アフリカンランプアイは水草水槽にとっても似合う魚だと私は思うのですが ショップへ買いに行っても最近は状態の良いものに出会え無いことが多いような気がします。魚の状態が分からず買って帰ると数日の間に全滅してしまったという話も聞いたことがあります。 ランプアイは群れで泳いでいるほうが華やかで見栄えがするのでたくさんで飼いたいですよね。ランプアイは元気が良ければ必ず卵を産むのでこういう場合は自家繁殖ですね。ランプアイの繁殖は「容易」と言われていますが成長が遅いうえ一度調子を崩すとうまく育てあげることができません。インターネットで検索しても繁殖や育て方について詳しく書かれているサイトが案外少ないのです。
ランプアイの繁殖を考えておられる方の参考になればと思い「ランプアイの殖やし方と育て方」について私なりに今まで飼育していて気がついたことなどを書いてみようと思います。
ランプアイと呼ばれる魚は何種類かありますがここでは一般的に流通しているアフリカンランプアイ(アプロキリクチス ノルマーニ)について書かせていただきます。
種親の入手
まず元気で健康な魚を手に入れないと卵がたくさん採れないのでショップで魚を選ぶ時のポイントです。
・体形が悪く体全体に透明感が無い
・体の一部がすりガラス状に濁っている
・妙に体が細かったり体がペラペラに薄い
・ひれが溶けている
・体のサイズの割に目が大きい(なんとなく全体的にバランスが悪く見える)
・尾びれをすぼめて泳いでいる
・フラフラと泳いでいる
以上のような魚が目につく場合は元気が良さそうな魚がいてもその水槽の魚は同じ環境で育ってきたと考えられるので要注意です。次のロットが入荷するまで待つか他のショップをあたってみてできるだけ状態の良い魚を手に入れましょう あくまでも元気な種親を入手することが第一条件です。
体の一部分がスポット的に濁っているのは病気のようです だんだんとにごっている面積が広がっていき治ることは無さそうです。
状態の良い若親が売られていることは少ないので少し小さくても元気が良いものを求めて種親を育てます。繁殖の効率を考えると30匹程度は必要でしょう。
魚が小さいとオスメスを見分けるのは困難ですがランプアイの場合サイズが揃っていればまとめて買っても結構バランスがとれているのであまり気にしなくても大丈夫です。ちなみに成魚のオスは背びれや尻びれが大きくなりうっすらと色がつきます メスはひれが透明のままです。若親だとちょっと判別し難いですが見比べると違いが分かります。
飼育水槽と種親の飼育
繁殖が目的なのでもちろん単種飼いですね 小さくても水槽を1つ用意して下さい エビやコリドラスなどは入れてはいけません。新しい水で飼うと調子が良いので水換えは頻繁に行います。
私の場合 30cm規格水槽にテトラニューブリラントフィルターを入れて水温26℃で30匹ぐらいを飼育しています。小さい水槽で密度の高い飼い方をするので外掛け式のフィルターやモーター式水中フィルターより掃除が簡単で卵もフィルターに吸い込まれないようにスポンジフィルターを使っています。底砂は敷いていません。産卵床としてウィローモスを多い目に入れておきます。ウィローモスが手元にない場合はランプアイが卵を生みそうなサイズ(2cmぐらい)になったらポンポン状の人工産卵床をアクリル毛糸などで作って沈めます。産卵床になるものを何か入れておかないと親が卵を食べてしまうのか効率よく卵が採れません。飛び出し事故を防ぐため必ず水槽には蓋をしておきます。水換えは週に2~3回ほぼ全量を換えます。塩素を抜いて2~3日エアーレーションをしておいた汲み置き水が用意できればベストですね。
餌は人工餌のみでも飼育できますが冷凍赤虫やできればブラインシュリンプを与えます。ブラインシュリンプで育てると成長が早いうえ栄養状態が良くなるのか人工餌のみで育てた時に比べ卵をたくさん産みます。
採卵と稚魚の飼育
卵を産み始めたら1~2週間ごとに卵が付いたウィローモスを取り出してプラケースに飼育水を入れその中にウィローモスを入れ水温が25℃前後を保てる場所で保管します。水は「飼育水」を使うのがポイントです 新しい水を使うと卵がカビる確率が高くなります 卵は1.5mmぐらいの大きさで指でつまんでもつぶれないくらい弾力があり2週間ほどで孵化します。
稚魚が数匹泳ぎ出し始めたらプラケースの水をすべて新しい水に入れ替えます。水質が急に変わった刺激で一気に孵化してくるので後の管理が楽になります。 孵化した稚魚は2~3日で餌を食べ始めるので他のプラケースに移してブリーディングフィルターなどの小さなフィルターを入れるか弱いエアレーションをしておきます。少し大きくなると飛び出したりするので蓋も必要になります。
餌は稚魚用の人工餌でも育てられますが育ち方に差が出るのと餌を与えすぎると急な水質悪化の原因になります。ブラインシュリンプで育てると成長が早いので面倒くさくてもブラインシュリンプでの飼育をおすすめします。 稚魚をうまく育てられない場合 原因の多くは水質の悪化が関係しているのでとにかく水換えです。プラケースは水の量が少ないので餌やりのついでに毎日水換えです。弱いエアーレーションでもするとしないとでは大違いです。 水草水槽ではやっかいもののモノアラガイも稚魚育成水槽では大きな戦力です。残り餌を食べてくれるので水質を保つのにとっても役にたちます。目の敵にしないでキープしておきましょう。レッドラムズホーンも残った餌を食べてくれます。貝は卵を食べるので卵が入っている容器には入れないで下さいね。
稚魚は2cmぐらいの大きさになると卵を産み始めるので繁殖水槽に移します。繁殖水槽が混雑してきたら年をとってそうな大きい魚から水草水槽に移していきます。繁殖水槽が♂ばかり又は♀ばかりにならないよう注意しましょう。
夏場の管理
ランプアイは高温に弱い魚です。夏場は水温ができるだけ上がらない場所で飼うようにします。水温が30℃を超えると卵も産まなくなり元気が無くなってきます。落ちる魚も出てきます。夏場は水温ができるだけ上がらないような工夫をして水質が悪化しないよう注意しながらできれば大き目の水槽に入れて魚をキープするのに集中してひたすたガマンです。水温が下がってくればまた卵を産むようになります。
思い浮かぶことを書いていたらだらだらと長文になってしまいましたがいかがでしたでしょうか? あくまでも私の飼い方と感じたことなのでランプアイを飼育する上で何かヒントやポイントなどになることがあればと思い書かせていただきました。ランプアイは本来そんなに飼うのが難しい魚ではありませんが現在ランプアイに関してはベストな状態の魚がいつでも買えるとは言えない状況なので元気で健康な魚を手に入れる事がポイントになっています。 いつも行くショップにランプアイが泳いでいたら水槽の前を通り過ぎないでじっくり観察してみましょう。
今回のおまけ画像
最後に他のランプアイを1つ
こちらは マクロフタルマスと呼ばれるランプアイです。ノルマーニに比べて体側にブルーのラインが入り体に透明感がありヒレの縁に色が入り華やかさがあります。
うちのタイメダカ君たちも繁殖させてみたいと思ってはいますが、ご紹介いただいた飼育環境には遠いため、ちょっと繁殖しそうにありません。
ところで、普通のランプアイもいいですけど、マクロフタルマス とてもキレイですね。ちょっと惹かれるものがあります。いや、かなり・・・。
こちらの飼育のコツも特筆するものがありましたら、いつかよろしくお願いします。
うちではマクロフタルマスもアフリカンランプアイと同じ飼い方です。
ただ卵が小さく産む量も少なめなので「爆殖」とはいきません。値段もちょっと高い目です。その前に売っている店を探すところから始めないといけませんが・・・。私は「ブックマーク」にあるショップで稚魚をまとめ買いしました。
モノアラガイは残餌を腐る前に食べてくれるので結果的にフィルターに匹敵する性能?です。水面を裏側から歩くという「ワザ」も見せてくれます。
餌の食いも悪くなかったし原因が自分ではわかりません。病気もない感じです。
餌はブラインシュリンプで15リットルの水槽に12匹程度です…
詳しい水槽環境が分からないので何とも申し上げられませんが 原因が特定出来ないようならあやしいと思われる事から塗りつぶしていきましょう。
水換え時のカルキ抜きの入れすぎにも注意が必要です。浄水器の水を使うかエアーレーションをしたひなた水などの安定した水質の水で水換えをしてみてはいかがでしょうか。ブラインシュリンプの与えすぎも水質悪化の原因になります。
体の一部が透明感が無く濁ったようになっている個体はいませんか?この場合はちょっと厄介な病気かも知れません。
サイドバーの「メッセージを送る」から詳しい飼育環境などを連絡いただければ何かアドバイスが思い浮かぶかも知れません お気軽にどうぞ。
水草水槽で泳ぐ飼いこんだランプアイはとっても見ごたえがありますよ!
暗い目の照明下で泳ぐランプアイも素敵ですよ。
5年飼われていると成魚が多くて見応えがある水槽でしょうね。
うちでは毎年夏の暑さで調子を崩してしまうのですが 今年は比較的調子が良く 卵がたくさん採れはじめています。稚魚が増えてくるとプラケだらけになり水換えなどが雑になりがちで毎年同じ失敗をくり返しています。
生まれたてはヘロヘロと泳いでいて頼りないのですが 少し大きくなると飛び出すので油断しないようにしてくださいね。
冬は温度管理が大変ですががんばってください。