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市民団体が『水戸黄門』継続を求める署名運動

『水戸黄門』第43部は12月で終了。
11月に市民団体が10万人の署名を提出する予定らしいが、TBSがそれで『水戸黄門』継続を了承するかどうか疑問だ。

要は時代劇制作にかかる予算の問題だろう。
「陳情するならカネをくれ」というのがTBSの本音だろう。

2011年の『水戸黄門』継続を求める署名運動の用紙に「黄門様の旅を終わらせてはなりません」とあったが、話は逆だ。徳川光圀は全国旅行などしてはいないし、すべきではなかった。西山荘で『大日本史』編纂に專念していたはずの人物であった。旅をしても日光と鎌倉の間、あるいは勿来(なこそ)と熱海の間で充分であった。関東の外への旅など、佐々木助三郎(佐々介三郎)に任せてよかったのである。

テレビドラマ「水戸黄門」の放送存続を求める署名
www.mitokoumon.com/information/shomei/shomei.pdf

署名は11月末に提出された。
その後、「黄門様の旅を終わらせてはなりません」の文面はなくなり、「人情や正義など、多くの感動を与えてきたこのドラマはいつの時代にも必要」云々という内容になっている。しかし「人情と正義」を訴えるなら『水戸黄門』でなくてもいい。他の局が別のドラマを作って人情や正義を訴える番組は作ることもできる。また、水戸黄門漫遊一座が『水戸黄門』の芝居を続ければいい話だ。そもそも日本社会は『水戸黄門』なしでは「人情や正義」を継承できないのだろうか? それをなぜTBSとパナソニックだけが赤字覚悟でやる必要があるのだろうか。この水戸市の団体は署名運動をするだけでTBS『水戸黄門』に代わる作品を作り続ける意欲を示すこともしていない。7月の終了決定から5箇月、9月の署名開始から3箇月たって番組の視聴率は相変わらず10%前後で一向に向上していない。署名を集めるだけで視聴率を高めることもできず、制作費を拂うこともしない団体からの要求など、TBSとパナソニックが聴く必要はないだろう。
『水戸黄門』の次の番組は『ステップファザー・ステップ』である。水戸の団体はこの番組で「人情と正義」は訴えられないと考えているのか? あるいは『ハンチョウ』『あんどーなつ』『浅草ふくまる旅館』の復活でも頼めばいいのではないか?

潮来花嫁さん」「潮来笠」などの歌謡曲で有名な茨城県の潮来はかつては板久と呼ばれ、徳川光圀も訪れたことがあるようだ。
「潮来笠」で有名な橋幸夫は『水戸黄門』の第29部と第30部の主題歌も歌ったようである。
茨城は『水戸黄門』に頼らなくても日光や鎌倉のように歴史的名所として観光客を呼べばいい。

水戸黄門漫遊一座はテレビの本放送など当てにしないで、『水戸黄門漫遊記』の劇を続ければいいのである。むしろテレビの本放送がなくなったあとが芝居にとっては集客のチャンスである。『水戸黄門』のファンはマンネリを好むようなので、同じ脚本の繰り返しなら芝居が一番適しており、同じ話の繰り返しはテレビには合わなかったのである。

2011年の時点でパナソニックは4200億圓の赤字。
TBSも横浜ベイスターズをDeNAに賣却せざるをえない事態に直面している。
TBSは『99年の愛』『JIN-仁-』『南極大陸』のようにドラマには入れており、これらの作品は『水戸黄門』より高い視聴率を獲得している。
TBSにとってもパナソニックにとっても『水戸黄門』は経済的に存するだけも「お荷物」と化しているのだ。
むしろNHKでやっていた『神様の女房』こそ、TBSのパナソニックドラマシアターでやるべき作品だ。

水戸市関係者は『水戸黄門』終了を「寝耳に水」としており(今までの視聴率低下を何とも思っていなかったのか)、「東日本大震災や風評被害で観光客が減り、巻き返しを図っていたときにマイナスだ」としている。要するに茨城県や水戸市が経済効果を狙っているのだろうが、では水戸市が金を投資するのだろうか。財源は市民の税金から出すのだろうか。
それとも財政難に直面しているパナソニックやTBSから引き続き制作費を出してもらうのか。
『水戸黄門』存続を求めている署名運動や市民の会にはこういう、財政や予算の面での代案が一向に見られない。
ただ「番組が終わるのはさびしいので続けてほしい」では通用しない。それなら民放で視聴率低下で打ち切りになった番組は過去にもいくらでもあったわけで、『水戸黄門』だけ特別扱いするわけにはいかないのである。
TBSとしては「陳情するなら金(かね)をくれ」と言いたいところだろう。

水戸黄門 終了 寝耳に水 - Google 検索
水戸黄門 署名 - Google 検索
水戸黄門 署名 無駄 - Google 検索

『水戸黄門』署名運動はどうなっているか

Y!Blog
時代劇の「定番」の問題点(『水戸黄門』について)
『水戸黄門』存続を求める署名運動には終了の原因分析と対策が欠けている

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2011年9/18 9/20 9月
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