14日の読売新聞朝刊にピアニストの仲道郁代さんが「空想書店」店主として文章を書いているのを読んだ。鷲田清一さんの著書『「聴く」ことの力』を題材に、聴くことによって心が響きあうことのすばらしさを力説しています。200年前、ショパンが祖国ポーランドを離れる最後の演奏会で弾いた協奏曲を今200年後の「わたし」、「わたしたち」が聴いている。言葉は介在しない。あるのは「わたし、あなた、かれといった人称の境界をいわば溶かすようなかたちで、複数の<いのち>の核が共振する現象」のみ。音楽は言葉を超え、時間や空間を超えて演奏者の指の間から紡ぎだされる音を通じて直接私や私たちの中に入り、私たちの内なる魂と共振する。「音楽が奏でられ、それを聴くとき、音楽が私達の魂を共振させてくれることを私は信じる」
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