洪積世(170万年~1万年前)にできた扇状地や三角州のような平野が隆起すると、侵食されて段丘崖ができる。また、一時的に沈降すると堆積つまり洪水によって段丘面ができる。隆起傾向にある古い平野には河岸段丘ができる。
段丘崖の高さは数m~50m程度、傾斜はゆるやかな坂道であったり、簡単には上ることのできない急傾斜地であったりする。段丘面の幅は、ほとんど分からない0mのものから、幅数kmのものまで、様々である。
洪積世の長い年月の隆起と侵食作用で残った地形であり、傾斜地の崩壊する危険は小さい。また、隆起しているのだから、洪水・津波の危険も小さい。集落としては最も安全な地形である。
中越地震(2004年10月24日)
信濃川流域、新潟県長岡市川口町(旧北魚沼郡川口町)
河岸段丘の段丘崖や山麓の直線的地形が、河川の侵食地形ではなく、断層線であることが少なくない。地表面で断層が動くため、浅い震源の局所的地震だが、震度6~7の強烈な地震になる。
2004年10月24日の中越地震では、新潟県川口町を通る六日町断層による逆断層直下型地震の直撃を受けた。川口町では地震計が破壊され、震度7と判明したのは1か月後である。
死者68人、重軽傷5000人、住宅全壊3000戸であった。内陸方地震としては、非常に強い地震であった。
川口町(現在の長岡市川口町)は信濃川の河岸段丘にあり、中位・高位面の集落も農地も災害の恐れはないと思われていた。しかし、地盤が安定した洪積層でも、住宅多数の崩壊するような地震は起こる。洪積台地であっても、活断層が存在すれば、地震被害を免れることはむずかしい。安心して住むためには、断層の点検が必要である。
直下型の断層地震による局所的被害を避けるためには、ニュージーランドのように活断層とその周囲には住宅の建築規制をするとか、特に地震に強い住宅を建設するとか、ライフラインは2重3重の代替手段を確保しておくとかの配慮が不可欠である。
立川断層帯
武蔵野台地を飯能から立川まで続く立川断層は、大小いくつもの断層からできている断層帯で、年平均3~4mm程度の小さな動きだが、直下型地震として瞬間的に2~3mの隆起、5~10mの横ずれが予測されている。高級住宅団地では大きな被害を受けることは確実である。しかし、その断層性の直下型地震がいつ、どこで、起こるかが分からない。
確率的には1万年間隔、今後30年間の発生確率は2%以下である。震度はマグニチュード7程度で、現代の耐震設計にもとづいた建築物への影響は小さい。ただし、走行中の電車や老朽化した高層ビルでは倒壊があるかもしれないし、ガス・水道・道路・電気などのライフラインへの損傷は大きい。神戸・仙台などのような大災害になる恐れはない。
武蔵野台地は多摩川・荒川の隆起扇状地であり、河岸段丘でもある。その扇央は江戸時代の開墾農地であった。第2次大戦後は、政商堤康二郎の力により、西武鉄道の土地買い占めと宅地開発が進み、西武鉄道駅近辺は西武コンツェルンの金城湯池となった。上下水道完備、駅前の西友ストア、電車で新宿まで1時間以内、台地ゆえの水害のない街作りで、西武不動産の宅地開発が進んだ。西武グループは鉄道輸送・住宅分譲・駅前スーパーの3点セットに、ユネスコ村・多摩湖・西武遊園地・豊島園・秩父開発などでさらにで大きな利益をめざした。しかし、西武グループの資産隠し・脱税・有力政治家の抱え込みなどが、1970年代に明白になり、西武グループは堤家の個人資産を失った。
2011年現在、武蔵野台地には大きな自然災害がなく、西武の都市計画に狂いはない。しかし、東日本大震災(2011年3月11日)で、安全なはずの丘陵地で崖崩れが続発すると、武蔵野台地ではこれまで軽視されていた立川断層の存在が明らかになった。西武グループの鉄道・鉄道・住宅団地が、立川断層の被害を受けることは避けられないことが分かった。
立川断層による地震では津波も火山もない。団地のライフラインの破壊は自力ではどうにもならない面が多いが、住宅の耐震設計の強化とか地震保険への加入とか、個人の努力で地震被害を軽減することはできる。
やはり、武蔵野台地は、現在のような平時においては住み心地は最も優れた地域である。
段丘崖の高さは数m~50m程度、傾斜はゆるやかな坂道であったり、簡単には上ることのできない急傾斜地であったりする。段丘面の幅は、ほとんど分からない0mのものから、幅数kmのものまで、様々である。
洪積世の長い年月の隆起と侵食作用で残った地形であり、傾斜地の崩壊する危険は小さい。また、隆起しているのだから、洪水・津波の危険も小さい。集落としては最も安全な地形である。
中越地震(2004年10月24日)
信濃川流域、新潟県長岡市川口町(旧北魚沼郡川口町)
河岸段丘の段丘崖や山麓の直線的地形が、河川の侵食地形ではなく、断層線であることが少なくない。地表面で断層が動くため、浅い震源の局所的地震だが、震度6~7の強烈な地震になる。
2004年10月24日の中越地震では、新潟県川口町を通る六日町断層による逆断層直下型地震の直撃を受けた。川口町では地震計が破壊され、震度7と判明したのは1か月後である。
死者68人、重軽傷5000人、住宅全壊3000戸であった。内陸方地震としては、非常に強い地震であった。
川口町(現在の長岡市川口町)は信濃川の河岸段丘にあり、中位・高位面の集落も農地も災害の恐れはないと思われていた。しかし、地盤が安定した洪積層でも、住宅多数の崩壊するような地震は起こる。洪積台地であっても、活断層が存在すれば、地震被害を免れることはむずかしい。安心して住むためには、断層の点検が必要である。
直下型の断層地震による局所的被害を避けるためには、ニュージーランドのように活断層とその周囲には住宅の建築規制をするとか、特に地震に強い住宅を建設するとか、ライフラインは2重3重の代替手段を確保しておくとかの配慮が不可欠である。
立川断層帯
武蔵野台地を飯能から立川まで続く立川断層は、大小いくつもの断層からできている断層帯で、年平均3~4mm程度の小さな動きだが、直下型地震として瞬間的に2~3mの隆起、5~10mの横ずれが予測されている。高級住宅団地では大きな被害を受けることは確実である。しかし、その断層性の直下型地震がいつ、どこで、起こるかが分からない。
確率的には1万年間隔、今後30年間の発生確率は2%以下である。震度はマグニチュード7程度で、現代の耐震設計にもとづいた建築物への影響は小さい。ただし、走行中の電車や老朽化した高層ビルでは倒壊があるかもしれないし、ガス・水道・道路・電気などのライフラインへの損傷は大きい。神戸・仙台などのような大災害になる恐れはない。
武蔵野台地は多摩川・荒川の隆起扇状地であり、河岸段丘でもある。その扇央は江戸時代の開墾農地であった。第2次大戦後は、政商堤康二郎の力により、西武鉄道の土地買い占めと宅地開発が進み、西武鉄道駅近辺は西武コンツェルンの金城湯池となった。上下水道完備、駅前の西友ストア、電車で新宿まで1時間以内、台地ゆえの水害のない街作りで、西武不動産の宅地開発が進んだ。西武グループは鉄道輸送・住宅分譲・駅前スーパーの3点セットに、ユネスコ村・多摩湖・西武遊園地・豊島園・秩父開発などでさらにで大きな利益をめざした。しかし、西武グループの資産隠し・脱税・有力政治家の抱え込みなどが、1970年代に明白になり、西武グループは堤家の個人資産を失った。
2011年現在、武蔵野台地には大きな自然災害がなく、西武の都市計画に狂いはない。しかし、東日本大震災(2011年3月11日)で、安全なはずの丘陵地で崖崩れが続発すると、武蔵野台地ではこれまで軽視されていた立川断層の存在が明らかになった。西武グループの鉄道・鉄道・住宅団地が、立川断層の被害を受けることは避けられないことが分かった。
立川断層による地震では津波も火山もない。団地のライフラインの破壊は自力ではどうにもならない面が多いが、住宅の耐震設計の強化とか地震保険への加入とか、個人の努力で地震被害を軽減することはできる。
やはり、武蔵野台地は、現在のような平時においては住み心地は最も優れた地域である。