毎日が遺言

袴田事件

 ニュースステーションを見ていたら、殺人容疑で死刑判決を受けて40年間、自白の強要と無罪を訴えている袴田死刑囚の、その判決文を書いた元裁判官が出ていた。
 彼は「体力も精神力も弱ってきたので、今のうちに言っておきたい」として、袴田さんの死刑判決には当時おかしいと思っていたが、他の裁判官を説得する力がなかったので合議で死刑になったことを話していた。そして「自分は無罪だと思っていた」と言っていた。これからは袴田さんの再審の力になるという。
 彼は、インタビュアーに「もし袴田さんに会ったらどう言いますか?」と問われ、涙を流しながら「言葉は出ないと思います。15分なら15分、ただただ頭を下げて泣いているでしょう」と答えていた。
 裁判官が自ら裁判の過ちを言うことは勇気が要るだろうし、司法の健全さにとってもいいことには違いない。これによって力を得る人もたくさんあると思う。
 でもね。
 40年間、ぬれぎぬを裁判で認めてしまったために自由を奪われ生活を奪われ自分の人生を奪われた人の、やるせなさや悔しさや恨みや絶望や、そんなものを本当に感じていたのなら、「頭を下げて泣いている」というような甘っちょろい言葉は出てこないんじゃないかと思うよ。
 元裁判官さん、あなたの気持ちを踏みにじる気はさらさらないけど、結果として人一人の人生を奪った“張本人”の一人として、今すぐにでも袴田さんの前に行くべきじゃないんですか?「私の全財産を擲ってでも袴田さんの無罪獲得のために尽くします」と断言するべきじゃないんですか?
 あなたの良心を、私は素晴らしいと思います。しかし、それを行動で実現してこそ信頼が生まれるんだと思うのです。
 どうか、袴田という一人の男の名誉回復のみならず、司法が真に市民を守る存在であるために、残りの人生をかけてがんばってほしい。
 そんなもん、ぬれぎぬ着せられて、裁判官の多数決とか強い意見とかで、真実よりも間違いが優先される司法権力って、安心して生活できへんやん!

コメント一覧

みらパパ
http://yaplog.jp/mirapapa/
実は私も詳しく知っているわけではなく、たまたま昨夜のニュースステーションで聴いたというだけのことなのです。
ただ、免田事件で再審無罪のニュースがあった時に、いまだ再審の道が開けない狭山事件と並んで「袴田」という名前を聞いたような記憶がありました。
だから「あれ?テレビで取り上げてるぞ」と、思わず聞き入ったわけでして。
この報道で、人の命をさばく裁判官がとても感覚の鈍い人たちなんだなと感じてブログに書いたのです。やっぱりそうか、良心がある人でさえそうか、という印象でした。
いえ、裁判官の人たちが真摯に仕事をしていないなどというつもりはありません。ただ、人としての感覚が鈍い部分がある。それも大事な部分が。
それは恐ろしいことですよね。
もちろんその感覚の鈍さが政治権力と結びついた時に、爆弾に市民がさらされることはたやすく想像できることですね。
tani
http://plaza.rakuten.co.jp/05594/

ボクは「袴田事件」については良く分りません。
「横浜事件」に連座した方が私の町にいますが、ご子息は発言は何も、なさっていないようです。彼は東大(灯台か?)」出。官僚→町長です。
横浜事件。さらに袴田事件知る人は少なくなりました。

勿論ボクは知りませんが、バクダンが空からばら撒かれる恐怖だけは、身をもって体験いたしておりまする。
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