11時45分、駐輪場に自転車を止めた。グランドのベンチ付近には数名の男たちが談笑している。俺はそそくさと彼らの前に登場した。
実は少しビビッて、ジャージも着ずトレシューも持参せず来たのだ。
「やってやるぜ!」
と、意気込んだ割には情けなく、今日は見学だけでいいやと日和っていた。やはり俺はチキンだった。(ケンタよりマック好きだが…それは関係ない)
「みんなちょっと集まって下さい。」
安藤captainがメンバーを集めている。俺はその輪の中へ呼ばれた。
「えー今度我がクラブに来てくれた…後は自己紹介してください。」
「はい、自分はミサキと申します。サッカー経験はありません。サッカー好きの近所の男です。よろしくお願いします!」
「えー彼は、先週彼女と試合を見ていたので、そこで私が声をかけました。」
俺はこの後、トレシューを取りに帰った。
古妻のことを「彼女」とか言っていたcaptainは、一体何者なのだろうか?と思いながら自転車を走らせた。ワクワク半分ドキドキ半分。
さて、どうなることやら。