ただの独り言です。

特別に重要な意味はありません。お気になさらず。

GAKUYAと額屋07

2014-10-13 14:19:57 | 日記
寒さが身に染みる舞台から解放されて、一人、役者は帰路に着く。「あの時額のあの一言が無ければ今の私は居ない。」としきりに自分に言い聞かせ、耳元をかすめるように通って行った一言を今この役者は思い出して心に留めようとしている。幾代にも受け継がれてきたその言葉、どこの国の言葉か解りかねるその言葉によって今まで多くの役者が救われてきた。そしてこの役者もその言葉を聞くことにより救われもしたが、その瞬間に逃れられない使命を持ったのである。そしてその役者の行くところ、必ずその額がいつも居る。

この時代は非常に寒い時代で、暖をとるのに、〇〇〇〇原子を暖炉(現在の原子炉の原形とは全く異なる、あくまで、暖炉の形状)にくべる必要があった。それほど遠い昔の世界である。そして、衣服(着る物の形状は今の人では、考えられない程の物)の袋(ポケットではない)には常にその原子のカプセルを持ち歩いている。その街角のいたるところに、その冷めた暖炉は原子を待ちながら立っている。

今日もまた、原子の配給車(何か獣のような物が引いている)が街を回っている。

住民は皆それが無ければ、凍死してしまうか、冬眠してしまう。

一度冬眠してしまうと、次代まで眠りから覚める事が出来ない、人々は今生きる為に必死なのである。