今期の社団戦が終了した。
5部の将棋チェスネット2チームから参戦し、チームは6勝9敗で順位9位だった。
初日と3日目でメンバーが足りず、それぞれ全敗を喫したのが痛かった。
個人では団体戦で8勝3敗、個人戦で1勝3敗の計9勝6敗だった。
団体戦では安定して勝ち星を挙げたが、全勝の日が無く勝負弱さを露呈した。
今後大会で勝ち抜く為にも連勝を続ける力を身に付ける必要がありそうだ。
そんな勝負弱さを象徴する様な将棋がこれだ。
社団戦5日目第2局
ゴキゲン中飛車対超速【銀対抗対居飛車急戦の現状】で紹介した研究手順をそのままなぞる進行にもかかわらず、
優勢の終盤を大ポカで落としてしまった。
勝つ為に何が必要かをこれから考えて行きたいと思う。
*************************************************************************************************
ところで、今日でブログ開設から1500日を迎える事が出来た。
しばらくサボっていたので実感は無いが、意外に長く続ける事が出来たのも
ツイッターなどを通じて仲良くして頂いている方やご愛読して下さる読者がいたからだと思う。
贔屓にして下さった皆様に感謝を申し上げたい。
次の節目である5年、2000日を迎えられる様に研究は続けて行きたいと思う。
さて、今回はこれまで4年間一度も扱わなかった先手中飛車について考えて行きたい。
これまで初手▲7八飛戦法を中心に組み立てて来たので、しばらく先手中飛車について考える機会が無かったが、
どうしても角交換向飛車になった際に、逆棒銀で突破するのに手数を要する事が多く成功するイメージが持てなくなった。
原点回帰で石田流と先手中飛車を中心に据えようと考え、石田流の基本―本組みと7七角型や菅井ノート 先手編を読んで学び直した。
これまでの定跡と最近のプロの実戦を洗い直すと、
先手中飛車対角交換△6四銀型で少々苦戦している様に思う。
先手中飛車を中心にする以上は避けて取れない道であるので、
何かアイデアは無いかと考えるうちに、ある変化が流用できないかと行き着いた。
今回はその変化の研究内容と、実戦を紹介したいと思う。
初手からの指し手
▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩 ▲7七角 △5四歩
▲5八飛 △6二銀 ▲4八玉 △4二玉 ▲3八玉 △3四歩
▲6八銀 △5三銀 ▲2八玉 △7七角成▲同 銀 △6四銀
▲3八銀 △3二玉 ▲5九飛 △4二銀 ▲1六歩 △1四歩(基本図)
居飛車が角交換から△6四銀で5筋の交換を阻止し、
1筋を付き合っって迎えた基本図。
ここで実戦例が最も多く研究が進んでいるのが▲7八金~▲6六銀。
以下、▲7五銀とぶつけて交換する手が高勝率を挙げていたが、
現状として△6四角(A図)に苦戦し、上手く対応する手段が見付かっていない。
菅井ノート 先手編では▲6六歩が有力と述べられているが、
個人的にはそれほど上手く行っている様には見えない。
客観的に見てアマチュアには真似し辛い手ではないかと思う。
また、この展開を避ける手段として▲9六歩という変化球も紹介されているが、
最善を尽くされるとわかりにくい持久戦になりやすいというのが個人的な感想だ。
そこで、今回は第3の手段が無いか考えてみたので検証してみたい。
基本図からの指し手
▲2六歩(テーマ図)
▲2六歩自体は部分的には良くある手で、昨年のJT杯日本シリーズでも指された。
ただ、このタイミングで指すのが作戦の肝であり、
これまでは基本図で▲7八金~▲6六銀と振り飛車が先に態度を決めて面白くなかった。
相手に指してもらって薄くなったところを狙う趣旨だ。
基本的にはこの戦型において居飛車からの仕掛けは生じないので、
銀冠に発展させて玉の堅さで作戦勝ちを狙うのは理に適っていると思う。
当初の研究では居飛車の作戦で考えられるのは次の2通りと考えていた。
(1)△3三銀~△4四銀の屋敷流
屋敷流の詳細は以下の書籍を参考にして頂きたい。
将棋世界 2012年 10月号双龍戦▲今泉健司アマ△屋敷伸之九段
将棋世界 2012年 11月号双龍戦▲戸辺誠六段△村山慈明六段
(2)△4四歩からの持久戦
まずはそれぞれへの対策を述べて行きたい。
テーマ図1からの指し手(1)
△3三銀 ▲7八金 △4四銀 ▲6六歩 △5五歩 ▲6五歩
△同 銀 ▲5五歩 △6四角 ▲6九飛 (第1図)
屋敷流には▲7八金~▲6六歩と備えるのが良いと思う。
当初の研究では、△3三銀▲2七銀△4四銀▲3八金でも良いと思っていたが。
△5五歩(B図)と動かれると中央を抑えられて不満が残りそうだ。
本譜は居飛車は初心貫徹で△5五歩と突いてくるが、
▲6五歩の突き違えで対応する。
忙しい局面なので△6四角は恐らく最善の対応で
▲6六歩では△7四銀で愚形ながら5五の歩が負担となりそうだ。
ここは▲6九飛(第1図)でどうか。
(1)△7四銀は▲6六銀(C図)の活用が可能となり、△5五銀には▲6五歩、
△8六歩▲同歩△同角は▲7五歩で痺れる。
△8六歩▲同歩△同飛が最善と考えるが、▲7七桂と活用できて不満は無い展開だと思う。
(2)△5六銀には▲5四歩(D図)と伸ばしておいてどうか。
▲5四角も考えたのだが、右金で受けてくれれば全て攻め潰せるが、△5二金左でダメなようだ。
▲5四歩(D図)はすぐに狙いがあるわけではないが、▲5三歩成の成り捨てを見せて動きを制限できる。
ただ、ここで例えば△3五歩ならば▲6四飛と叩き切る。
△同歩に▲6八金(E図)くらいでも手が無いし、
▲3四角△4五銀引▲同角△同銀▲5三歩成(F図)でも良いだろう。
△6九飛には▲6八金△8九飛成▲6七角で銀を拾って▲3四銀を狙う。
いつでも▲6九歩の底歩が利くのも心強い。
他には、D図で△5七銀成は▲6六銀△5六歩▲5三歩成△同銀▲5八歩(G図)や、
過激に行くなら▲6六角△5六成銀▲4四角△同歩▲6四飛△同歩▲5三歩成△2二玉
▲4三角△7一金(*)▲3四角成△6五角▲4四馬△3三歩▲4三と△6一金▲5八銀(H図)
と好調な手順が続いて居飛車の成銀が死ぬ。
(*)△5一金右は▲5二歩
前者は重いので後者が本筋と考える。
と言う訳で、屋敷流は本当ならば8筋の交換をしてから5筋で仕掛けたいはずなのだが、
振り飛車が左銀の態度を保留していた事により理想通りには行かなかった。
そこで、次は持久戦を調べて行きたい。
テーマ図1からの指し手(2)
△4四歩 ▲2七銀 △4三銀 ▲3六歩 △4二金 ▲3八金
△4五歩 ▲3七桂 △3三桂 ▲7九角 (第2図)
持久戦にはまずはガッチリと片銀冠を構築して備える。
途中、先に▲3六歩を入れる事で玉頭位取りを防ぐのも大事な手だ。
△4二金では△5二金右もあるところだが、振り飛車が玉形の整備を優先した事により
▲6六歩~▲6八銀の様な使い方が出来るのが従来との違い。
2013/6/25順位戦C級1組▲佐々木慎六段△真田圭一七段を観て
先に玉を固めたらどうかと考えたのがこのアイデアの切っ掛けでもある。
この変化は後で詳しく調べて行く。
本譜は4筋の位を取る方針を採った場合で考えて行きたい。
これには▲4五桂が当たりになるので△3三桂が必要となる為、1筋が手薄になる。
よって、地下鉄飛車が狙いとなるのだが、
単に▲1八香では△2四歩▲1五歩△同歩▲1九飛に△2三玉(I図)で受かってしまう。
そこで、▲7九角(第2図)が工夫の一手。
これで△2四歩が間に合わないので1筋が受からない仕組みだ。
ゴキゲン中飛車対丸山ワクチンの真部流がここでも活きる。
▲6八角でも同じ様に見えるが、△2四角の受けには▲8八角!(J図)を用意している。
これは次に▲2五歩が激痛だ。
以上の様に持久戦には研究の裏付けを持ってプロに試してみたのだが見事に粉砕された。
次に指導対局での進行を紹介したいと思う。
テーマ図1からの指し手(3)
△7四歩 ▲7八金 △4四歩 ▲2七銀 △4三銀 ▲3六歩
△5二金右▲3八金 △7五歩 ▲同 歩 △同 銀 (途中図)
▲3七角 △6四角 (第3図)
当初は△7四歩は大した事が無いと軽視していた。
と言うのも、▲7八金△7五歩▲同歩△同銀▲5五歩(K図)の反撃があるからだ。
だが、プロの考えは違った。
銀冠の発展を目論んで▲3六歩を突いた事により、△7五歩の仕掛けが成立していた。
つまり、途中図では▲5五歩△同歩▲同飛は△6四角(L図)で間接王手飛車が掛かってしまう訳だ。
予定変更の▲3七角に△6四角(第3図)と合わせられて参った。
▲同角△同銀は一手で7筋を交換された勘定になってしまう。
それでも、▲6六歩~▲3七角などの組み立てでまだ難しかった様だがやはり不満だと思う。
本譜は以下悪手が出て完敗だった。
この実戦を基に修正案を考えてみたので紹介したい。
テーマ図1からの指し手(4)
△7四歩 ▲7八金 △4四歩 ▲6六歩 △4三銀 ▲2七銀
△5二金右▲3八金 △2二玉 ▲3六歩 △7五歩 ▲3七角
△7六歩 ▲同 銀 △7二飛 ▲6五歩 △7六飛 ▲7七歩
△7四飛 ▲5五歩 (第4図)
早めに▲6六歩を決めるのが修正案。
形を決め過ぎな様だが、先程の▲佐々木慎六段△真田圭一七段戦の様に、
▲6六銀・▲7七桂対△6四銀・△7三桂の対抗になると、
居飛車の8筋交換を防ぐ▲8九飛が必要になりより動きにくいと思う。
途中、▲3八金に△3五歩と突くのは▲6五歩(M図)で困る。
居飛車の△2二玉を離れ駒が出来るのを待って▲3六歩を突く。
△3二金など仕掛けを見送れば▲3七桂で良いだろう。
後は▲6八銀~▲6七銀~▲7七桂で5筋の交換を狙う要領だ。
△7五歩と仕掛けてくれば▲3七角が用意の反撃。
途中気を付けるべきは、△7二飛に▲6七金は味良い活用に見えて△9二香で上手く行かない。
本譜の途中▲7七歩に△6六飛は▲6四歩△同歩▲6七銀△6五飛▲7六歩(N図)で飛車が危ない。
第4図は5筋の歩交換が8筋の転換を見た先手となり、
次に▲5四歩の垂らしで優位に進められそうだ。
まとめると、屋敷流の押さえ込みにも持久戦にも▲6六歩から対応するのが急所だ。
以上で先手中飛車対角交換△6四銀型の研究を終える。
また面白い題材を見付けたら記事にしようと思う。
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5部の将棋チェスネット2チームから参戦し、チームは6勝9敗で順位9位だった。
初日と3日目でメンバーが足りず、それぞれ全敗を喫したのが痛かった。
個人では団体戦で8勝3敗、個人戦で1勝3敗の計9勝6敗だった。
団体戦では安定して勝ち星を挙げたが、全勝の日が無く勝負弱さを露呈した。
今後大会で勝ち抜く為にも連勝を続ける力を身に付ける必要がありそうだ。
そんな勝負弱さを象徴する様な将棋がこれだ。
社団戦5日目第2局
ゴキゲン中飛車対超速【銀対抗対居飛車急戦の現状】で紹介した研究手順をそのままなぞる進行にもかかわらず、
優勢の終盤を大ポカで落としてしまった。
勝つ為に何が必要かをこれから考えて行きたいと思う。
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ところで、今日でブログ開設から1500日を迎える事が出来た。
しばらくサボっていたので実感は無いが、意外に長く続ける事が出来たのも
ツイッターなどを通じて仲良くして頂いている方やご愛読して下さる読者がいたからだと思う。
贔屓にして下さった皆様に感謝を申し上げたい。
次の節目である5年、2000日を迎えられる様に研究は続けて行きたいと思う。
さて、今回はこれまで4年間一度も扱わなかった先手中飛車について考えて行きたい。
これまで初手▲7八飛戦法を中心に組み立てて来たので、しばらく先手中飛車について考える機会が無かったが、
どうしても角交換向飛車になった際に、逆棒銀で突破するのに手数を要する事が多く成功するイメージが持てなくなった。
原点回帰で石田流と先手中飛車を中心に据えようと考え、石田流の基本―本組みと7七角型や菅井ノート 先手編を読んで学び直した。
これまでの定跡と最近のプロの実戦を洗い直すと、
先手中飛車対角交換△6四銀型で少々苦戦している様に思う。
先手中飛車を中心にする以上は避けて取れない道であるので、
何かアイデアは無いかと考えるうちに、ある変化が流用できないかと行き着いた。
今回はその変化の研究内容と、実戦を紹介したいと思う。
初手からの指し手
▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩 ▲7七角 △5四歩
▲5八飛 △6二銀 ▲4八玉 △4二玉 ▲3八玉 △3四歩
▲6八銀 △5三銀 ▲2八玉 △7七角成▲同 銀 △6四銀
▲3八銀 △3二玉 ▲5九飛 △4二銀 ▲1六歩 △1四歩(基本図)
居飛車が角交換から△6四銀で5筋の交換を阻止し、
1筋を付き合っって迎えた基本図。
ここで実戦例が最も多く研究が進んでいるのが▲7八金~▲6六銀。
以下、▲7五銀とぶつけて交換する手が高勝率を挙げていたが、
現状として△6四角(A図)に苦戦し、上手く対応する手段が見付かっていない。
菅井ノート 先手編では▲6六歩が有力と述べられているが、
個人的にはそれほど上手く行っている様には見えない。
客観的に見てアマチュアには真似し辛い手ではないかと思う。
また、この展開を避ける手段として▲9六歩という変化球も紹介されているが、
最善を尽くされるとわかりにくい持久戦になりやすいというのが個人的な感想だ。
そこで、今回は第3の手段が無いか考えてみたので検証してみたい。
基本図からの指し手
▲2六歩(テーマ図)
▲2六歩自体は部分的には良くある手で、昨年のJT杯日本シリーズでも指された。
ただ、このタイミングで指すのが作戦の肝であり、
これまでは基本図で▲7八金~▲6六銀と振り飛車が先に態度を決めて面白くなかった。
相手に指してもらって薄くなったところを狙う趣旨だ。
基本的にはこの戦型において居飛車からの仕掛けは生じないので、
銀冠に発展させて玉の堅さで作戦勝ちを狙うのは理に適っていると思う。
当初の研究では居飛車の作戦で考えられるのは次の2通りと考えていた。
(1)△3三銀~△4四銀の屋敷流
屋敷流の詳細は以下の書籍を参考にして頂きたい。
将棋世界 2012年 10月号双龍戦▲今泉健司アマ△屋敷伸之九段
将棋世界 2012年 11月号双龍戦▲戸辺誠六段△村山慈明六段
(2)△4四歩からの持久戦
まずはそれぞれへの対策を述べて行きたい。
テーマ図1からの指し手(1)
△3三銀 ▲7八金 △4四銀 ▲6六歩 △5五歩 ▲6五歩
△同 銀 ▲5五歩 △6四角 ▲6九飛 (第1図)
屋敷流には▲7八金~▲6六歩と備えるのが良いと思う。
当初の研究では、△3三銀▲2七銀△4四銀▲3八金でも良いと思っていたが。
△5五歩(B図)と動かれると中央を抑えられて不満が残りそうだ。
本譜は居飛車は初心貫徹で△5五歩と突いてくるが、
▲6五歩の突き違えで対応する。
忙しい局面なので△6四角は恐らく最善の対応で
▲6六歩では△7四銀で愚形ながら5五の歩が負担となりそうだ。
ここは▲6九飛(第1図)でどうか。
(1)△7四銀は▲6六銀(C図)の活用が可能となり、△5五銀には▲6五歩、
△8六歩▲同歩△同角は▲7五歩で痺れる。
△8六歩▲同歩△同飛が最善と考えるが、▲7七桂と活用できて不満は無い展開だと思う。
(2)△5六銀には▲5四歩(D図)と伸ばしておいてどうか。
▲5四角も考えたのだが、右金で受けてくれれば全て攻め潰せるが、△5二金左でダメなようだ。
▲5四歩(D図)はすぐに狙いがあるわけではないが、▲5三歩成の成り捨てを見せて動きを制限できる。
ただ、ここで例えば△3五歩ならば▲6四飛と叩き切る。
△同歩に▲6八金(E図)くらいでも手が無いし、
▲3四角△4五銀引▲同角△同銀▲5三歩成(F図)でも良いだろう。
△6九飛には▲6八金△8九飛成▲6七角で銀を拾って▲3四銀を狙う。
いつでも▲6九歩の底歩が利くのも心強い。
他には、D図で△5七銀成は▲6六銀△5六歩▲5三歩成△同銀▲5八歩(G図)や、
過激に行くなら▲6六角△5六成銀▲4四角△同歩▲6四飛△同歩▲5三歩成△2二玉
▲4三角△7一金(*)▲3四角成△6五角▲4四馬△3三歩▲4三と△6一金▲5八銀(H図)
と好調な手順が続いて居飛車の成銀が死ぬ。
(*)△5一金右は▲5二歩
前者は重いので後者が本筋と考える。
と言う訳で、屋敷流は本当ならば8筋の交換をしてから5筋で仕掛けたいはずなのだが、
振り飛車が左銀の態度を保留していた事により理想通りには行かなかった。
そこで、次は持久戦を調べて行きたい。
テーマ図1からの指し手(2)
△4四歩 ▲2七銀 △4三銀 ▲3六歩 △4二金 ▲3八金
△4五歩 ▲3七桂 △3三桂 ▲7九角 (第2図)
持久戦にはまずはガッチリと片銀冠を構築して備える。
途中、先に▲3六歩を入れる事で玉頭位取りを防ぐのも大事な手だ。
△4二金では△5二金右もあるところだが、振り飛車が玉形の整備を優先した事により
▲6六歩~▲6八銀の様な使い方が出来るのが従来との違い。
2013/6/25順位戦C級1組▲佐々木慎六段△真田圭一七段を観て
先に玉を固めたらどうかと考えたのがこのアイデアの切っ掛けでもある。
この変化は後で詳しく調べて行く。
本譜は4筋の位を取る方針を採った場合で考えて行きたい。
これには▲4五桂が当たりになるので△3三桂が必要となる為、1筋が手薄になる。
よって、地下鉄飛車が狙いとなるのだが、
単に▲1八香では△2四歩▲1五歩△同歩▲1九飛に△2三玉(I図)で受かってしまう。
そこで、▲7九角(第2図)が工夫の一手。
これで△2四歩が間に合わないので1筋が受からない仕組みだ。
ゴキゲン中飛車対丸山ワクチンの真部流がここでも活きる。
▲6八角でも同じ様に見えるが、△2四角の受けには▲8八角!(J図)を用意している。
これは次に▲2五歩が激痛だ。
以上の様に持久戦には研究の裏付けを持ってプロに試してみたのだが見事に粉砕された。
次に指導対局での進行を紹介したいと思う。
テーマ図1からの指し手(3)
△7四歩 ▲7八金 △4四歩 ▲2七銀 △4三銀 ▲3六歩
△5二金右▲3八金 △7五歩 ▲同 歩 △同 銀 (途中図)
▲3七角 △6四角 (第3図)
当初は△7四歩は大した事が無いと軽視していた。
と言うのも、▲7八金△7五歩▲同歩△同銀▲5五歩(K図)の反撃があるからだ。
だが、プロの考えは違った。
銀冠の発展を目論んで▲3六歩を突いた事により、△7五歩の仕掛けが成立していた。
つまり、途中図では▲5五歩△同歩▲同飛は△6四角(L図)で間接王手飛車が掛かってしまう訳だ。
予定変更の▲3七角に△6四角(第3図)と合わせられて参った。
▲同角△同銀は一手で7筋を交換された勘定になってしまう。
それでも、▲6六歩~▲3七角などの組み立てでまだ難しかった様だがやはり不満だと思う。
本譜は以下悪手が出て完敗だった。
この実戦を基に修正案を考えてみたので紹介したい。
テーマ図1からの指し手(4)
△7四歩 ▲7八金 △4四歩 ▲6六歩 △4三銀 ▲2七銀
△5二金右▲3八金 △2二玉 ▲3六歩 △7五歩 ▲3七角
△7六歩 ▲同 銀 △7二飛 ▲6五歩 △7六飛 ▲7七歩
△7四飛 ▲5五歩 (第4図)
早めに▲6六歩を決めるのが修正案。
形を決め過ぎな様だが、先程の▲佐々木慎六段△真田圭一七段戦の様に、
▲6六銀・▲7七桂対△6四銀・△7三桂の対抗になると、
居飛車の8筋交換を防ぐ▲8九飛が必要になりより動きにくいと思う。
途中、▲3八金に△3五歩と突くのは▲6五歩(M図)で困る。
居飛車の△2二玉を離れ駒が出来るのを待って▲3六歩を突く。
△3二金など仕掛けを見送れば▲3七桂で良いだろう。
後は▲6八銀~▲6七銀~▲7七桂で5筋の交換を狙う要領だ。
△7五歩と仕掛けてくれば▲3七角が用意の反撃。
途中気を付けるべきは、△7二飛に▲6七金は味良い活用に見えて△9二香で上手く行かない。
本譜の途中▲7七歩に△6六飛は▲6四歩△同歩▲6七銀△6五飛▲7六歩(N図)で飛車が危ない。
第4図は5筋の歩交換が8筋の転換を見た先手となり、
次に▲5四歩の垂らしで優位に進められそうだ。
まとめると、屋敷流の押さえ込みにも持久戦にも▲6六歩から対応するのが急所だ。
以上で先手中飛車対角交換△6四銀型の研究を終える。
また面白い題材を見付けたら記事にしようと思う。
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↓私も自宅・外出先で使っています。^-^
この形は実戦で現れやすいので、先手中飛車を指す人にとっては対策が必要だと思っています。
プロの実戦では、▲7五銀とぶつけて銀交換する手順がよく指されているようですが、その後の指し方が難しく、中飛車側をもって私はあまり自信がないです。
ここに書かれてある指し方は、中飛車側の有力な指し方だと思います。
本当に勉強になりました。
ありがとうございます。
亀レス申し訳ございません。
▲7五銀は現状プロでも指されていないので
有力とは思われていないのでしょう。
この記事が参考になったようで私もうれしいです。