丸々2か月ぶりの更新になりますね。^^;
ゴキゲン中飛車超急戦大全(仮)の制作状況ですが、現在停滞気味です。
と言うのも、最近は仕事でトラブルが多く、余計な仕事が増えて気力を使い切っている事が
大きいです。
ようやく全てのトラブルが解決したので、また製作を再開したいと思っています。
そして、気になるであろう、これまでの制作状況を報告します。
現在書き終えた内容は…、
・超急戦回避策
・超急戦における先手玉の寄せ方
超急戦回避策は、鈴木大介八段が著書で推奨している☖9四歩から9筋の歩を突き越す
指し方や、☖6二玉から向かい飛車にする指し方が何故悪いかを示しました。
この項目はかなりうまくまとめられたと自負しています。^-^
また、最近新たな回避策を思いついたので、提案として追記したいと思います。
超急戦の寄せは、桂香の飛び道具と馬を中心としたものが多く、他の戦型に比べ特殊な
部類にあると思います。
実戦に出現しそうな数種類の想定局面を用意し、それぞれの寄せ方を示しました。
これから超急戦の後手を持とうと思っている方には良い教材となるでしょう。
そして、厄介なのが対☗3三角型で、これの結論が未だに出せていません。
プロが指さないので先手が悪いのかと思っていたら案外そうでもなく、
むしろ後手が悪い変化が多くて大分困りました。^^;
現在代替手を検討中で、あと対☗2三角型をまとめたら、一度上巻として出版しようかと
考えています。
今しばらくお待ち頂きます様、お願い申し上げます。^^
**********************************************************************
さて、ここしばらくの間にゴキゲン中飛車超急戦も数局出現し、動きがありました。
以前、ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦【プロ棋界の最前線を探る旅】という記事で
解説した現在主流の第2図から第3図の将棋(☗1一龍☖9九馬型)。
この進行の中で多くの新手が飛び出しました。
その流れを時系列を追って見ていきたいと思います。
第3図からの指し手
☗8一成銀☖5五香☗同歩☖8一銀☗☖6五香打(第4図)
◇ここをどう凌ぐか
第4図は2010.3.16の王将戦第6局☗羽生善治王将☖久保利明棋王(共に当時)で
初めてお目見えした局面です。
ここから☖7一玉として久保利明棋王が勝ち奪取に成功しましたが、その後の研究では
後手が悪いと結論付けられており、後手に新対策が必要となっていました。
そして迎えた2010.6.1の王位戦挑戦者リーグ白組プレーオフ☗羽生善治名人☖戸辺誠六段戦。
戦型は戸辺誠六段のゴキゲン中飛車に対し、羽生善治名人は超急戦応戦しました。
王将を奪取された超急戦を採用したのですから、羽生善治名人も自信があったのでしょう。
ここは、戸辺誠六段がどこで手を変えるかに注目が集まりました。
第4図からの指し手①
☖7四銀☗1三龍☖5一桂☗5七香☖2二銀☗1五龍(途中図)☖8九馬☗5四歩☖同角成
☗同香☖同飛(第5図)
◇戸辺新手☖7四銀
戸辺誠六段は☖7四銀と、新手を出して応戦しました。
以下、☗5七香と打たれて見ると☗5四歩~☗5三歩成がとても厳しい攻めで
後手は苦しい展開です。
☖2二銀と龍の利きを逸らしましたが、これも玉頭攻めに使われてしまいます。
本譜☗5四歩に☖同角成と応じたところでは☖同飛も考えられ、
☗同香☖同角成☗4六桂☖6五馬(A図)(中継解説は☖3二馬)はどうだろうか。
以下、☗同香☖同銀☗同龍☖6四香となれば後手もやれそう。
しかし、先手には☗5四歩のところで☗2六龍(B図)と変化する手段があり、
仮に☖4五角成☗4六歩☖5五馬☗同香☖同飛☗2二龍(C図)は王手の先手。
現状、戸辺新手☖7四銀は厳しい情勢となっています。
そして、間も開けずに2010.6.4の順位戦B級1組☗豊川孝弘七段☖杉本昌隆七段戦。
第4図の局面が出現しました。
第4図からの指し手②
☖5一桂☗7五桂☖7四銀☗5七香☖7二銀☗1三龍☖2二銀☗1五龍(第6図)
◇杉本新手☖5一桂
さて、第6図はどこかで見た事のある様な局面ですね。
そう、第5図に至る途中図に☗7五桂と☖7二銀の交換が入った計算です。
これは、先程の様に☖8九馬と進めた時に、
①☗5四歩は☖同飛☗同香☖同角成(D図)で☗4六桂が打てない。
②☗2六龍は☖4五角成☗4六歩☖3五馬☗同龍☖同歩(E図)で、
玉頭がノンプレッシャーなので、☖7七桂☗6八金上☖7九飛と言った攻めが早い。
実戦は第6図で☖6五銀として悪くなりましたが、後手良しだった様です。
☗7五桂と☖7二銀の交換だけで評価が一変するので恐ろしいものです。
しかし、杉本新手☖5一桂には☗3三桂と打つ変化があり、以下一例ですが、
☖3二金☗4一桂成☖2二銀☗5一成桂(F図)や、
☖3二金☗2一桂成(G図)と言った進行が予想されます。
どちらも難解な変化が予想されますが、F図は☖5一同飛☗同龍☖同玉でどうか。
G図は☖4二銀☗2二成桂☖同金☗同龍☖6六馬☗同歩☖5六香(H図)。
☗2七龍は☖5七歩☗4八金☖3五桂☗3八龍☖5五飛が厳しく取りきれないでしょう。
ここまで見て来た戸辺新手☖7四銀、杉本新手☖5一桂は共に後手に面白い変化では
無かったかと思います。
しかし、9日後の2010.6.15 順位戦C級1組☗岡崎洋六段☖遠山雄亮四段戦にて、
この戦型において現状最善と思われる新手が出ました。
その手について、次回取り上げたいと思います。
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ゴキゲン中飛車超急戦大全(仮)の制作状況ですが、現在停滞気味です。
と言うのも、最近は仕事でトラブルが多く、余計な仕事が増えて気力を使い切っている事が
大きいです。
ようやく全てのトラブルが解決したので、また製作を再開したいと思っています。
そして、気になるであろう、これまでの制作状況を報告します。
現在書き終えた内容は…、
・超急戦回避策
・超急戦における先手玉の寄せ方
超急戦回避策は、鈴木大介八段が著書で推奨している☖9四歩から9筋の歩を突き越す
指し方や、☖6二玉から向かい飛車にする指し方が何故悪いかを示しました。
この項目はかなりうまくまとめられたと自負しています。^-^
また、最近新たな回避策を思いついたので、提案として追記したいと思います。
超急戦の寄せは、桂香の飛び道具と馬を中心としたものが多く、他の戦型に比べ特殊な
部類にあると思います。
実戦に出現しそうな数種類の想定局面を用意し、それぞれの寄せ方を示しました。
これから超急戦の後手を持とうと思っている方には良い教材となるでしょう。
そして、厄介なのが対☗3三角型で、これの結論が未だに出せていません。
プロが指さないので先手が悪いのかと思っていたら案外そうでもなく、
むしろ後手が悪い変化が多くて大分困りました。^^;
現在代替手を検討中で、あと対☗2三角型をまとめたら、一度上巻として出版しようかと
考えています。
今しばらくお待ち頂きます様、お願い申し上げます。^^
**********************************************************************
さて、ここしばらくの間にゴキゲン中飛車超急戦も数局出現し、動きがありました。
以前、ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦【プロ棋界の最前線を探る旅】という記事で
解説した現在主流の第2図から第3図の将棋(☗1一龍☖9九馬型)。
この進行の中で多くの新手が飛び出しました。
その流れを時系列を追って見ていきたいと思います。
第3図からの指し手
☗8一成銀☖5五香☗同歩☖8一銀☗☖6五香打(第4図)
◇ここをどう凌ぐか
第4図は2010.3.16の王将戦第6局☗羽生善治王将☖久保利明棋王(共に当時)で
初めてお目見えした局面です。
ここから☖7一玉として久保利明棋王が勝ち奪取に成功しましたが、その後の研究では
後手が悪いと結論付けられており、後手に新対策が必要となっていました。
そして迎えた2010.6.1の王位戦挑戦者リーグ白組プレーオフ☗羽生善治名人☖戸辺誠六段戦。
戦型は戸辺誠六段のゴキゲン中飛車に対し、羽生善治名人は超急戦応戦しました。
王将を奪取された超急戦を採用したのですから、羽生善治名人も自信があったのでしょう。
ここは、戸辺誠六段がどこで手を変えるかに注目が集まりました。
第4図からの指し手①
☖7四銀☗1三龍☖5一桂☗5七香☖2二銀☗1五龍(途中図)☖8九馬☗5四歩☖同角成
☗同香☖同飛(第5図)
◇戸辺新手☖7四銀
戸辺誠六段は☖7四銀と、新手を出して応戦しました。
以下、☗5七香と打たれて見ると☗5四歩~☗5三歩成がとても厳しい攻めで
後手は苦しい展開です。
☖2二銀と龍の利きを逸らしましたが、これも玉頭攻めに使われてしまいます。
本譜☗5四歩に☖同角成と応じたところでは☖同飛も考えられ、
☗同香☖同角成☗4六桂☖6五馬(A図)(中継解説は☖3二馬)はどうだろうか。
以下、☗同香☖同銀☗同龍☖6四香となれば後手もやれそう。
しかし、先手には☗5四歩のところで☗2六龍(B図)と変化する手段があり、
仮に☖4五角成☗4六歩☖5五馬☗同香☖同飛☗2二龍(C図)は王手の先手。
現状、戸辺新手☖7四銀は厳しい情勢となっています。
そして、間も開けずに2010.6.4の順位戦B級1組☗豊川孝弘七段☖杉本昌隆七段戦。
第4図の局面が出現しました。
第4図からの指し手②
☖5一桂☗7五桂☖7四銀☗5七香☖7二銀☗1三龍☖2二銀☗1五龍(第6図)
◇杉本新手☖5一桂
さて、第6図はどこかで見た事のある様な局面ですね。
そう、第5図に至る途中図に☗7五桂と☖7二銀の交換が入った計算です。
これは、先程の様に☖8九馬と進めた時に、
①☗5四歩は☖同飛☗同香☖同角成(D図)で☗4六桂が打てない。
②☗2六龍は☖4五角成☗4六歩☖3五馬☗同龍☖同歩(E図)で、
玉頭がノンプレッシャーなので、☖7七桂☗6八金上☖7九飛と言った攻めが早い。
実戦は第6図で☖6五銀として悪くなりましたが、後手良しだった様です。
☗7五桂と☖7二銀の交換だけで評価が一変するので恐ろしいものです。
しかし、杉本新手☖5一桂には☗3三桂と打つ変化があり、以下一例ですが、
☖3二金☗4一桂成☖2二銀☗5一成桂(F図)や、
☖3二金☗2一桂成(G図)と言った進行が予想されます。
どちらも難解な変化が予想されますが、F図は☖5一同飛☗同龍☖同玉でどうか。
G図は☖4二銀☗2二成桂☖同金☗同龍☖6六馬☗同歩☖5六香(H図)。
☗2七龍は☖5七歩☗4八金☖3五桂☗3八龍☖5五飛が厳しく取りきれないでしょう。
ここまで見て来た戸辺新手☖7四銀、杉本新手☖5一桂は共に後手に面白い変化では
無かったかと思います。
しかし、9日後の2010.6.15 順位戦C級1組☗岡崎洋六段☖遠山雄亮四段戦にて、
この戦型において現状最善と思われる新手が出ました。
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超急戦は見る分には楽しいです。
とても勉強になります。
しかし、指す分には怖い変化が多すぎますので、回避型があると助かります。
お仕事忙しいでしょうが、頑張ってください!!
コメントありがとうございます。^^
超急戦は実際にやってみると、より楽しいですよ。^-^
さて、回避策ですが、現状☖9四歩型は明確に
後手不利な変化が出ており、指されていません。
☖6二玉型も、一度中飛車に振っている関係から
向かい飛車にして一手損なのが不満ではあります。
今度出す予定の本で、新たな回避策を
提案しようと思います。^^
相変わらず移り変わりの激しい戦法ですね。それだけ使い甲斐があるということですが。
超急戦にはそれなりに立ち向かえるようになったのですが、回避策があると思うと逃げたくなってしまう自分が悲しいです(笑)。
今は超急戦の攻防もひと段落した様ですが、
また新たなアイデアが吹き込まれて実戦に
登場するでしょうね。
回避策を取れば穏やかですが、超急戦は
ゴキゲン中飛車を指す人にしか味わえない世界
ですので、是非とも指し続けて頂きたいです。
その為に、私も頑張って更新を続けて
いかなければいけませんね。
お互い頑張りましょう。^-^