「がんで入退院を繰り返す」と言うとなんだか大変そうですが、どれくらい大変かは個人や状況ですごくばらつきがあります。
がんも話題にできる仮想の海辺のカフェMARZO
店主です。
店主です。
今日は入院のおはなし。
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私の場合は
・告知に至るポリープ切除手術で1泊
・開腹手術で11泊
・抗がん剤治療で3〜4週間おきに1〜8泊の入院
(初回だけ8泊、以後基本的に2泊)
抗がん剤は6回「入退院」を繰り返します。
開腹手術で目に見えるがんをすべて取り切っているため元気。開腹手術から約1ヶ月以降は活動の制限はなく、毎週の血液検査の通院はもちろん、入院2泊ならリュック1つで公共交通機関(電車かバス)で往復しています。
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大部屋が意外に良い
入院の時は大部屋を利用しています。1室に4つか6つのベッドがあります。抗がん剤の点滴も自分のベッドです。
4つが埋まることはまあまあ有りますが、6つ全部は少ないかな。
Wifiが入るので、PCやスマホでネット接続できるので十分快適です。
各ベッドはカーテンで仕切られているのでプライバシーはかなり高く保たれています。夜9時から朝6時までは消灯ですが、消灯後もベッドの枕元の灯をつけても良いです。医療処置などが必要な場合には、カーテン内だけかなり明るくできる天井のライトがあります。
同室に手術直後の人がいたりすると、血栓予防のための両脚のポンプの音が一晩中鳴っていますが、そこまで大きな音ではないので睡眠に支障はありません。
むしろそういう「これから受けるかもしれない治療」「前に受けた処置」の予習・復習が出来るので、私は大部屋が良いと感じています。
同室で抗がん剤治療を一緒に受けていたことがまだありません。同フロアでも同日に受けるのを見ていません。がん専門病院ではないからそんなに癌患者がいないのかもしれません。スタッフの一人は「お薬(抗がん剤)の準備の関係で同日にはしないかも」とのこと。抗がん剤は患者一人ひとりのその時点の体重や体調などで毎回量が細かく決まり、生理食塩水に規定の割合で入れる「オーダーメイド」なので、準備に手間もかかるでしょう。同じフロアで同日に1人だけなら、取り違えを起こす恐れもないので安心かも知れません。
そんなわけで、他の患者さんが抗がん剤の点滴を受ている様子は全く分からないのですが、他の病気や怪我の患者さんたちのことは、カーテン越しに何となく、看護師と患者さんとのやりとりなどで知ることがあって、これまでの複数回の入院で、がんだけが大変だとか怖いとかいう訳ではないと充分に知ることができました。
ほんと、大部屋向きのタイプで良かった。
大部屋選んでおいて良かったです。
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自分で歩ける。これだけでも他の病気よりも遥かに自由。
これまで同室になった人は、私と同じく検査や開腹などの手術をこれから受ける・受けた人の他に、脚のむくみを取るためにやや長期のリハビリを受けにきた人、別で受けた治療(手術も含む)の後などに発熱するなど「隔離のいらない(細菌)感染」を治す人、乳腺科や整形外科の患者さんもいました。
開腹手術後の私もそうでしたが、歩けない状態の人もしばしばおられます。
夜中にトイレに行くとよく、夜間担当の看護師に車椅子を押されているご高齢の方を見かけます。「自分で歩いてトイレに行ける」ということのありがたみが良く分かります。歩けなくても入院中は24時間ナースコールのボタンを押せば看護師が駆けつけて車椅子でトイレに連れて行ってくれますが、退院後はどうされるのかな。
比較的若くても、歩くことそのものの困難が訪れることが人生にはあります。膝や股関節の病気で手術を受け、人工関節に置き換えてリハビリを受けている方も同じフロアにおられます。
歩行の困難はがん治療の過程でも起こります。例えば手術の時にがん組織や臓器の摘出とあわせて、がんの広がりを確認したり抑えたりするためにリンパ節を切除すると、リンパ液の流れが変わり、脚のむくみを経験する人が多数います。幸い私はリンパ節の切除は不要でしたが、今もし抗がん剤治療の副作用に加えて脚のむくみのダブルパンチだったらかなりキツかったはずです。
一歩まちがうと「がんになった私」は悲劇の主人公のように陥るところですが、毎月の入院時に垣間見る美しき戦士たち(患者さん)と、力強く頼もしい支援者(医療スタッフ)の多様なドラマに胸が熱くなります。
「がんどころでは騒いでいられない」
というのが、幸い初期で治療を開始できた
がん患者としての正直な感想です。
割と治療が確立していて、特殊ではなく今のところ概ね「定型の」範囲で順調に治療を進めてこれています。予後のデータも検索して、自分に今後起こるかもしれないことはある程度把握できます。
一旦治療が完了してからも年に何度か、定期的な経過観察が続くので、今後新たながんや再発転移があったとしてもおそらく早めに見つかります。ある意味、誰よりも安全かも知れません。
がんが見つかるのは早ければ早いほと良いです。少しでも体が変だと思ったら、早めに医療にかかってください。
そしてもしがんが見つかっても怖くありません。
たくさんの頼もしい味方、医師と医療スタッフがいます。
先輩もたくさんいます。大丈夫。
そして、特に女性なら
入院は大部屋が実はおすすめです。
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がん治療、入院か通院かについて
全日本民医連のサイトによるとがん治療について「今(2013年12月)でも入院が必要な時期はありますが、化学療法の初回導入時や、シスプラチン(抗がん剤の一種)を併用する場合 などに限られています。」
私が受けた抗がん剤治療も入院が必要なタイプで「パクリタキセル/カルボプラチン療法(TC療法)」というものです。実際の入院と抗がん剤点滴の例(国立病院機構の入院計画書)にあるように、3日程度入院します。アナフィラキシーを起こしやすい1回目が問題なければ、2回目以降は最短2日、ツワモノは日帰りで受けているようです。
参考
子宮体がん以外にも、入院が必要な抗がん剤があります。
プラチナ製剤 一般的な商品と特徴ランダ
- シスプラチン製剤 ※腎臓へのダメージを減らすためシスプラチンの点滴前後に1〜2リットルの輸液を点滴し尿量を増やすといった措置が必要
- 小細胞肺がん、胃がん、非肺小細胞がん、尿路上皮がんなど数多くのがんに使用
- 本剤に対する制吐薬として、5-HT3受容体拮抗薬・NK1受容体拮抗薬・デキサメタゾンの併用推奨
パラプラチン
- カルボプラチン製剤 ※点滴に要する時間は単独で約1時間
- 非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、子宮体がんなどに使用する
- シスプラチンに比べ、一般的に腎毒性、吐き気などの軽減が期待できる
エルプラット
- オキサリプラチン製剤 ※FOLFOXでは長時間(約2日間)の持続点滴が必要
- 大腸がん治療で用いられるFOLFOX(フォルフォックス)療法で使用する薬剤の一つ
- 結腸・直腸がん、膵臓がん、胃がんなどに使用