16.結末
エドワードはお城に逃げ込みました。
警官は拳銃の銃口を空に向けて6発撃ちました。
警官:「逃げてくれ」
罪のないエドワードの行く末を祈りながら。
街中の人たちが警官に聞きます。
街中の人:「彼は死んだ?」
警官:「もう終わった。皆帰ってくれ」
街中の人:
「どうなったの?あいつは?教えて!」
「あきれた、逮捕してないのよ」
「城へ行きましょう!」
キムは暗闇の中でうずくまっているエドワードを城の中で見つけます。
冷たく暗い尖った城の中、二人は澄み切った月明かりに照らされています。
エドワード:「ケビンの傷は大丈夫?」
キム:
「あの子は無事よ。驚いただけ」
「それよりあなたこそ死んだかと...」
突然そこにジムが銃を撃ってきました。
上から落ちてきた瓦礫にエドワードは頭を打って倒れました。
ジムはエドワードを何度もエドワードを痛めつけます。
キムはエドワードのハサミをジムの喉に押し当て、決死の覚悟で言いました。
キム:「やめて!あんたを殺すわよ」
ジムはキムのハサミをどけ、キムを身体ごとふっとばしました。
それを見たエドワードは怒りにまかせて、ハサミでジムの身体を貫きました。
エドワードは自分のしたことを十分に理解していました。
キムを名残惜しく見つめて言います。
17.人生の最良の瞬間(とき)
エドワード:「さよなら」
キムはエドワードの唇に優しくキスをし、エドワードを抱きしめました。
その瞬間エドワードは静かに目を閉じ、永遠の幸せを感じます。
その表情には至福と感謝に満ちあふれていました。
この永遠の愛を持って、ずっと独りで生き抜く覚悟が現れていました。
「僕は今この瞬間、救われたよ」とでも言いたげな表情でした。
キムは近くにあったエドワードのハサミの手を街中の人に見せて宣言します。
街中の人:「あいつは?」
キム:
「死んだわ」
「屋根が落ちてきて2人とも死んだわ」
「見れば分かるわ。これよ!」
街中の人:「帰りましょう」
時が戻り、キムがお婆さんの現代のシーンになります。
キムお婆さん:「その夜を最後に2人は別れたの」
女の子:「なぜ分かるの」
キムお婆さん:「私がそこにいたからよ...」
キムは老眼鏡を外し女の子の目を真剣に見つめました。
女の子:「お城に訪ねて行けばいいのに...」
キムお婆さん:
「私はもうこんな年寄り...」
「彼には昔の私だけを覚えててほしいの」
女の子:「彼はまだ生きているの?」
キムお婆さん:
「さあ、それは分からないけど...きっと生きてるわ」
「なぜって彼が来る前はここには雪が降らなかったの」
「彼が去ってから、毎年雪が降るようになった」
「この雪はきっと彼が降らせているのよ」
「今も彼は見ているはずよ。踊ってる私の姿を...」
彼は氷の芸術家です。
愛する人達の氷の彫刻を冬の時期に彫っていました。
自分を思い出して欲しいという願いを込めて。
冬になると毎年、お城の上の方から雪の結晶がたくさん街に降り注いできました。
多くの柔らかな雪が人々の身体に触れます。
心にそっとタッチします。
優しい、優しいお話でした。
18.終わりに
世界中がクリスマスという家族や恋人と楽しいひとときを過ごす時、その陰で孤独に耐えている人が必ずいます。
クリスマスの光と陰。
すべての人々にハートフルな出来事が起こることを願っています。
これまでお読み下さりありがとうございました。
すべての人は孤独で繊細な幼児です。
決して独りではないことを心に留めていて欲しいと思います。
それでは、また次回の作品でお会いしましょう。
19.関連作品
『チャーリーとチョコレート工場」 ティム・バートン監督
『ホーム・アローン』 クリス・コロンバス監督
『ビッグ・フィッシュ』 ティム・バートン監督
『アリス・イン・ワンダーランド』 ティム・バートン監督
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』 ティム・バートン監督
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