私事ではありますが、風邪を引いてしまいました。^^;
風邪とは言っても、どうも黄砂が原因のアレルギーな気がします。
王将戦が終了し、見事久保二冠が誕生、しかも超急戦に勝利しての奪取だったので、
タイムリーな時期に更新したかったのですが叶いませんでした。
少し乗り遅れましたが、今回は王将戦第6局で登場した超急戦の変化について
触れたいと思います。
脱線しますが、王将戦と現在進行中の棋王戦の戦型を整理してみましょう。
【王将戦】
第1局 石田流vs居飛車早仕掛け ▲久保勝ち
第2局 ゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦・超速攻 ▲羽生勝ち
第3局 相振り飛車 先手三間vs後手向かい飛車 ▲久保勝ち
第4局 ゴキゲン中飛車vs丸山ワクチン △久保勝ち
第5局 石田流vs居飛車銀冠 △羽生勝ち
第6局 ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦 △久保勝ち
【棋王戦】
第1局 石田流vs居飛車角交換型力戦 △佐藤(康)勝ち
第2局 ゴキゲン中飛車vs丸山ワクチン △久保勝ち
第3局 石田流急戦 △佐藤(康)勝ち
第4局 ゴキゲン中飛車vs▲7八金型持久戦 △久保勝ち
第5局 ???
石田流が1勝3敗に対し、
ゴキゲン中飛車はなんと4勝1敗(!)
こうなると、久保二冠としては棋王戦最終局の振り駒で後手番が欲しくなりますね。^^
それにしても、近年のタイトル戦は後手が良く勝つイメージがありますね。
やはりゴキゲン中飛車は偉大ですね。^-^
**********************************************************************
前置きはこれくらいにして、プロ棋界の▲5八金右超急戦で
最もメジャーなのが△9九馬と香を取るテーマ図24ですね。
私は独自の定跡を作り上げたいのでテーマ図24は指しませんが、
この定跡の変化を知りたい人は多いではないでしょうか?
今回はプロの最前線を探ってみようと思いますが、
その前に予備知識として知って欲しい変化があります。
これは対応を誤れば一気に負けになるハメ手です。
テーマ図24を指すのであれば知っておく必要があるでしょう。
テーマ図24からの指し手①
▲6六香△5四銀▲1三龍△4二銀▲6三桂成△同銀▲4四角!(途中図)
△5一玉▲7一角成△同金▲6三香成△5六飛▲5七歩△5四飛▲8二銀!(第1図)
◇馬の素抜きにご用心
これは一時期2ちゃんねるで話題になった変化です。
GPS新手と騒がれましたが、2ちゃんねるが先です。
私と相互リンクパートナーのきーさんもかくりにっきでこの変化を研究されています。
詳しく研究されているので、途中の細かい変化はそちらを参照されると良いでしょう。
途中図の▲4四角が驚愕の一手で、対応を誤れば即詰みまであります。
つまり、△4四同歩は▲6三龍△5一玉▲6一龍(A図)まで。
自陣の金銀が見事に壁になって詰んでいます。
代わって△7二玉は▲6三香成△同玉▲9九角(B図)で馬を素抜かれて敗勢。望みなしです。
ここは△5一玉と逃げるのが最善で、以下第1図までは変化の余地なしでしょう。
最後の▲8二銀は取ると△6二銀の一手詰めとなっています。
ここは桂香を取られて気分が悪いものの△6二金とぶつけて以下難解でしょう。
これでも後手としては戦えるものの、玉が裸で心許ないですよね。
そこで、途中図に至る手順の△4二銀で△4二金(C図)はどうでしょうか。
以下、同様の変化を辿って△5四飛(D図)まで進んでみると、最後の▲8二銀は無効になります。
つまり、4一に玉が逃げる空間があるという訳です。
ただし、C図では左銀が浮いているので、再度▲1一龍と潜り込む手が生じます。
以下、△5一飛▲1三角△3二銀▲3一角成△4一香(E図)で抑えられると見ますが注意が必要です。*
*2010.10.2追記 ▲1一龍には△4一金と戻るのが最善で、△5一飛だと▲1八角で適当な受けがありません。
これらは本筋では無いものの、対応を誤れば一気に負けになるので、
テーマ図24の△9九馬を主軸とするなら必修です。
では、予備知識はここまでに留め、早速テーマ図22の最前線を探りましょう。
テーマ図24からの指し手②
▲3三角△4四銀▲同角成△同歩▲6六香△7二銀▲8二銀(第2図)
△2七角▲9一銀成△5三香(第3図)
◇▲5五桂の価値
▲3三角には、次に▲6三桂成~▲8八角成の素抜きがあるので△4四銀は絶対です。
▲同角成~▲6六香~▲8二銀は効率が悪く損しているようですが、
▲1三龍としたときに龍の利きが6三へ直射するのが真の狙いです。
また、歩が4四へ進む事で馬の利きも止まっています。
第2図では、豊島新手の△5七歩▲同歩△2四角(F図)もあり、
私の把握している範囲では後手の2勝1敗となっていますが、
どうも決定打とは至っていないようです。
その内の1敗である第66期A級順位戦▲羽生喜治二冠vs△久保利明八段戦(当時)
が影響しているのでしょう。
脱線するので簡易的に済ませますが、
F図から▲4六歩△8九馬▲4八銀(G図)がしっかりした手です。
△5一桂(▲8一銀不成の受け)▲9一銀成△5三香▲8一成銀△5五香▲同歩
△8一銀▲5四香(H図)が歩切れで、まともな受けがありません。
もちろん途中に変化の余地はあるでしょうが、トップ同士の対局と言う事で
与えた影響は大きいでしょう。
そこで、現在の主流は久保新手△2七角へ移っており、▲9一銀成に以前は
△8九馬▲8一成銀△5七歩(I図)が主流でしたが、▲5五桂の存在が大きく
後手が苦戦していました。
現在は、第3図の△5三香が目障りな桂馬を消す好手として発見されて、
後手が良く勝っている印象です。
以前、超急戦の記事を書いた時に▲5五桂を定軍山に構える夏候淵に例えた事がありましたね。
桂馬だと価値が低く思えてしまいますが、猛将に大将首を狙われていると考えると、
一刻も早く取り除かなければと思えてきませんか?
第3図からは2通りの実践例があり、①▲4三桂成と②▲8一成銀があります。
まずは、①▲4三桂成から見ていきましょう。
第3図からの指し手①
▲4三桂成△8九馬▲5二成桂△同金右▲2一飛△5七歩▲2七飛成△5八歩成▲同金
△5六香▲5七歩△同香成▲同金△4五桂▲5八香△5七桂成▲同香△6七馬▲5二香成
△同金(第4図)
◇飛車取りにもお構いなし
▲4三桂成は飛車取りですが、構わず△8九馬が肝心です。
この将棋は後手の飛車よりも5五桂の価値が非常に高いのです。
そっぽに成ってくれた事に満足しましょう。
▲2一飛も角取りと二枚換えを狙った手ですが、「両取り逃げるべからず」で△5七歩が正解。
二枚換えを選べば先手玉の脅威は取り除けませんし、
本譜▲2七飛成も先手玉の逃げ道を塞いでおり、攻めも遅れています。
かと言って、▲5七同金は△4五桂で攻めを加速させてしまうので論外でしょう。
第4図の局面は実戦例が2つあり、王座戦▲井上慶太八段vs山崎隆之七段戦では
▲4八玉△6六馬▲5七歩△5六歩▲1三竜△5七歩成▲3八玉△4七と▲同玉
△6五馬▲5六歩△4六香(J図)以下後手が寄せ切った様です。
また、今期A級順位戦▲谷川浩司九段vs△藤井猛九段戦は
▲5四桂△5三玉▲1三龍△4三香▲7一角△6二桂(K図)で不詰め。
以下、自玉に手を入れて手を稼いだものの、後手が絶妙の△7四歩(L図)で逃げ切っています。
第3図から①▲4三桂成は現状後手に分がある戦いです。
第3図からの指し手②
▲8一成銀△5五香▲同歩(第5図)△8一銀▲6五香打△7一玉▲6三香成△6六馬
▲5二成香△同金右▲6六歩△5六香▲5七香(第6図)
◇こちらは未だ難解
▲8一成銀と進めば△5五香と桂を払います。これで当面の脅威は無くなったかに思えます。
▲5五同歩とした第5図では、第67期C級2組順位戦▲長岡裕也四段vs△横山泰明五段戦の
△同飛とした実戦例もありますが、これは疑問手だったようです。
▲5六歩(M図)から飛車を追われ後手の苦労する将棋となりました。
△8一銀が今期王将戦で初めて指された手ですが、
水面下で多くの棋士にこの変化は研究されていたようです。
途中、△6六馬▲5二成香に△3九馬が久保棋王の予定だったようですが、
▲6一成香△8二玉(△同玉は▲6五香△6三歩▲5三桂△7二玉▲6一飛(N図))
▲3一龍△同金▲7一銀△9一玉▲9二香△同玉▲8二飛△9一玉▲8一飛成△同角成
▲8二銀打△同馬▲同銀成△同玉▲7一角(O図)で詰んでしまう為、
予定変更で△5二同金右としたそうです。
予定変更とは言え、5二金・4一金・3一銀の陣形はとてもしっかりしているので、この進行は最善だと私は思います。
以前、私が八陣図と呼んだ構えにも似ていますね。
第6図で久保棋王は△4五桂とした為、▲5六香と払われて攻めが細くなったのですが、
ここは△5七同香成▲同金△5六歩(P図)が有力だった様です。
以下は週間将棋に乗っていた抜粋ですが、
①▲5六同金は△6四桂▲2三飛△5六桂▲2七飛成△5七銀▲5八金△4八香!(Q図)
▲同銀△6八金▲同金△同桂成▲4九玉△5八成桂▲3八玉△4八成桂▲2八玉△3九銀
▲1八玉△2八金▲同龍△同銀成▲同玉△2六香(R図)できっちり詰んでいます。
②▲6七金は難解で、△5七桂もありそうですが△4五桂▲5六金
(▲6五香は△5七桂成が角筋を通して自玉に詰みなし。(S図))
△6七銀▲6三桂△同金▲4三飛△5二金▲3一飛成△5一香(T図)は後手有望。
▲6三桂で▲6五香は△5七香▲4八玉△5六銀不成(U図)でこれも後手有望だったようです。
今後はプロの実戦でもP図をめぐる攻防が展開されると予想して
締めの言葉とさせて頂きます。
次回は、前回の続きで▲3七銀急戦超速攻対策2です。
上図からの持久戦を紹介します。
↓ゴキゲン中飛車布教の為に1クリックお願い致します。^-^
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風邪とは言っても、どうも黄砂が原因のアレルギーな気がします。
王将戦が終了し、見事久保二冠が誕生、しかも超急戦に勝利しての奪取だったので、
タイムリーな時期に更新したかったのですが叶いませんでした。
少し乗り遅れましたが、今回は王将戦第6局で登場した超急戦の変化について
触れたいと思います。
脱線しますが、王将戦と現在進行中の棋王戦の戦型を整理してみましょう。
【王将戦】
第1局 石田流vs居飛車早仕掛け ▲久保勝ち
第2局 ゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦・超速攻 ▲羽生勝ち
第3局 相振り飛車 先手三間vs後手向かい飛車 ▲久保勝ち
第4局 ゴキゲン中飛車vs丸山ワクチン △久保勝ち
第5局 石田流vs居飛車銀冠 △羽生勝ち
第6局 ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦 △久保勝ち
【棋王戦】
第1局 石田流vs居飛車角交換型力戦 △佐藤(康)勝ち
第2局 ゴキゲン中飛車vs丸山ワクチン △久保勝ち
第3局 石田流急戦 △佐藤(康)勝ち
第4局 ゴキゲン中飛車vs▲7八金型持久戦 △久保勝ち
第5局 ???
石田流が1勝3敗に対し、
ゴキゲン中飛車はなんと4勝1敗(!)
こうなると、久保二冠としては棋王戦最終局の振り駒で後手番が欲しくなりますね。^^
それにしても、近年のタイトル戦は後手が良く勝つイメージがありますね。
やはりゴキゲン中飛車は偉大ですね。^-^
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前置きはこれくらいにして、プロ棋界の▲5八金右超急戦で
最もメジャーなのが△9九馬と香を取るテーマ図24ですね。
私は独自の定跡を作り上げたいのでテーマ図24は指しませんが、
この定跡の変化を知りたい人は多いではないでしょうか?
今回はプロの最前線を探ってみようと思いますが、
その前に予備知識として知って欲しい変化があります。
これは対応を誤れば一気に負けになるハメ手です。
テーマ図24を指すのであれば知っておく必要があるでしょう。
テーマ図24からの指し手①
▲6六香△5四銀▲1三龍△4二銀▲6三桂成△同銀▲4四角!(途中図)
△5一玉▲7一角成△同金▲6三香成△5六飛▲5七歩△5四飛▲8二銀!(第1図)
◇馬の素抜きにご用心
これは一時期2ちゃんねるで話題になった変化です。
GPS新手と騒がれましたが、2ちゃんねるが先です。
私と相互リンクパートナーのきーさんもかくりにっきでこの変化を研究されています。
詳しく研究されているので、途中の細かい変化はそちらを参照されると良いでしょう。
途中図の▲4四角が驚愕の一手で、対応を誤れば即詰みまであります。
つまり、△4四同歩は▲6三龍△5一玉▲6一龍(A図)まで。
自陣の金銀が見事に壁になって詰んでいます。
代わって△7二玉は▲6三香成△同玉▲9九角(B図)で馬を素抜かれて敗勢。望みなしです。
ここは△5一玉と逃げるのが最善で、以下第1図までは変化の余地なしでしょう。
最後の▲8二銀は取ると△6二銀の一手詰めとなっています。
ここは桂香を取られて気分が悪いものの△6二金とぶつけて以下難解でしょう。
これでも後手としては戦えるものの、玉が裸で心許ないですよね。
そこで、途中図に至る手順の△4二銀で△4二金(C図)はどうでしょうか。
以下、同様の変化を辿って△5四飛(D図)まで進んでみると、最後の▲8二銀は無効になります。
つまり、4一に玉が逃げる空間があるという訳です。
ただし、C図では左銀が浮いているので、再度▲1一龍と潜り込む手が生じます。
以下、△5一飛▲1三角△3二銀▲3一角成△4一香(E図)で抑えられると見ますが注意が必要です。*
*2010.10.2追記 ▲1一龍には△4一金と戻るのが最善で、△5一飛だと▲1八角で適当な受けがありません。
これらは本筋では無いものの、対応を誤れば一気に負けになるので、
テーマ図24の△9九馬を主軸とするなら必修です。
では、予備知識はここまでに留め、早速テーマ図22の最前線を探りましょう。
テーマ図24からの指し手②
▲3三角△4四銀▲同角成△同歩▲6六香△7二銀▲8二銀(第2図)
△2七角▲9一銀成△5三香(第3図)
◇▲5五桂の価値
▲3三角には、次に▲6三桂成~▲8八角成の素抜きがあるので△4四銀は絶対です。
▲同角成~▲6六香~▲8二銀は効率が悪く損しているようですが、
▲1三龍としたときに龍の利きが6三へ直射するのが真の狙いです。
また、歩が4四へ進む事で馬の利きも止まっています。
第2図では、豊島新手の△5七歩▲同歩△2四角(F図)もあり、
私の把握している範囲では後手の2勝1敗となっていますが、
どうも決定打とは至っていないようです。
その内の1敗である第66期A級順位戦▲羽生喜治二冠vs△久保利明八段戦(当時)
が影響しているのでしょう。
脱線するので簡易的に済ませますが、
F図から▲4六歩△8九馬▲4八銀(G図)がしっかりした手です。
△5一桂(▲8一銀不成の受け)▲9一銀成△5三香▲8一成銀△5五香▲同歩
△8一銀▲5四香(H図)が歩切れで、まともな受けがありません。
もちろん途中に変化の余地はあるでしょうが、トップ同士の対局と言う事で
与えた影響は大きいでしょう。
そこで、現在の主流は久保新手△2七角へ移っており、▲9一銀成に以前は
△8九馬▲8一成銀△5七歩(I図)が主流でしたが、▲5五桂の存在が大きく
後手が苦戦していました。
現在は、第3図の△5三香が目障りな桂馬を消す好手として発見されて、
後手が良く勝っている印象です。
以前、超急戦の記事を書いた時に▲5五桂を定軍山に構える夏候淵に例えた事がありましたね。
桂馬だと価値が低く思えてしまいますが、猛将に大将首を狙われていると考えると、
一刻も早く取り除かなければと思えてきませんか?
第3図からは2通りの実践例があり、①▲4三桂成と②▲8一成銀があります。
まずは、①▲4三桂成から見ていきましょう。
第3図からの指し手①
▲4三桂成△8九馬▲5二成桂△同金右▲2一飛△5七歩▲2七飛成△5八歩成▲同金
△5六香▲5七歩△同香成▲同金△4五桂▲5八香△5七桂成▲同香△6七馬▲5二香成
△同金(第4図)
◇飛車取りにもお構いなし
▲4三桂成は飛車取りですが、構わず△8九馬が肝心です。
この将棋は後手の飛車よりも5五桂の価値が非常に高いのです。
そっぽに成ってくれた事に満足しましょう。
▲2一飛も角取りと二枚換えを狙った手ですが、「両取り逃げるべからず」で△5七歩が正解。
二枚換えを選べば先手玉の脅威は取り除けませんし、
本譜▲2七飛成も先手玉の逃げ道を塞いでおり、攻めも遅れています。
かと言って、▲5七同金は△4五桂で攻めを加速させてしまうので論外でしょう。
第4図の局面は実戦例が2つあり、王座戦▲井上慶太八段vs山崎隆之七段戦では
▲4八玉△6六馬▲5七歩△5六歩▲1三竜△5七歩成▲3八玉△4七と▲同玉
△6五馬▲5六歩△4六香(J図)以下後手が寄せ切った様です。
また、今期A級順位戦▲谷川浩司九段vs△藤井猛九段戦は
▲5四桂△5三玉▲1三龍△4三香▲7一角△6二桂(K図)で不詰め。
以下、自玉に手を入れて手を稼いだものの、後手が絶妙の△7四歩(L図)で逃げ切っています。
第3図から①▲4三桂成は現状後手に分がある戦いです。
第3図からの指し手②
▲8一成銀△5五香▲同歩(第5図)△8一銀▲6五香打△7一玉▲6三香成△6六馬
▲5二成香△同金右▲6六歩△5六香▲5七香(第6図)
◇こちらは未だ難解
▲8一成銀と進めば△5五香と桂を払います。これで当面の脅威は無くなったかに思えます。
▲5五同歩とした第5図では、第67期C級2組順位戦▲長岡裕也四段vs△横山泰明五段戦の
△同飛とした実戦例もありますが、これは疑問手だったようです。
▲5六歩(M図)から飛車を追われ後手の苦労する将棋となりました。
△8一銀が今期王将戦で初めて指された手ですが、
水面下で多くの棋士にこの変化は研究されていたようです。
途中、△6六馬▲5二成香に△3九馬が久保棋王の予定だったようですが、
▲6一成香△8二玉(△同玉は▲6五香△6三歩▲5三桂△7二玉▲6一飛(N図))
▲3一龍△同金▲7一銀△9一玉▲9二香△同玉▲8二飛△9一玉▲8一飛成△同角成
▲8二銀打△同馬▲同銀成△同玉▲7一角(O図)で詰んでしまう為、
予定変更で△5二同金右としたそうです。
予定変更とは言え、5二金・4一金・3一銀の陣形はとてもしっかりしているので、この進行は最善だと私は思います。
以前、私が八陣図と呼んだ構えにも似ていますね。
第6図で久保棋王は△4五桂とした為、▲5六香と払われて攻めが細くなったのですが、
ここは△5七同香成▲同金△5六歩(P図)が有力だった様です。
以下は週間将棋に乗っていた抜粋ですが、
①▲5六同金は△6四桂▲2三飛△5六桂▲2七飛成△5七銀▲5八金△4八香!(Q図)
▲同銀△6八金▲同金△同桂成▲4九玉△5八成桂▲3八玉△4八成桂▲2八玉△3九銀
▲1八玉△2八金▲同龍△同銀成▲同玉△2六香(R図)できっちり詰んでいます。
②▲6七金は難解で、△5七桂もありそうですが△4五桂▲5六金
(▲6五香は△5七桂成が角筋を通して自玉に詰みなし。(S図))
△6七銀▲6三桂△同金▲4三飛△5二金▲3一飛成△5一香(T図)は後手有望。
▲6三桂で▲6五香は△5七香▲4八玉△5六銀不成(U図)でこれも後手有望だったようです。
今後はプロの実戦でもP図をめぐる攻防が展開されると予想して
締めの言葉とさせて頂きます。
次回は、前回の続きで▲3七銀急戦超速攻対策2です。
上図からの持久戦を紹介します。
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良かったら教えていただければ幸いです
コメントありがとうございます。
仰います様に、☖4二金☗1一龍に☖5一飛では
☗1八角と打たれますと痺れてしまいます。
これは以前、他の方にも指摘されていましたが
こちらの記事を修正するのを失念しておりました。^^;
正しくは、再度☖4一金と引いて千日手模様に
進めるのがC図における最善です。
千日手が面白くないようであれば、途中図から第1図に
至る手順中の☖5六飛を☖9二飛にして耐える事に
なりますし、受け切る自信がなければ千日手を
目指すのが良いと思います。
最近鈴木大介先生の相振りやパワー中飛車の先手用の本を購入しまして中飛車中心に指しています、ただごきけん中飛車は後手番でじっくりとした長い将棋がないので、やはり序盤と急戦対策が出来ないと苦しいですね後は微妙に形を変えられたり。。一回は2枚銀で、44歩を突いた為55歩が受からなくなり77銀から攻略されてしまいました、勉強不足です。 あと棋譜表示になりますが、ちょっとごきけんで展開を聞きたい局面があるんですがコメントに載せて大丈夫ですかね?
私の研究が甘く、ご迷惑をお掛けした様で申し訳ないです。><;
先手中飛車は、相振りになった時に飛車を浮いたり、
振り直したりで手損してしまうのが積極的ではない為、
私は最近指していませんが、優秀な戦法ですよね。
ゴキゲン中飛車の場合、後手番の宿命で1手遅れ、
5筋の位を取るのに2手掛かるので、急戦策に対して
手が遅れるのは仕方ないと考えた方が良いでしょう。
コツは無理に左銀を繰り出して対抗するよりは、囲いを
安定させる事に重きを置くと良いでしょう。
5筋の位は負担になる前に交換する。
近藤六段に言わせれば居飛車の飛車先の歩と
同じだそうです。
二枚銀急戦では、最近出た遠山流中飛車急戦ガイドや、
鈴木大介の将棋・中飛車編がとてもわかりやすく
書いてあるのでおススメです。
棋譜ですが、コメント欄に何文字まで入るかわかりませんが、
わかる範囲でお答えできればと思います。
76歩54歩26歩34歩48銀52飛68玉55歩78玉62玉58金右72玉68銀33角25歩42銀36歩53銀37銀54銀46銀65銀35歩同歩同銀56歩同歩88角成同玉56銀に77角です。これで本ではこの手はなく、王手飛車の筋で必勝か先手優勢で打ちきられてます。実戦は57歩以下39角で無理に攻めにいった為に悪くなりました
▲7七角には△5七歩と打ちます。
ここで逃げ方が2通り考えられます。
①▲4八金△3九角▲3八飛△4八角成▲同飛
△4七銀成▲同飛△5八歩成で十分でしょう。
恐らく△4七銀成を知らなかったのではないでしょうか。
②▲5九金引には△3三歩とガッチリ受けて
あとは攻めるだけです。