北京五輪
世界を熱狂と感動の渦に巻き込んだ『北京五輪』が今日、閉幕しました。
金メダルという栄光の架け橋を渡るために、幾多の熱戦を繰り広げ、多くの感動を与えてくれた日本選手の活躍を中心に振り返ります――。
開会式
第29回夏季オリンピック北京大会は8日午後8時、北京市北部の国家体育場で開会式が行われ、4年に1度のスポーツの祭典が開幕した。
入場行進では、日本選手団は旗手で卓球の福原愛選手を先頭に23番目に登場。日の丸と中国国旗を手に、笑顔でさわやかに行進した。
最終聖火ランナーは、1984年のロサンゼルス五輪・体操男子で3つの金メダルを獲得した中国の国民的英雄・李寧さん。
スタジアム上方に設置されたスクリーン上を飛ぶように駆け抜け、聖火台の下から点火された聖火は、北京の夜空を明々と照らした。
競泳
【2大会連続2冠】
北京五輪4日目の11日、競泳の男子100m平泳ぎ決勝で、北島康介選手が58秒91の世界新で優勝し、2連覇を果たした。
14日の競泳男子200m平泳ぎ決勝でも五輪新記録で優勝し、史上初めて2大会連続2種目制覇を果たした。
【有終の銅】
北京五輪第10日の17日、競泳男子400mメドレーリレーで、日本は日本新を記録しアテネ大会に続く2大会連続の銅メダルを獲得した。
【自分色の銅】
北京五輪は第6日の13日、競泳で4種目の決勝が行われ、男子200mバタフライで松田丈志が日本新記録をマークし、銅メダルを獲得した。
16日の女子200m背泳ぎ決勝では、中村礼子選手が日本新で2大会連続の銅メダルに輝いた。
柔道
【谷選手】
北京五輪は9日、柔道の女子48キロ級で谷亮子選手は準決勝で敗れたが、3位決定戦で勝利、5大会連続のメダル獲得となった。
【内芝選手】
北京五輪第3日の10日、柔道男子66キロ級で内柴正人選手が五輪2連覇を果たし、日本人選手金メダル第1号となった。
【谷本選手】
北京五輪5日目の12日、柔道女子63キロ級で谷本歩実選手が2連覇を達成した。
谷本選手は、今年4月の全日本選抜体重別選手権で準優勝ながら五輪代表に選ばれ、大舞台で偉業を達成した。
【中村選手】
女子52キロ級では、初出場の中村美里選手が銅メダルを獲得し、日本勢で初めて平成生まれの五輪メダリストが誕生した。
【石井選手】
北京五輪8日目の15日、柔道男子100キロ超級で、石井慧選手が金メダルを獲得。最重量級で日本勢2つ目の金メダルを獲得した。
重量挙げ
重量挙げは9日、競技がスタート。女子48キロ級で三宅宏実選手はメダル獲得はならなかったが、トータル185キロで6位に入賞した。
体操
【納得の銀】
北京五輪5日目の12日、体操の男子団体総合決勝が行われ、予選2位通過の日本は銀メダルに終わり、アテネに続く2連覇を逃した。
【逆転の銀】
北京五輪7日目の14日、体操男子個人総合決勝で、19歳の新鋭の内村航平選手が銀メダルを獲得した。
個人総合でのメダル獲得は、1984年ロサンゼルス五輪以来、24年ぶり。
【24年ぶり入賞】
北京五輪6日目に行われた女子団体総合の決勝で日本は5位となり、1984年ロサンゼルス五輪以来24年ぶりの入賞を果たした。
バトミントン
【スエマエ旋風】
女子ダブルス準々決勝で、末綱聡子・前田美順組が、アテネ五輪金で世界1位の楊維・張潔組を2-1で撃破し、日本初のベスト4入りを果たした。
レスリング
【吉田選手】
北京五輪9日目の16日、女子55キロ級決勝が行われ、吉田沙保里選手が連覇を達成した。
【伊調姉妹】
16日、女子48キロ級が行われ、伊調千春選手が決勝でキャロル・ハイン(カナダ)に敗れ、2大会連続の銀メダルとなった。
17日の63キロ級決勝では、妹の馨選手がロシアの選手を破り、2連覇を果たした。
【浜口選手】
北京五輪のレスリングは17日、女子72キロ級が行われ、浜口京子選手は3位決定戦で米国の選手を破り、2大会連続の銅メダルを獲得した。
卓球
【銅メダルならず】
17日、卓球女子団体の3位決定戦が行われ、日本は韓国に0-3で敗れ、初のメダル獲得はならなかった。
【準決勝進出ならず】
16日、卓球男子団体の準決勝が行われ、日本はドイツに2-3で敗れた。敗者復活2戦でもオーストリアに敗れ、3位決定戦に進めなかった。
ソフトボール
【悲願の金】
北京五輪第14日の21日に決勝が行われ、日本は米国を3-1で破り、悲願の金メダルを獲得した。ソフトボールはロンドン大会では実施されず、最後の舞台での悲願達成となった。
野球
【まさかの4位】
北京五輪15日目の22日、野球の準決勝で1次リーグ4位の日本は同1位の韓国に2―6で逆転負けし、決勝進出を逃した。
23日の3位決定戦でも日本は米国に4-8で敗れ、04年アテネ大会に続く銅メダルを逃し、00年シドニー大会と同じ4位に終わった。
陸上
【銅メダル】
北京五輪第15日の22日、陸上男子400mリレーで日本が38秒15で銅メダルを獲得した。
陸上のトラック種目で日本勢がメダルを獲得するのは、1928年アムステルダム大会以来、80年ぶり2度目で、男子では初。
フェンシング
【歴史的銀】
北京五輪6日目の13日、男子フルーレ個人で、太田雄貴選手が五輪史上初の銀メダルを獲得した。
ケイリン
【歴史的銅】
北京五輪の自転車は16日、男子ケイリンが行われ、永井清史選手が銅メダルを獲得し、日本発祥の競技で日本人初のメダルとなった。
シンクロ
【銅メダル】
北京五輪のシンクロナイズド・スイミングは20日、デュエット決勝のフリールーティンが行われ、鈴木絵美子、原田早穂組が銅メダルを獲得した。
閉会式
北京五輪は24日午後8時から、メーン会場の国家体育場で閉会式が始まった。
スクリーンで「第29回」の29からカウントダウンが始まり、10からは花火による数字に引き継がれ、1になると同時に盛大な花火が次々と上がり、轟音が響いた。
閉会式では、まず各国の旗を掲げた旗手が行進し、日本は北島康介選手が旗手を務めた。
続いて選手たちが、国や地域ごとには分かれずに入り交じったまま、リラックスした表情で入場し、健闘を讃えあった。
今大会には、史上最多となる204の国・地域から約1万6000人の選手・役員が参加し、28競技302種目で熱戦が繰り広げられた。
金メダルを最も獲得したのは51個の中国で、初めて世界一になった。日本のメダルは金9、銀6、銅10個の計25個で、アテネ五輪より、金も総数も下回った。
国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は、「本当に特別な大会だった。」と北京五輪を評価し、北京五輪の閉会を宣言した。
五輪旗は、郭金竜北京市長からジャック・ロゲIOC会長を介して、次のオリンピックの舞台であるロンドンのボリス・ジョンソン市長に手渡された。
会場には2階建てバスやジミー・ペイジ、ベッカム選手らも登場。競技のハイライト場面が鳥の巣の屋根に映し出され、熱戦の絵巻を閉じるように21時24分、聖火が消えた。
聖火が消えた後も、「記憶の塔」が現れ、聖火はいつまでも一人一人の心の奥に燃え続けるというメッセージを放ち、選手達は北京五輪の余韻にいつまでも酔いしれた――。
編集後記
北京五輪開催前は、四川大地震や環境問題、テロ、会場設営にまつわる国民とのトラブルなどが報道されて、盛り上がるのかどうか疑問でした。
でも、競泳の北島や、女子柔道、体操団体などの活躍でそんな杞憂は吹き飛びました。
特に、100m平泳ぎ決勝で金メダルに輝いた後のインタビューでの北京五輪の象徴ともいえる北島選手の涙には、感動させられました。
頂点を極めてもなお、もっと遠くへと行こうと自らを奮い立たせ、人一倍努力を重ねて登りつめた2度目の頂点から見た景色はさぞ絶景だったんでしょう。
そんな中、有終の美を期待していた星野ジャパンの4位は残念。まぁ壮行試合でセ・リーグ選抜に2―11と大敗していたので、選手の選抜ミスともいえますが。。
いずれにしても、今年前半は嫌なニュースが続いていて気分が滅入りがちでしたが、北京五輪のおかげで明るい気分になれました。
熱狂や感動というGIFTを国民に届けてくれたアスリート達に感謝!
【記事/画像引用】「北京五輪」「sportsnavi」 etc..