藤子不二雄Ⓐ展 -Ⓐの変コレクション-
2018年10月19日~2019年1月6日開催
2022年4月7日朝、少年漫画の巨匠・藤子不二雄Ⓐ氏が逝去されました。
子供時代に「怪物くん」「忍者ハットリくん」「プロゴルファー猿」を始めとしたたくさんの魅力的なキャラクターや作品で楽しませて頂きました。
追悼記事として、2018年に六本木ヒルズ森タワーで開催された藤子不二雄Ⓐの作品展の記事を再掲させて頂きます――。
エントランス
等身大の藤子不二雄Ⓐの蝋人形や、「笑ゥせぇるすまん」に出てくるBAR魔の巣の展示。藤子不二雄Ⓐの似顔絵は、嵐の大野智氏の作品。
トキワ荘
上京後に藤子不二雄Ⓐが住んでいたトキワ荘の一室を再現。
当時のトキワ荘の写真や、自伝作品「まんが道」「愛…しりそめし頃に…」の原画、取り壊されたトキワ荘の室内の壁の展示も。
ポップゾーン
「怪物くん」「プロゴルファー猿」「忍者ハットリくん」の展示コーナー。原画の展示がメインで、ファミコン「忍者ハットリくん」のプレイも可能。
ブラックユーモアゾーン
藤子不二雄Ⓐの作品のうち、ブラックユーモア・ダークファンタジー系の作品の原画紹介。実体験を元にした「B・Jブルース」の上映も。
笑ゥせぇるすまんゾーン
日本の漫画界にブラックユーモアという新しいジャンルを切り拓いた「笑ゥせぇるすまん」の原画展示と体感展示のコーナー。
Aの変コレクション
作品のグッズ、ポスターや参考文献、スケッチ、造形家・竹内隆之氏によるシルバークロスの衣装、影絵作家・河野里美氏による作品の展示。
編集後記
藤子不二雄Ⓐは、曹洞宗49代目住職の長男として、富山県氷見市の光禅寺に誕生。
本来であれば、お寺の住職としての道を歩むはずでしたが、小5の時に住職の父親が亡くなり、高岡市に引っ越したことが彼の運命を大きく変えました。
転校先の小学校で、のちに藤子不二雄として漫画を共作し、数々の名作を生み出すことになる藤本弘と出会ったのです。
得意の漫画で意気投合した二人は、合作ペンネーム“足塚不二雄”(のちの藤子不二雄)として共作漫画を描き始め、その後上京して、プロの漫画家としての道を歩み始めます。
つまり、父親が亡くならなければ彼はお寺の住職として生涯を過ごし、藤子不二雄も誕生せず、後世に残る作品も生まれなかったといえます。
VTRで、藤子不二雄Ⓐは「運命が僕を漫画家にしてくれた」と語っていました。
彼の言う通り、戦後の日本の漫画文化の発展のために、人智を超えた存在による力が働いたような気がしてなりません。
いずれにしても、たくさんの魅力的なキャラクターと愉快なストーリーで少年時代の思い出の1ページを彩って頂き、感謝至極でございます。
天国でトキワ荘の旧友たちと再会し、懐楽しいお時間を過ごされていれば幸いです――。
【出典】 「藤子不二雄A展 -Aの変コレクション-」