各月の病院。 本日は「お薬」です。
安定剤・眠剤。
・全部半分定食^^
ロング・タートル・紺色・毛糸^^
室内着のスカートは、ロングワンピ。(襟あり)
スカートは夏冬とロングのみ。エプロンは必ず♪
外出はズボン。 年末購入のダウン上下~暖かい!
油断出来ない「越冬です!」
室内でも毛糸帽子^^
準備完了
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沈むチベット
永久凍土の融解 2007年5月13日 寺岡克哉
シベリアやアラスカなどの寒い地方には、「永久凍土」というのが広がって
います。
「永久凍土」とは、2年以上つづけて凍結している、土壌や地盤のことです。
ところで、「永久凍土」が存在している土地でも、その地表が夏場には融け
ます。そして地面には、草木なども生えています。
しかし、地下60センチよりも深くなると、夏でも融けることのない「永久凍土」
が現れ始め、それが地下数百メートルまで及んでいるのです。
その中でもとくに深いものは、アラスカのバローで440メートル、シベリアの
ヤクーツクでは地下500メートルにも、永久凍土の及んでいるものがあります。
永久凍土はまた、シベリアやアラスカのほかに、ロシアの北方や、カナダの
北方、そしてチベットなどにも広がっています。
それら全てを合わせると、その面積は、地球の陸地の15パーセントぐらい
に相当すると言われています。
* * * * *
ところで現在、地球温暖化により、それら「永久凍土の融解」がとても心配
されています。
たとえばアラスカや、カナダの北方では、1980年代以降から永久凍土の顕著
な温暖化が報告されています。
またロシアでも、1930年から1990年の間に、永久凍土の融解が進んでいる
と報告されています。
そのように永久凍土が融解すると、地下の支えがなくなって地盤が沈みこみ、
建築物が傾いたり、倒壊したりします。
また、アラスカには「酔っ払いの林」というのがあり、永久凍土の上に生えてい
る「トウヒ」という木が、四方八方に傾いています。
それは強風で傾いたのではなく、永久凍土の上に根を張って立っていたのに、
それが融けて支えが弱くなり、あちらこちらの方向に木が傾いてしまったのです。
さらにまた、アラスカやシベリアには、石油や天然ガスの「パイプライン」が走っ
ています。だから永久凍土が融解すると、地盤沈下により、それらインフラに対し
ても悪影響を及ぼすのではないかと心配されています。
* * * * *
永久凍土の融解にたいする心配は、地盤沈下だけではありません。
というのは、永久凍土が融けると、「二酸化炭素」や「メタン」が発生する
からです。
そして悪いことには、それによって、地球温暖化をさらに加速させてしまい
ます。
とくに「メタン」は、二酸化炭素の23倍もの温室効果があるので、とても心配
です。
* * * * *
しかしなぜ、永久凍土が融けると、二酸化炭素やメタンが発生するのでしょう?
それは永久凍土の中に、たくさんの「有機物」が凍結し、封印されているから
です。つまり永久凍土の中では、植物や動物が腐らずに保存されるのです。
たとえば永久凍土の中からは、冷凍保存された「マンモスの屍骸」などが、
そのままの形で出てきたりしますよね。
もちろん、ほとんどの場合は、生物の原型を留めていません。しかし「有機物」
としては、分解されずに保存されているのです。
しかし永久凍土が融けてしまうと、それらの有機物が細菌によって分解され
(つまり腐り)、「二酸化炭素」や「メタン」を発生させるわけです。
* * * * *
さらにまた、永久凍土の中でも比較的浅いところ。つまり、地下数十メートル
ぐらいの深さのところには、「メタンハイドレート」が存在すると言われてい
ます。
もしも、それが溶け出したら、目も当てられません!
「メタンハイドレート」とは、メタンと水が結合してシャーベット状に凍ったもので
す。だからそれが融ければ、大量のメタンが発生するのです。
もうすこし正確に言うと、「メタンハイドレート」が存在するのは、地下数十メー
トルから数百メートルの深さのところです。
その中でも、とくに浅いところに存在するメタンハイドレートの融解が、とても
心配なのです。
* * * * *
ところで、コンピューターを使った「シミュレーション」の予測によると、永久凍土
の融解は、かなり深刻です!
その予測によると、地下3メートルの深さまでの永久凍土が、
2050年までに、地球に存在する全面積の50パーセント以上が融解し、
2100年までに、全面積の90パーセントが融解するみたいです。
しかも、(実際には不可能でも)仮に、西暦2000年の時点で二酸化炭素の
増加を止めて、その後を予測したという結果もあります。
それによると2020年には、アラスカの永久凍土の60パーセントが、そして
東シベリアの永久凍土の70パーセントが融解します。
この意味では、永久凍土の融解は「すでに手遅れ」という感が否めません。
しかしそれは、地下3メートルの深さまでの話です。
だから地下数百メートルまで及んでいる、「永久凍土のすべて」が融けるわけ
ではありません。
しかしながら、たとえ地下3メートルまでの「浅い融解」であっても、そこに含ま
れる有機物が分解すれば、やはり二酸化炭素やメタンが発生します。
また、地盤沈下により、建築物やインフラも大きな影響を受けるでしょう。
さらには、永久凍土の上に生えている森林や、ツンドラなどの生態系にも、
大きな影響を与えてしまうでしょう。
だからやはり、地下3メートルの深さまでの融解とはいえ、多大な影響が
出るのは間違いありません!
* * * * *
永久凍土の融解により、地下数十メートルの深さから存在する「メタンハイド
レート」が融けるのかどうかは、今のところまだ不明です。
うまく行けば融けないかも知れないけれど、しかしながら、「まず大丈夫だ!」
という確証も得られていません。
早急に解明することが望まれます。