翠さん(=イブ=ミロク) の前世についての語りの続き
翠:
何年か経った頃、私は霊視もできるし、多少のお祓いの力も身についた
祈りによって祓うだけだったが
ある夜、やはり洞窟にいると、その日は後から雨が降った
お釈迦様はまだ来られていなかった
私はいつもの通り、1人で瞑想をして、(松明は用意していた、) 気持ちを集中させ、手で気を練ると、とうとう完全な玉になったようだった
すると幻の玉はしゅうっと小さくなり、私の口からすっと中へ入ったので驚いた
…しばらくすると、部屋の奥に何かの気配を感じた…
それは、黒くて背の高い、やせた人の姿のような影で、耳がとがっていた
悪魔だろうか?!
とっさにそう思った
…その影の顔に赤い光る2つの眼が浮かぶと、口をこわく開けて、両手を差し上げ、私につかみかかろうとしてきた
あの、一番最初の時に見た、怪物だ!
「きゃあっ!」と私は叫び、腰が砕けそうになった
「お、お釈迦様、助けてえ!」
すると、部屋の入り口から稲妻のようなものが横向きにビリビリと走り、怪物に当たって怪物はのけぞった
そして、どこからかお釈迦様の声がした
(メッテッヤ、逃げるんじゃない! 祓うんだ!救え!)
私は気を取り直し、この怪物を救うために、一心不乱に祈った
すると、気持ちが落ち着き、姿勢も正された
やがて稲妻に打たれて棒立ちになっていた怪物がふらり、と横に揺らぐのが見えた
そして、彼はバタリ、と床に倒れた
怪物から幻の湯気が上がったと思ったら、姿が消えて、最後にきれいな幻の水たまりだけが残った
水は白いりんかくの、美しい精霊のような透明な人の姿に変わり、まっすぐに高く昇天した
私は呆気にとられて、見ていた
…まもなく、お釈迦様が来られた
私はさっき見たことをご報告し、助けていただいたことに感謝した
お釈迦様はよくやったねと、言って下さった
あれもこの辺りにいた魔物だったのかもしれない、と
そうして、訓練は終了した
お釈迦様はお前が身につけた技能は、いつか先で役に立つ時が来る
それまで、大事にしまっておきなさい、と言われた…
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