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ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

ゴキゲン中飛車▲5八金右超急戦【▲1一龍△7二玉▲2三角】

2009年11月14日 20時08分04秒 | ▲5八金右超急戦
皆様は三国志をご存知でしょうか?

私は基本図を見て定軍山の戦いを連想してしまいます。

そう、天王山に布陣した▲5五桂が定軍山に構える猪将軍夏侯淵に見えるのです。



基本図からの進行は、▲1一龍△5四歩(参考図)が流行しましたが、
△5四歩は最善手ではないと私は思っています。
この手は▲6三桂成△同玉▲9六角(参考図2)の羽生新手で難しい戦いになります。
なお、この将棋はマイコミ将棋BOOKS アマの知らない最新定跡で詳しく解説されています。




他にも、▲1一龍には△9九馬とする変化もありますが、
この戦型は後手が△7二玉として徹底的に受けてに回れば相当手厚いと思います。
そうして馬で桂香をゆっくり拾える展開に持ち込むのが得策だと私は考えます。
では、早速△7二玉をめぐる戦いを見ていきましょう。

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基本図からの指し手①
▲1一龍△7二玉▲2三角(テーマ図7)



◇玉頭狙いの▲2三角
先手は▲1一龍は香車を取って手渡し、対して後手も△7二玉と玉を深く囲って手渡し。
超急戦の様な激しい戦いでも、一度緩めることも大切です。
▲2三角は単なる金取りの為に打ったのではなく、将来的に4三・6三を狙いにした手です。
どう対処すればいいのか見ていきましょう。

テーマ図7からの指し手
△5一金右▲3四角成△5四銀▲6六香△6二銀▲2四歩△2二歩▲1三龍
△3二金(第1図)



◇後手完封模様

長手数進めましたが、基本は玉頭をしっかり守る事。
なお、▲6六香と▲3四角成は手順前後しても同じように進めて問題ありません。
基本図から△9九馬と進めた将棋の参考図3と比較して下さい。
△7二玉と△6二銀が反対になっただけで大分安全なのがわかると思います。
第1図は先手に攻めの手掛かりがないのがわかると思います。
以降はどう指しても1局なので、続く変化は下に掲載した参考棋譜を参照して下さい。



参考棋譜

▲石井豊-△今泉健司

棋譜でーたべーす

最強 東大将棋 デラックス四段-△私

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲2五歩 △5二飛
▲5八金右 △5五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △5六歩
▲同 歩 △8八角成 ▲同 銀 △3三角 ▲2一飛成 △8八角成
▲5五桂 △6二玉 ▲1一龍 △7二玉 ▲2三角 △5一金右
▲3四角成 △5四銀 ▲6六香 △6二銀 ▲2四歩 △2二歩
▲1三龍 △3二金 ▲6三桂成 △同銀引 ▲4五馬 △7一桂
▲5五歩 △9九馬 ▲7九金 △2五香 ▲3八銀 △2八香成
▲4九銀 △1九成香 ▲3八銀 △2五香 ▲5四歩 △2八香成
▲4九銀 △2九成香寄▲6三香成 △同 桂 ▲6九玉 △3九成香寄
▲6四銀 △6一桂 ▲6三銀成 △同 銀 ▲6四桂 △6二玉
▲5二桂成 △同 金 ▲4八銀 △4九成香 ▲3五馬 △4四桂
▲5七銀 △8八香 ▲5三歩成 △同 金 ▲6八金上 △8九香成
▲6六歩 △8八馬 ▲6七金右 △7九成香 ▲5八玉 △3八成香
▲4六馬 △7八成香 ▲6五歩 △6八成香 ▲同 金 △5四桂
▲8二飛 △7二銀打 ▲7七香 △8九馬 ▲6七金 △7九馬
▲6八金 △6六歩 ▲同 銀 △5六金 ▲同 馬 △同 桂
▲6九金打 △6八桂成 ▲同 金 △6六桂 ▲5七玉 △5五銀
▲5六歩 △6八馬 ▲同 玉 △7九角

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次回は、基本図から▲1一龍△7二玉▲7五角の将棋を研究します。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (阪田大吉)
2010-09-09 23:48:25
△5四歩は確か佐藤九段が最初に指した手で、プロなら普通に捨てる手を佐藤九段が指したということで話題になり、将棋倶楽部24の有名な高段者も時々指していたのを覚えています。

超急戦の出始めの頃、基本図から▲1一竜△9九馬▲6六香△5四銀と進んだ後に▲2三角という変化がありましたが、基本図から▲1一竜に△7二玉として、2三角を打たされるのが凌ぎの呼吸ですね?知らないと指せないです。いい勉強になりました。またお邪魔します^^
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コメントありがとう^-^ (mmusculus (管理人))
2010-09-10 21:17:14
阪田大吉さん、コメントありがとうございます。^-^

☖5四歩は米長会長が偉大なる悪手と
評した事で有名ですね。
しかし、現状は羽生新手で苦しいと見られています。

さて、☗1一龍☖7二玉☗2三角の変化は
阪田さんご指摘の手順と比べて☖9九馬を
指していないので、
☖6二銀と受ける事ができるのが長所です。
つまり、この変化に合流する場合、
☖9九馬は不急の一手と言う事になります。
これも私が☖7二玉を本筋とみる理由です。

ただ、後の記事にて述べている☗7五角に☖6四銀は、
現状後手が良くなる変化が見つかっておらず
研究課題となっています。
これも機会があれば触れたいと思います。
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