ちょっとネタバレ)
青砂(あおさ)って名前、なんかずっと使いたくて考えてたらどこそこ大学の主演女優が一番ぴったりだったんだわー。まあこれ系のネタで言いたいのは。
「女子の嫉妬は自分に実害がなければ自分にとってこれ以上の面白くて美味しいご馳走はないよ?」っていう話なんやけどね…!!
作者は今まで女子の嫉妬が実害被りすぎてたから女子の嫉妬がご馳走的に描けなかったの!!と主張する。
やーーーっとこさ女子の嫉妬がご馳走的にかけるいい環境を感じましたよ…!
やっと自分が出した嫉妬系のネタで美味しい思いができるようになりましたよ、本当に。
いい世の中になったわあ…!
ってことで。続きでどうぞー。
とある演劇サークルの記第5章 「繭子、アリスやるか?」

ある円城が繭子の家に遊びにきていた休みの日。
「おお、これが噂のシロさんがホームレスのおっちゃんからもらったっていう仔猫かー」
と、ちょっと育った仔猫ではあるもののまだまだぷにぷに感と体のアンバランス感と少しの危うさを残す仔猫たちを眺めていた円城はふと思いついたように、言った。
「そう言えばアリスって猫いたよな?」
「チェシャ猫?」
うん、と生返事のように返した円城はそれこそチェシャ猫のように笑って言った。
「繭子、お前アリスやらね?」
思わず目が点になった繭子である。
「あ、アリス?アリスって、あのアリス?鏡の国がどうとかいーとみーとかトランプの女王がどうとかいうアリス?」
「それそれ」
「コスプレ?」
「そういうんじゃなくて、演劇でちゃんとだな…」
「ちょっと、うち衣装とか小道具とかセットとかもいつもあり物で適当な感じなのに、アリスなんてそんな本格的に衣装や小道具のあるものなんて…」
っていうか、私がアリスって…アリスってろりこんの代名詞じゃないの?そんな趣味あったの?この人?とちょっと頭がパニックになっている繭子である。
「小道具とか衣装とかがなんとかなればやるか?」
「ええ?ちょっと、本気なの?」
「どこそこ大学の青砂ちゃんもアリスやってたからなー、うちもたまには他所に対抗して似たようなことするのもいいかと思ってな」
は、い?どこそこ大学の青砂ちゃんって、露木青砂(つゆきあおさ)っていうどこそこ大学の看板女優のことですか?美人でクールなうーさんみたいで可愛いとかいう?っていうかこないだまで露木さんって呼んでませんでした?で、何をちょっとさりげなくいまそこでエロでグロのアリスは良かったとか反芻してるの?
「その、小道具とか衣装とか、あなたがなんとかするの?」
「お前がやるんだったらなんとかする。任せろ」
「なんとかなるんだったら、台本書いて主演してもいいわ」
「言ったな」
「言ったわ」
知らぬ間に背景に火花の散ってる二人である。
「んじゃやるぞ、決定ー」
って言ってるけど、小道具とか衣装とかなんとかするツテあるのかしら、この人…。と、改めて首をひねったのはこのあと円城が帰ってふと我に返った三十分後である。

こうなると行動の早い円城である。シロ情報で「そう言えば前うーさんのお父さんと話ししてた時に噂では刻停間酒店のにいちゃんの恋人っぽい人(?)が市民劇団の事務とか小道具や衣装とか諸々手伝ってるとかいう話聞いたことある…」とそんな一言を入手した。
「えー、うーさんのお父さんのそのスパイみたいな情報って何?」とさりちゃん。
「仕事で街中回ってると自然といろいろ情報入ってくるんだって言ってたわ。黒猫スパイとか普通に街中うろうろしてるから気をつけて、さりちゃん」
とさりちゃんをからかうようにうーさんが言ったのであった。
「井戸端会議とかちゃんと聞いてたらえらい情報網ですよ。井戸端会議の女スパイ、そしてその女たちから情報もらう商売のスパイが街中にゴロゴロしています」
ああ、まあそんなめんどくさい情報網は別に置いとくけどな、とその辺は関心のない円城はこの人らの会話はその辺にしてくだんの刻停間酒店に向かった。
いつも打ち上げの時にお世話になる刻停間酒店が小道具や衣装の不足をいつもしているこの演劇サークルの救世主になるかもしれないなんて。なんという偶然だ。まあまだ力になってくれると決まったわけではないが。
「あれ?言ってたらR似のお兄ちゃんきた」
とくだんのいつもへにゃっとした帽子をかぶって紺色の酒屋の前掛けをしている刻停間酒店の次代店主が遠目に円城のことを見つけて声を上げる。その隣に黒髪でどことなく和風なオカッパ頭に近いようなボブの女子。
「ああ、あの人が戸在(とある)大学演劇サークルの?」
「そうそう、結構にてるだろ?」
「っていうか本当にそっくり」
そのボブの女子になぜかクスクスと笑われながら、円城は「あのー…」と声をかけた。
「そこの女性は、えっと…」
「うん、彼女」えっへん、と刻停間酒店の次代店主。
「あの。聞いたんですけど、噂で市民劇団の衣装や小道具を担当してるとか…」
「担当っていうかお手伝いですけど…だからそんなに器用なわけではないんですが」
あ、ああ…と納得して引きかけたが、彼女の方から「私も戸在大学の卒業生なの」と声をかけてもらった。「お手伝いできることがあれば、という感じですか?」
にっこり。にっこー。と微笑み合う一同。とどめに、彼女が笑った。
「その代わり、材料費は全く私は負担しませんからね。結構失敗もしますよ」
それでも渡りに舟だ、と円城は悪い笑顔を浮かべた。
「全く構いません、お願いします。これこれ、こういうわけでアリスをやる予定なんですが…」
「まあ、アリスなら市民劇団で結構何回もしましたよ?流用できるものもちょこちょこあるんじゃないかな」
アリスの演劇って最近ブームらしい。この街的に。
「あ、いえいえ。市民劇団のアリスはだいぶ昔ですよ。もうかれこれ…六年くらい前かな?」
っていうか、この人一体幾つなんだ。と思いっきり円城の顔に出てたらしい。
「違う違う!私両親が市民劇団のトップだから高校生くらいから手伝ってたの!!」
「いやいやそんな必死になって言わなくても大丈夫だってば、F。ファンタジーのエルフとかそんなんじゃないんだから、君」
「どういうフォローよ…」と、彼女はぶちぶち言った。
「まあそんなわけで、お世話になります。戸在大学演劇サークル主将の円城です」
「冬口咲菜(ふゆぐちさきな)です。Fっていうコードネームで通ってますよろしく」

そんなわけで、サークルに返ってきた円城は開口一番、言った。
「小道具と衣装、なんとかなっちゃったぞ」
えっへん。っていうかえっへんって、と一同は顔を見合わせる。
「本当に、するの?アリス…」
「男に二言はない」
「っていうかこの中の誰がアリスに詳しいの、挙手ー」
と小夜香が呼びかけるが、誰もいない。
「ちょっと、これ…」
「大丈夫、台本的に繭子がどうにかする。」
ちょっと待ち~やーーーー。大将、ちょっとどうにかしてまっせー、と頭をかかえる一同であった。(続く。)
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