熱帯魚工作箱

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ミズゴケの育て方(浮舟式栽培箱)

2007-11-11 20:59:56 | 育て方 (湿地植物など)

「浮舟式栽培箱」は湿地の状態をメンテフリーで保てるので湿地に生えるいろんな植物の栽培にも応用ができます。
今回はこの「浮舟式栽培箱」を使ってミズゴケを育ててみて気づいたことや感じたことなどを書いてみようと思います。

以前サギソウを植えるためのミズゴケのPHで悩んでいた時に生きているミズゴケ(生ミズゴケ)のPHが知りたくて「浮舟式栽培箱」の本家の方に頼み込んで少し送っていただいたのですが残った5本ほどの生ミズゴケがもったいないので育ててみることにしました。
ところがネットで検索してみてもミズゴケの育て方についての記事は殆ど出てきません。
その中で、今はサイトを閉鎖されてしまったようで残念なのですがミズゴケをマンションのベランダで生き生きと栽培されておられた方のサイトに書かれていたことを参考にして植えることにしました。
その方の育て方を簡単に説明すると…
植木鉢の1/3まで水で戻した乾燥ミズゴケを入れてその上に生ミズゴケを植木鉢の2/3の高さになるように植え込んで腰水で育てるというものでした。植木鉢の上部の残りの1/3のスペースは湿度を保つのとミズゴケが成長した時のための空間です。



ミズゴケをミズゴケに植えるのがポイントだと思います(ややこしい書き方ですみません)。自然では朽ちたミズゴケなどが堆積したスポンジーな湿地に生えているので理にかなっているように思えます。その方はペットボトルを切ったものなどでも育てていらっしゃいました。
「浮舟式栽培箱」の内箱の壁を高くすれば似たような構造になります。でも私のプランターバージョンの場合は脊が高いと雨が降った時や風が吹いた時の内箱の転覆が怖いのでいつもの栽培箱で挿すように植えました。やわらかいものなのでそっと丁寧に植えこみます。植えこむ深さは全く適当です(1~2cm)
場所の都合でプランターは半日陰になるところに置いてあります(これが好結果につながるのですが…)
春になると新芽が出て徐々に成長してきたのである程度増えたところで成長の良い芽を何本か5cmほどの長さにちぎって日向に置いてあるサギソウの栽培箱にも植えてみました。
半日陰のプランターのミズゴケも少し大きくなってきたら混んでいる部分の新芽をちぎって空いている場所に植えます。
この作業以外はほとんどほったらかしです。水も少なくなったら外箱にカルキ(塩素)を抜いた水道水を注ぎこむだけです。
ジョウロやホースで水をかけたりはしていません。大雨が降るとべっちゃりと押さえつけられたようになりダメージがあるように見えるので頻繁には水を直接かけない方が良いような気がします。外箱への足し水のみで問題はありません。肥料も入れていません。



秋になると内箱がバランス悪く傾くほどに増えてきました。
日向に置いてある方はしっかりした感じで成長はしていますが半日陰に置いてあるものに比べて明らかに成長が遅く秋になってもたくさん増えたとは言い難い量です。他にも要因があるかも知れませんが半日陰で育てるのがミズゴケを増やすのには適しているように思われます。
半日陰の場所で田土でも植えていたのですが(腰水のPHは6.0)こちらはほとんど成長しませんでした。
やっぱりミズゴケはミズゴケ植えが成長が早いようです。

栽培箱の水のPHは6前後ですがPH5に設定している栽培箱でも育っていたので腰水のPHは多少低くても問題はありません。
ミズゴケは酸性貧栄養で育つ植物だそうです。腰水のPHを低い目に保つ工夫が必要でしょう。
私の住んでいる所の水道のPHは7.8前後なので朝夕ホースで直接水をかけるような管理をするとPHが上がりダメージがあるような気がします。
結果的に浮舟式栽培箱の場合、半日陰の場所でほったらかしでたまに外箱に水をつぎ足すだけの管理がミズゴケに合っているようです。ちなみにミズゴケは強酸性のためほったらかしでも雑草は殆ど生えてきません。
浮舟式栽培箱は夏場の水温の上昇が気になりますが成長は鈍るものの大阪の暑さでも枯れることは無かったので栽培箱の水温についてはそれほど気にしなくても大丈夫でしょう。
成長が穏やかな植物だけに爆発的に増えることはありませんがこまめに挿し芽をすればそれなりに増えます。

ミズゴケを栽培する上での最大の問題点?は 元気の良い生きているミズゴケが入手しにくいことです。
ネット通販でたまに見かけることはありますがホームセンターや園芸店で売られていることはまずありません。育てておられる方から譲ってもらうか たまたま生きたミズゴケが生えている鉢植えの食虫植物を見つけた時に買うかぐらいしか方法がありません。 乾燥ミズゴケから復活することもあるようですが必ず芽が出るという保証はありません。この件に関してはまだ試してみたことはありませんが興味があるので使えそうな状態の良い乾燥ミズゴケが手に入った時に試してみたいと思っています。



 白い点は散ったシラタマホシクサの花です

ここに書いたことは私が考えながら試してみたことなのでたまたまうまく育っただけかもしれません。他にもっとミズゴケに適した栽培方法があると思いますが「浮舟式栽培箱」での栽培は水遣りを気にしなくてもいいので失敗の少ない育て方だと思います。

花が咲く訳でもないし地味な植物ですが育ててみると他には無い質感とライトグリーンの色に結構癒されますよ。

■その後 ちょっと風変わりなミズゴケの栽培方法を見つけました→こちら


今回のオマケ画像
うちの水草水槽の住人たちです。♂がたくさん生まれた時に水草水槽に入れています。どちらも卵を一定期間水から取り出して休眠させるノソブランキウスの仲間です。

 パームクイスティー ケザニ

 ラコビー






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23 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ミズゴケ (東谷山のお猿さん)
2007-11-12 06:11:54
ミズゴケも良く見ると癒し系のいろですね。
枯らしそこねたミズゴケが浮き船箱の中でサギ草と競い合っています。
山の休耕田へミズゴケを採りに行くのが毒虫や毒ヘビの活動が弱くなるこれからの時期です。しかし、この時期は太陽の光が弱いので乾してもしっかりと枯れてくれないのです。生き残ったミズゴケが来年浮き船箱の中で猛威をふるうわけです。これを抜いて乾かして又、使います。時々「生のミズゴケが欲しい」とおっしゃる方がいます。都会では生きたミズゴケが無いようです。「ミズゴケの育て方」はヒットするかも。
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乾燥ミズゴケ (mizuwarabi)
2007-11-12 18:13:36
東谷山のお猿さんへ
ミズゴケを乾燥させてから使うなんてある意味贅沢なことですね。羨ましい限りです。
生きたミズゴケは欲しがっている人は結構おられると思いますよ ビオトープなどにも使えそうですし…
ミズゴケそのものを取り上げているサイトがあまりなかったので今回はマクロレンズで撮った写真を多めに載せてみました。
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まるで上空から (ossyan)
2007-11-12 23:53:27
眺めた森林のようにも見えますね。少しオレンジがかっていたり、黄緑だったり、濃い緑だったり。
いろいろな種類の苔が園芸店で売っているけど、さすがにミズゴケは見たことありません。枯れたの以外は。緑のミズゴケは綺麗なものですね。

mizuwarabiさんのメダカ、とうとう登場。いやぁ本当に美魚ですね。しびれました。今度は水槽全景で泳いでいる姿も見せてください。
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水槽全景は… (mizuwarabi)
2007-11-13 12:53:58
ossyanさん
そう言われるとトップの写真は航空写真風ですね。
うちのメダカたちは普段はどこかに隠れているので群がっている写真を撮るのは不可能です。
この2カットだけでも主役の「出待ち」とマクロレンズで追いかけているのとで結構時間がかかっています。
時々気が向いたときにメダカを補充するので 現在何匹入っているのかはっきり分かりません。
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寒くなってきましたね。 (ひめだか)
2007-11-13 20:21:46
こんばんは。
うちのミズゴケも、どこかのおばあちゃんが山採りして乾燥したものなので、休眠からさめて浮き船水槽でモコモコと復活中です。明らかに盛り上がってきています。
シラタマホシクサの種がこぼれていることが、期待できる画像ですね。これはもう、「捨てられないミズゴケ」の部類ですよ。例年うちではこの状態から発芽します。放任主義です。丁寧なことはしていません。
、友達に送るつもりでやってみた初めてのことです。
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捨てられない…けど… (mizuwarabi)
2007-11-14 13:00:43
ひめだかさん
この箱のミズゴケは状態がもうぼろぼろなのでリセットする必要があり頭がいたいところです。
そっと表面部分を集めて春まで他の場所でキープすることにします。
チリ産のミズゴケは圧縮されているせいか傷むのが早い様な気がします。
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教えて!! ()
2008-09-11 08:18:29
はじめまして。 最近、ミズゴケを育て始めました。もう肌寒い日が多くなりましたね。そこで気になったんですがミズゴケの冬越しはどうすればいいんでしょうか?

教えてください。
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ミズゴケの冬越し (mizuwarabi)
2008-09-11 12:53:12
Mさん はじめまして

うちではそのまま(腰水は冬でも足しています)その場所でほったらかしです。
春になったらいつの間にか成長を始めています。
大阪では氷が張る日は少ないですが ミズゴケは寒い地域にも生息している植物なので冬でも今と同じ環境を維持して春を待つ…でいいのではないでしょうか?
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なるほど ()
2008-09-11 20:17:42
mizuwarabiさん ありがとうございます。
次の冬はそうしてみたいと思います。
ちなみにもう一つ聞きたいのですが、植え替えはいつ行えばいいのでしょうか?気がつくと鉢のそこから臭いにおいが出ていることがあります。お手数ですが教えてください。
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植え替えの時期 (mizuwarabi)
2008-09-11 21:44:05
Mさん
植え替えの時期ですが… 植物一般的には芽が動き出すまえの春先でしょうがミズゴケは根が無い?のをいいことに季節関係無しにミズゴケが盛り上がって混んできた部分を間引いて空いている部分に植えて(差し込んで)います。今のところ枯れたことはありません。
鉢の底の臭いってドブくさい臭いですね。うちの腰水もたまに臭いますがひどく無ければそのままです。鉢(内箱)の中からは臭いません。鉢の中が臭うのなら何か対策が必要かも知れませんね。
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