南英世の 「くろねこ日記」

西澤 隆氏講演

 昨日、西澤隆氏(野村アグリプランニング&アドバイザリー取締役社長)の講演を聴く機会に恵まれた。
日本証券業協会主催の研究会で、テーマは「地域活性化の手法としての6次産業化」である。

農林水産業のGDPはわずか8兆円で、日本のGDPの2%以下にすぎない。しかし、食品製造業、小売り、外食などを含めると、最終的には10倍の80兆円の消費需要が生まれている。アグリだけでもうけるのは難しいが、生産(1次産業)→加工(2次産業)→販売(3次産業)を一体化して6次産業として考えると、アグリにはビジネスチャンスがある。その結果、地方が活性化すれば、金融業ももうかる。要旨をかいつまんで言うと、こういう内容である。


実は、西澤氏の講演を聞くのはこれが2回目である。前回聞いたのは2010年8月。これも日本証券業協会主催の講演だった。
この時の西澤氏のインパクトのある講演は忘れられない。一番インパクトのあった部分を要約すると次のとおりである。

「財政問題は2012年~2015年が危ない。アメリカ人、イギリス人は老後の資金がたまるとさっさとやめてしまうが、日本人は60歳を過ぎても元気なうちは働きたいという人がほとんど。60歳になっても労働市場からいなくなるのは20%で、65歳からは急に労働市場からいなくなる。団塊の世代は2007年から退職し始めた。だから、もし65歳から労働市場からいなくなるとすると、それは2012年から始まる。その結果、日本の預金が減少する。われわれが銀行に預金しなくなると銀行は国債を買う余力がなくなり、政府は国債をファイナンスできなくなる。だから、財政問題は2012年から2015年に危なくなる」

これは強烈だった。
私があと何年生きるかはわからない。ひょっとしたら110歳まで生きるかもしれない(笑)。虎の子の退職金が紙くずになってはたまらない。西澤氏の講演を聞いて、さっそく銀行預金の一部を、外貨預金、外貨建て投資信託、ゴールドに移し替えた。財政破綻がいつ始まるかは神様にしか分からないが、いつそうなっても大丈夫なように精いっぱいの対策を取り終えた。

それから2年半がたった。いま2013年2月。
アベノミックスによって、財政赤字、円安が急速に進んでいる。
この円安は、どういう意味をもっているのだろう。
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