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テレビ時代劇の時代の終焉

テレビは1960年代に、当時、映画が主流だった時代劇をお茶の間で観られるようにした「電気紙芝居」であった。その歴史は1963年に始まったNHK大河ドラマの歴史でもある。
TBSで東野英治郎主演で『水戸黄門』が始まった1969年には森繁久彌が光圀を演じた映画版『水戸黄門漫遊記』が封切られているが、その後は1978年に格之進役が大和田伸也になった『水戸黄門』の映画化作品が公開されただけで、『水戸黄門』の映画はその後作られていない。
1970年代から90年代までは、むしろ必殺シリーズの映画がシリーズ化されている。
そして1970年代、80年代、90年代にテレビ時代劇のブームを迎えている。

今の時代劇ファンの多くはその20世紀最後の30年間のテレビ時代劇を観た世代であり、目が肥えていて厳しくなっており、なまじテレビ時代劇で新作をやっても役者の殺陣がうまくないと文句を言ったり、映像が綺麗すぎて作り物に見えるのが不満だったする。それに時代劇専門チャンネルやDVDなど、過去の時代劇を観る環境が整っているので、新作を観る必要も以前ほどは少なくなっている。

一方、日本の映画時代劇は世界でも評価され始めているので、時代劇は映画の時代に回帰しようとしているようにも見える。
TBSが『水戸黄門』終了の理由を「時代の趨勢」と考えるなら、その時代に合わせて、衛星放送やネット配信で時代劇の新作を続けることも考えていいはずである。

TBSは『水戸黄門』終了の理由を時代が変わったからと言っており、それは地デジ、ネット、衛星放送、録画の普及といった多様な視聴の在り方を指しているのだろうが、そのような時代を作ってきたのはTBSを含めたテレビ関係者自身である。
テレビ局が衛星放送やネット配信をすることでテレビ地上波の視聴者を奪う「共食い」が起きていたのではなかろうか。

また2001年以降の石坂浩二・里見浩太朗の『水戸黄門』に対する批判も一部であるが、その21世紀の『水戸黄門』でも10年も続いたのだから大したものである。むしろ石坂浩二主演の第29部で設定や配役をリセットしたからシリーズが第43部まで継続することができたのである。

『水戸黄門漫遊記』の虚像の時代の終焉
西暦1867年の大政奉還から数えると西暦2011年で144年になる。
西暦1868年の明治維新から数えると西暦2011年で143年になる。
講談によって「全国行脚した天下の副将軍・水戸老公」といった徳川光圀の虚像が一人歩きしていた。
明治144年に相当する時代になって、やっとその虚像の物語が大衆の娯楽から去りつつある。これは当然だろう。

『水戸黄門』再放送は衛星放送で観られる
もちろん、『水戸黄門』はまだまだ終わらない、終わってほしくないという立場の人も多いだろう。
TBSは地上波での『水戸黄門』打ち切りの理由を「時代の趨勢」と言ったが、その「時代」とは衛星放送とネットの普及である。
TBSにはCS(通信衛星)のTBSチャンネルもあるし、BS-TBSもある。
TBSチャンネルでは東野英治郎シリーズ、西村晃シリーズを中心に『水戸黄門』を再放送しているようだし、BSでも『江戸を斬る』の再放送がある。
TBSはニュースをTBS news iという形でネット配信している。
一部だけYouTubeで配信し、あとは有料の衛星放送で…という手もいいだろう。

GyaO!の「昭和TV」で『水戸黄門』をやったらどうか
何ならGyaO!の「昭和TV」で期間限定で配信してもいいだろう。
あれはサントリーの提供なので、パナソニックの事情とは無縁である。

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2011年8/2~4

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水戸黄門
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