左藤義詮(1899~1985)は、かつて私が勤務していた大谷学園の第2代理事長であり、また大阪府知事(1959~1971)を務めた人物でもある。彼の功績を紹介する展示が南千里で行われていると聞いて行ってきた。
もちろん、佐藤義詮に直接お目にかかったことはない。かつての同僚である宗教科のO先生から左藤義詮の著書をいただき、線を引きながら一生懸命読んだ記憶がある。だから私の知っている左藤義詮は教育者であり、政治家としての側面は全く知らない。
展示会場でまず目に飛び込んできたのは、1970年の大阪万博は彼が誘致したということだった。へー、そうだったのか。万博を誘致した知事だったのか。ぜんぜん知らなかった。
1970年というのは私が大学に合格した年であり、合格祝いに石川県から大阪まで万博を見に来た思い出深い年である。月の石やソ連館を見るために長蛇の列に並んだ思い出がある。
あれから半世紀がすぎた。2025年に再び大阪で万博が開かれることになっている。しかし、70年当時の「欧米だけでくり返されてきた万国博覧会を、大阪でやろうじゃないか」という熱気は今はない。左藤義詮の功績をみるにつけ、いったい何のための万博開催なのかと改めて感じた。
梅田から南千里駅まで電車で約30分。大阪に40年以上住んでいるが、実は南千里に下りたことがなかった。実際に訪れてみて初めて南千里が千里ニュータウンの南の端であることを知った。やっぱり来てみないと土地勘は身につかない。
今回の訪問で余得が3つあった。一つは展示会場で村井正之の日本画が飾ってあったこと。あの村井正之の生絵を間近からしかも無料で見ることができる。しばし感動に包まれた。
二つ目は駅のスーパーで私の大好きな佐野ラーメンを見つけたこと。住んでいる近所のスーパーではめったに売っていない。店頭に並んでいたものを全部買い占めた(笑)。
そして三つめは電車に乗っている間に泉房穂の本を1冊読み終えたこと。
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