にざかな酒店

とある演劇サークルの記 ニート探偵大幅改稿

あーと、本編とは関係ないのですが、とある演劇ではもうちょっと早く謝らないといけなかったことが。
小夜香さん目当ての男子入部者、別に作者の文章力と理解力が足りてれば普通に活躍キャラでしたよ?
というのはもっと早く言おうと思ってたのです。
っていうか犬神もっこすのミステリ研の皆様みたいな素敵キャラが作れたらこの分野にも萌えがありましたよね…。はい、この点はすごく反省していますよ。
別に美人目当てに入部してもいいのです。
っていうか彼らのことを語ったシーンが割と繭子さんのターンだったこともなんか悪役ちっくにされてしまった要因なのですが(そりゃ自分以外の美人目当ての入部者って女子にとったら…。)うん、ごめんねー。
さらにこれはあんまり本編と関係ないのです。
まあ続きでどうぞ。
とある演劇サークルの記 ニート探偵大幅改稿

本番前で三週間前までやってきた。が、前半30分までの通しをやっていて、俺はどうも気になることがあった。
とりあえず、ニート探偵の確定したあらすじはこうだ。
いつのまにか家にいたニート探偵と「世界のつまみ食い」をするようになったさりちゃんだったが、そこになんとなくさりちゃんの変化に目をつけた鏡花が色々とちょっかいをかけてくるようになる。いざこざがあって、二人の仲は回復して鏡花の家でさあ、一緒に紅葉の天ぷらに挑戦してみようか、となり。
そこでお約束のように天ぷら火災が起こりかけ、そこにさりちゃんの家からは動けないはずのニート探偵がやってきて二人を救うが、ニート探偵はそれで力を使い果たして消えてしまう。
ここまでが完成した前半30分。
後半はそんな二人がニート探偵の謎をおい、ニート探偵はそもそもどこから出てきたか、どうすれば回復するか、を探偵するようになる。
結局ニート探偵の正体というのはさりちゃんのお母さんから発生したものだということが明かされ、謎めいた言葉を繭子の役から伝えられるのだが…?というあらすじなのだが、俺にはどうも納得のいかないことが一つ。
「通しをしていて、思ったんだがな、俺…どうも小夜香さんが理想の母親やりすぎてどうしてもさりちゃんと一緒にいるとお母さんの方にばっかり目がいかんか…?」
と、俺は繭子と渋ちん二人にとりあえず相談してみた。
そうかしら、と繭子は首をかしげたが渋ちんはなんとなく俺の言いたいことがピンときたようである。
「なんか小夜香さんの母親役は違うかと思うんだが…話とちょっと噛み合わんというか、もうちょっと普通の母親の方が良くないか?」
「ええ?でも代わりって言ったって…」
「もうちょっと台詞減らしてさりちゃん主張するとか…他の人と入れ替えてみるとか」
「うん…と。今他に空いてるのは照明のうーさんですかね。入れ替えてみますか。うーさん、ちょっとー」
と、渋ちんがうーさんよんで事情説明。
「む、無理ですよ!!演技なんて!」
あわあわと手を振るうーさん。無理ですってばーってまあこればっかりはやらしてみんとわからんし、と二人掛かりで説得する。シロさんがいや、うーさんはほんとダメだってば、と加勢するもいや、本当にダメでもいっぺんやらしたら面白いかもしれんし。とそこを通してみた。
と、ここで小夜香さんとさりちゃんにはいっぺんだけこの子にやらしてみてくれないか、と軽い事情説明。
………。
うん、清々しく、ダメな演技だったよ、うーさん…。
目は泳ぎまくるわ動きはせわしないわ噛みまくりだわ、なかなかの伝説っぷりだった。
「えーん、なんのいじめですかー?」
「いやいや、もっしかしたらいけるかなー、とか、そういう…」
「そんなもしかして、ありえないです!」
赤い顔できっぱりという、うーさんだった。
うん、悪いなとは思ったけどあんまり演技できなさすぎて逆にちょっと面白かった。ごめん。
「んーじゃ、既存のキャストで入れ替えるか。」
と俺は腕を組んで考える。
「っていうか、繭子と入れ替わったらどうかな。謎めいた言葉を残して去る役なら、小夜香さんのがサマになりそうだし。どっちかって言ったら繭子のが普通のお母さんじゃないか?」
「え、私が…?」思ってもなかったことをいきなり振られて驚く繭子。
「繭子なら脚本書いてる本人だし結構台詞も覚えてるだろ?」
「ま、まあ…」
「だったら、この鏡花ちゃんのお父さん役、いらなくないっすか」
と、シロさんが一言。
「ええ!?俺の役だぞ!!」
思ってもみなく目を向くのは俺の方だった。
「だってこの役、別になんも活躍してないですよ」
まあ、言われてみれば…そうだが…ええ、今回俺舞台に立てないのか…?グラグラする。
中庭の赤いレンガが青くなりそうだ。
「っていうか、さりちゃんのお父さん役作ればいいっすかね。」
「………ふえ?」
脳天に空気が突き抜けたような素っ頓狂な声が出てしまったぞ。なんだこの展開。
「そうそう、お父さん役いた方が家庭に何かあるって感じがするよね、さりちゃん」
「ニート探偵は実は生まれてこなかったお兄さんだった、でもいい気がするし」
ええー?俺以外みんな話し合わせてんのかレベルで話進んでねえか?
「ちょっと色々変わるけど、こういう方向でどうですか、繭子さん」
「………まあ、その…そうね」
曖昧に言葉を濁す繭子。
「っていうか、小夜香さんは、いきなり役取られていいのか?」
「え?」
「え?」って。
「別に私はその方がいいんならどうでもいいけど」
小夜香さん、意外とさっぱりしてはんなあ…。
「まあ、新しい役はそんなに苦労しなくてもいけそうだし。別にいいわよ。正直この役台詞多くてちょっと大変って思ってたし」
あ、ああ、そうかー…。
「どっちかっていうと苦労するのは繭子さんと円城君の方よね。頑張って」
おう、本番三週間前だぞ。これは確かに苦労ものだ。
「今から改稿して…できたらすぐ立っていかないと間に合わないわ」
「おう、燃えてきた。じゃ、とりあえずさりちゃんと渋ちん、それと鏡花ののシーンをもっと詰めて行ってくれ。俺たちのことはちょっと相談して頑張ってみるから」
やっと本番の近づいてきた匂いがする。

「ほらー、こういう話はなんか知らん間に省かれてるでしょー。もー。」
その後ろからのつぶやきは、聞こえなかったことにする。聞こえない聞こえない。
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