“それ”はいつもそこに在った
“それ”は満ち足りた安らぎ、静かな微笑み
“それ”はいつも愛を放射して私を見ていた
私は“それ”に背を向けて、耳を塞いで、目を閉じて、別のところに行こうとした
遠く離れた所に行けたと思っていた
けれど私の足は1歩も動かず
“それ”に背を向け、耳を塞ぎ、目を閉じて、
自分の作り出す思いの世界に、深く深く入り込んでいただけだった
“それ”から離れることなどできていなかった
一度も離れたことなどなかった
背を向けたことが自体が怖くなり、もう1度“それ”を見ることが怖くなり、“それ”から伝わる穏やかな、優しい声に耳を塞ぎ続ける
けれど“それ”は、柔らかな、穏やかな、けれど圧倒的な愛で、ついに私を振り向かせる
私は“それ”こそが、ずっと永遠とも思える長い忘却の時の中で、自らが求め続けていたものであったことを知る
そして私は、“それ”に喜んで降参する
私は涙を止められない
私がそこにいる 私がそこにいる 私がそこにいる
“それ”こそが私であった
“それ”に手を伸ばし、私は触れる
私は“それ”の中に静かに消える
形は何もない
ただ“それ”だけが在る
ただ永遠の愛だけがある
神だけが在る
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