MIRAIが納車されてほぼ1カ月が経過して、1405kmを走行しました。このあたりで、燃費についてまとめておきたいと思います。
専用アプリ「POCKET MIRAI」に記録している水素充填量です。
ざっくりとした値ですが、市街地をのんびり流せば水素1kgあたり90km弱走行可能でした。加速を楽しめば60km弱、高速で燃費チャレンジを狙うと100km超、という感じで変化します。
高速道路で90km/h弱をキープすると、燃費計の値は120km/kgを示しますので、このあたりが燃費の上限といえそうです。もちろん、これは私自身が出した値ですので、運転の上手な方であればもっといい数値が出ると思います。
こちらに説明があるとおり、MIRAIの水素貯蔵(可能)量は約5kgで、最近主流の82MPaステーションで充填したときの水素使用可能量は4.6kgですから、航続距離の上限は120km/kg×4.6kg=552kmとなります。一方、下限は60km/kg×4.6kg=276kmとなります。平均的な使用状況では、満タンで400km前後と考えればよい感じです。
「カタログ値」では、82MPaで充填したときの、SAE規格(J2601)の標準条件での航続距離は約700kmとなっています。「実走行距離」はカタログ値の40〜80%程度ということになります。カタログ燃費からの乖離率は、内燃機関車よりは大きく、特に、元気よく走ったときの落ち方が大きいように思います。
水素1kgの単価は税抜で1100円のところが多いので、満タン(5kg)にするには税込で6050円かかります。レギュラーガソリンの価格を税込140円/Lとすると、6050円で入れられるガソリンの量は約43リットル。これで276〜552km走れるので、ガソリン車に換算したMIRAIの燃費は6〜13km/Lくらいということになります。
私の車の場合、1405km走行して、給水素量は15.4kg、燃料代は19,433円となりました。燃費は91.0km/kgで、レギュラーガソリン車に換算すると10.1km/L。
このデータから、走行1kmあたりの燃料費を計算すると、19433円÷1405km=13.8円/kmとなります。このデータを、直近で所有していた5車と比べたのが下の表です。数値が小さいほどお得であることを示しています。
ディーゼル1台を除き、いずれもハイオク指定ガソリン車だったので、ガソリンの単価は150円/Lに統一して計算しています。軽油の単価は120円/Lで計算。
MIRAIの燃料コストは、2Lターボ(211PS/350Nm)と3Lターボ+ハイブリッド(システム出力340PS/500Nm)とほぼ同等でした。現状では、MIRAIの燃料コストは、走行性能でずっと上回るガソリン高性能車と同じくらいにかかってしまうということがいえます。
同等レベルの性能を持つハイブリッド車にはまったく適いませんし、EV同士でも、巨大なバッテリーを積んで充電する方式のBEVには完敗です(今月に実施された、日産の充電サブスクリプションプランの変更に伴い、状況は変化しているようですが)。
正直、あまり燃料代は安くないなあという印象ですが、前車の燃料コストが非常に高かったのでお得になった気分はしています。
水素の価格は現状でも製造コスト割れと言われていますが、もう少し安くならないと、コスト面で水素車を選ぶメリットはありません。
満タンまでわずか3分という、水素電気自動車の美点に価値を見出すことができなければ、MIRAIを買う意味はないという、最初に想定していた結論を確認することができました。
経験から一言で申し上げますと、①維持費はガソリン車並み、②車検代金は不明、③スタンドは地域差が大きい、ということになりましょうか。
①について、燃料費はガソリン車と同等で、ハイブリットには劣ります。点検については、水素タンクの点検等独特の項目がありますが、それほど費用と手間のかかるものではありません。車検は受けてないんです。
③については、東京都と愛知県は比較的充実していると思いますが、その他の地域については、正直申し上げてお薦めできる状況にはないと思います。特に、今年4月以降、コロナ禍で東京都内の水素ステーションの営業時間が短くなり、定休日も増えました。
についてであります。