トヨタのMIRAIってどうだろう

水素で動く電気自動車、トヨタMIRAI。
どんな車なのかを買って乗って調べてみます。

見積をもらう(3)−残価「保証」ローン

2019-11-16 02:38:16 | 購入まで
購入プラン検討の続きです。

ローンの試算をしてもらいました。私がおじゃました東京都内のディーラーでは、ミライについては4年後の残価を車両本体価格の50%とするローンを組むことが可能です。据置額は370万4800円で、実質年率は4.8%。

このローンは、車両の状態が一定の基準を下回らない限りは、車両の返却をもって据置金額の支払いに充てることができるというタイプです。いわゆる残価「保証」ローンにあたります。「保証」という言葉の響きがトラブルの元になるのか、このような言い方をしていないディーラーやメーカーもあります。

ミライの中古市場の状況をみると、最初に購入された2015年式が出回り始めており、平均価格:258万円、価格帯:184万円~345 万円(カーセンサーのデータ)という感じです。売値がこの程度ということは、4年後の買取額の相場は100万円台半ばがよいところでしょう。370万円の買取を「保証」しているというのは、メーカーあるいはディーラーからそれだけの持ち出しがあることを意味します。

「保証」の条件は、月の走行距離が1000km、つまり4年で48000km以下であることと、車両の内外装の状態が基準を下回っていないことです。軽微な板金修理が1箇所だけとかいうことであれば問題ありませんが、大きな事故で「修復歴」が付いたりすると、最終回の支払いで精算金が必要になります(もちろん、事故の損傷は修復されていることが前提)。

車両総支払額798万4380円でフルローンを組むと、返済プランを組んでもらうと、月々の支払額は11万5160円になります。据置額50%といっても、さすがに800万円弱のローンは厳しいですね。なお、総支払額は911万7320円となり、金利相当分は113万3320円。

なお、残価設定ではない通常ローンだと、同じ金利だとしても、月の支払額は18万3143円になります。かなり厳しくなりますが、残高が減るのが早い分、総支払額は879万864円(金利分80万6864円)に減ります。もっとも、普通のローンでいいなら、銀行などのマイカーローンの方がずっと金利が低くてお得です。

さてここで、補助金303万円が入ることをあてにして、車両価格から補助金を引いた、ローン元金495万4380円で計算するとどうなるでしょうか。月々の返済額は4万4322円に大きく減少します。なんか、急に現実味が出てくるような気がしますね。

ただし、総返済額は578万7934円で、金利相当分は83万3554円になります。借入額が300万円も大きい通常ローンと金利負担は変わりません。月々の支払額はぐっと少なくなりますが、据置額が大きい分、金利負担は相当なものになることがわかります。

ともかく、走行距離は月1000キロ以下、大きな事故を起こさないこと、内装に大きな傷をつけないことが条件ですが、303万円を自分で用意できれば、月々44322円を48回、合計208万3134円でミライに4年間乗れるということにはなります。

仮に、ナビなどのオプションを諦めて、車両本体+諸費用の750万円でローンを組めば、月の支払額は約3.3万円、合計158万円程度に安くすることができます。

ところでこの購入プラン、750万円(車両本体)−303万円(国・都補助金)−370.5万円(ローン据置額)=76.5万円でミライが買える!と考えたくなります。他の補助金を獲得できたり、交渉次第で値引を得ることで、さらに安く購入することも可能になりそうですし、そのように紹介している記事もあります(あえて紹介しません)。

しかし、仮に残りの76.5万円をゼロにできても、月々の支払額は約1.5万、総支払額は約445万円、そのうち金利分は75万円程度にもなります。本当にゼロ円でミライが買えるわけではありません。4年の間に大きな事故を起こせば、最終回の支払いで精算金も必要になります。そんなにうまい話があるわけではないということです。

とはいえ、4年後に50%という、中古市場の状況からいえばありえない高値の買取を「保証」してくれているおかげで、月々の支払額が安く抑えられるわけですから、金利は高めとはいえ十分検討に値する購入手段だと思います。

見積をもらう(2)−補助金のリスク

2019-11-15 02:42:12 | 購入まで
[disclaimer]本記事における助成事業の説明は、筆者の個人的な理解に基づくもので、正確性は全く担保されていません。助成事業を利用される際には、必ずご自分で確認していただくようにお願いいたします。

東京都でMIRAIを買う場合、少なくとも、国の事業である「CEV(クリーンエネルギー自動車)導入事業費補助金」202万円と、都の事業である「燃料電池自動車の導入促進事業」101万円の合計303万円の助成があることがわかりました。

補助金が申請できるのは、車両代金を払って車が登録された後で、給付されるのは申請からおよそ2カ月程度かかります。補助金は「後払い」であり、とりあえずは、車両代金全額を自分で準備する必要があります。

とはいえ、これは給付で貸付ではなく、返済の必要はありません。実にありがたい措置です。納税者の一人としては使わないと損になるような気がしてきます。

しかし、これらの助成金は、CEVを所有して使用することに対して公金から支出されるものですから、買った車は助成目的に則って使用することが条件です。助成を受けた人は、助成者(国や都)の許可を得ないで勝手に車両を処分(売却など)してはいけません。

ただし、国も東京都も、取得から4年を経過した場合はこの限りではない、とも定めています。補助金を受けた場合に「4年縛り」があるというのはここから来ています。

なお、4年経過しないと絶対に処分できないというわけではなく、所定の様式で申請を行い、助成者の承認を得られれば処分することは可能です。この場合、助成金の一部を返還することが求められます。本来、禁止されていることを特別に認めてもらう形になるため、それなりの手続きが必要になるわけで、簡単にはいきません。

国のCEV補助金の場合、返還額は、「売却額×補助金比率」で計算されます。売却額が低ければ返還額も低くなりますが、売却額が残存簿価相当額よりも低い場合は残存簿価相当額が適用されますので、故意に低い価格で売却したことにして返還を免れることはできません。

東京都の補助金についても、「助成金等交付財産の財産処分承認基準」による返還が求められます(詳細はよく調べていません)。

私は、あまり長く車を所有する方ではないので、この「4年縛り」はかなり気になります。実際の売却額や残存簿価はそれほど高くないはずで、いただいた補助金の返還額はそれほど高くはならないことも予想されますが、金額の確定しない出費が生じるのは望ましいことではありません。

また、補助金の財源は予算で決まっているので、支給できる額には限りがあります。予算が不足する際には補助金の受付が中止になります。中止されるときにはホームページで予告されることになっていますが、年度後半の登録の場合は中止リスクが高くなります。

基本的に、補助金申請の期限は、車両代金全額の支払いを完了した上で、初度登録した日から1カ月以内となります(事務手続きが遅れた場合などはさらに1カ月の猶予があります)。ただし、今年度の助成では、前年度の1月から4月に登録された車は、今年度の6月末までは申請が可能になっていました。

ですので、仮に、登録が1月末になって、その時に今年度の予算が無くなったことがわかっても来年度の助成事業に申請することはできそうです。しかし、助成事業は、基本的に年度単位なので、来年度も同じ内容で事業が継続されるかどうかわからないという根本的な問題が存在します。

4年縛りと予算不足、次年度の助成事業の有無とその内容、この3つのリスクは私にとって小さくはありません。貴重な税金を財源にしているわけですから、仕方ないことではあるのですが……。

見積をもらう(1)−コミコミ価格

2019-11-13 04:55:25 | 購入まで
MIRAIに試乗した感触がよかったので、そのままディーラーに行って見積をとってもらうことにしました。

MIRAIの車両本体価格は740万9000円(税込、特に記載しない場合は以下同様)。グレードは一つで、オプションも少なめなので、選ぶのにあまり苦労はありません。

ある意味で意外だったのが、ナビがオプションだったこと。700万円オーバーだから標準だろうと思っていたのですが、普通の車とはやはり違うようです。

MIRAIのナビは、DCMと呼ばれる通信機能付きのものしかないので、オプション価格は33万2000円とかなり高めです。

ナビのほかに、パールホワイトや寒冷地仕様、フロアマットを加えた車両価格の合計は788万1500円でした。


これに、税金や諸費用が上乗せされます。MIRAIの場合、自動車税種別割の標準税率は25000円(ガソリン車の1リットル以下と同じ)。自動車税環境性能割は0円。

ただし、登録の翌年度1年間はおよそ75%の軽減措置があり、種別割税額は6000円(年額)となります。さらに、東京都の場合は、初回登録時の月割額と、翌年から5年度分の自動車税種別割が免除となります。

自動車取得税と自動車重量税も無料で、必要なのは自賠責保険料と登録・車庫証明の法定費用、あとは手続きにかかわる諸費用だけ。全部合わせても諸費用は10万円ちょっと。

ということで、総支払額は798万4380円となりました。

さて、ここから支払いプランを立てます。こちらで紹介されているとおり、MIRAIの購入に際しては様々な助成措置が用意されています。

助成措置のうち、購入にかかわる費用に直接効いてくるのが補助金です。まず、国の事業として、「CEV(クリーンエネルギー自動車)導入事業費補助金」が202万円。

202万円の算出根拠は、「(車両本体価格−基準額)×補助率」(ただし上限225万円)です。車両本体価格は税抜の車両価格(673.6万円)。基準額というのはCEV車と同格のガソリン車の価格で、MIRAIの場合は370.6万円。補助率は、燃料電池車の場合は3分の2。

ちなみに、ホンダのクラリティ燃料電池車の場合は、税抜車両価格710万4000円で基準額が398万3000円、補助率3分の2なので補助金は208万円となります。

これに加えて、東京都の場合、都の事業として「燃料電池自動車の導入促進事業」があって、国のCEV補助金の半額が助成されます。MIRAIの助成額は101万円、クラリティは104万円。

さらに、国や都道府県レベルの補助金のほか、区市町村レベルでも助成制度を設けているところがあれば、それを利用することもできます。

仮に、国と東京都の補助金を両方(303万円)受けたとすると、支払額は798万4380円−303万円=495万4380円となります。ずいぶん安くなりますね。


MIRAIの試乗

2019-11-12 02:57:02 | 購入まで
「MIRAI 試乗」でググるとこちらのページが出てきます。

試乗場所は芝公園の東京MIRAIショールーム。岩谷産業の水素ステーションが併設されています。

登場して5年近くが経ちますが、どこのディーラーでも気軽に試乗できるような体制はできていないようです。水素ステーションの数を考えれば当然ではあるのですけど。

芝公園のショールームで試乗するのも、希望日の2週間前までに予約が必要です。

さて当日。予約時間になると、まず、15分くらい一通りの説明を受けます。



そのあと試乗に出発。ここからレインボーブリッジ経由でお台場までを往復。距離はざっと17kmくらい。



ショールームに戻ったあとは、水素充填のデモを見て終了。



全線一般道なのでスピードはあまり出せないわけですが、その領域ではとてもスムーズでパワフルかつ静か。トヨタ車に限らず、これまで乗った車の中でもトップクラス。

購入の意思が固まりました。