地理総合の研究 付2018年センター地理AB本試・追試解説 

「地理講義」の続き。「地理総合」に「2018年センター試験地理AB本試・追試の問題と解答解説」を追加。

2018年地理B(追試)第6問解答解説 淡路島

2018-11-08 17:47:03 | 地理講義

2018年センター試験地理B追試第6問

 

 

 

 

 

解答
【30】⑥
解説 淡路島の灌漑網の地域差
(A)ウ 平坦で農地が広がると考えられ、灌漑用ため池を多数必要とする。
(B) イ   山地が東にあり、河川は西に向かって流れる。
(C) ア 山地なので農地は少なく、ため池も少ない。

詳細な解説
図2 ア(C) 河川は北に向かって流れるから、南側が山地である。灌漑用ため池は少ないから山地である。
図2 イ(B) 河川は西に向かって流れるから、東側が山地である。灌漑用ため池が散在するから、多少は平野がある。
図2 ウ(A) ため池が多く、河川は少ないから平野であり、農業が盛んな地域と考えることができる。




 

 

 

解答
【31】①
解説 新旧地形図の土地利用比較
①× 2005年の地形図でも寺社は残っている。郊外には移転していないから、誤り。
②◯ 2005年には洲本駅と宇山駅を通る道路がある。1932年には鉄道が見られる。
③◯ 郵便局周辺の道路は変わっていない。
④◯ 紡績工場の跡地の一部に、図書館の記号が見られる。公共施設とは図書館。

詳細な解説
① 洲本市は城下町。寺町が2005年にも、元の位置に残っている。
② 鉄道がなくなり、港から内陸まで鉄号線路を利用した道路がつくられた。
③ 城下町時代の狭い市街地が2005年の地形図でも残っている。

④ 紡績工場跡の公共施設は、地図記号から図書館と分かる。



 

 

解答
【32】②
解説 淡路島のバス路線
(カ) 人口密度。淡路島最大の都市洲本市で人口密度が高い。
(キ) 洲本市への通勤・通学などに、自家用車が利用される。
(サ) 洲本市への路線だから民営バスである。
(シ) 人口の少ない地域を通るから、コミュニティバスである。

詳細な解説
(カ) 洲本市の人口は4万5,000人、淡路島の人口は13万人である。人口密度の高いのは淡路市・南あわじ市などである。山地は高齢化が進み、人口密度も低い。
(キ) 自家用車は島の中心洲本市へ通うためであるから、洲本市の通勤・通学利用者数は少ない。
(ク) 洲本市の路線が集中する。淡路市~洲本市、南あわじ市~洲本市の民間バス運行本数が多い。
(シ) コミュニティバスはバス利用者が少ないため民間バスが赤字になって運行ができない場合、自治体がコミュニティバスを運行する。高齢者の多い過疎地を走る。

 

 

 

 

解答
【33】①
解説 兵庫県淡路島は北海道・佐賀県と並ぶタマネギの大産地
(タ)北海道のタマネギ収穫は9月からであり、5月からは淡路島産タマネギが売れる。
(チ)淡路島からのトラックは自動車道路・明石海峡大橋を通れば、大都市市場は近い。

詳細な説明
(タ)タマネギは保存のできる野菜である。タマネギの生産量順位は、北海道54%、佐賀県14.3%、兵庫県8.3%である。北海道のタマネギの端境期には、東京・大阪市場へ佐賀県・兵庫県のタマネギが大量に出荷される。
(チ)淡路島から大阪まで、高速道路と明石海峡大橋を利用すると、2時間足らずであり、淡路島は大阪の近郊農業地域である。東京までは距離が遠く輸送コストがかかるために、輸送園芸地域になる。



解答
【34】④
解説 太陽光発電の雇用創出
①◯ 瀬戸内気候は降水日数は少なく、日照時間が長い。
②◯ 太陽光発電は曇りや夜間の発電能力が落ち、発電量は不安定である。
③◯ 大阪湾岸の工業用地や関西空港は、淡路島などからの土砂でつくられた。
④× 太陽光発電は建設が終われば、雇用創出能力のない装置産業である。

詳細な解説
①② 太陽光発電量は日射量・日射時間によって決まる。夜間・雨空では太陽光発電はできない。瀬戸内気候は晴天日数が多いから、太陽光発電には適している。
③ 大阪空港が狭いし、騒音の問題が深刻な問題であったた、1887年に関西空港建設のための大阪湾埋立工事が始まり、1994年から国際空港として開港した。世界初の全面埋立空港であり、土砂の需要が膨大で、紀伊半島各地だけでなく、淡路島の山地などから採掘運搬された。
④ 太陽光発電は産業としては装置産業であり、労働力は不要である。それに対して、誘致工場では多数の労働力を必要とし、雇用創出能力があり、人口増加が期待できる。

 

 

解答
【35】③
解説 1995年1月17日の兵庫県南部地震
①◯ 震災体験館で保存されている野島断層である。断層の動いたことが地震の原因。
②◯ 死者行方不明6,437人。倒壊した住宅の火災による犠牲者が多かった。
③◯ 兵庫県南部地震M7.3、東北地方太平洋沖地震M9.0。
④× 兵庫県南部地震の津波はごく小規模であり、人的被害はなかった。

詳細な解説
① 野島断層
兵庫県淡路島の横ずれ断層である。兵庫県南部地震で動いた断層は、野島断層を含む六甲淡路断層帯である。野島断層はこの時、横ずれとともに上下の縦方向にも動いた。
② 地震被災地
神戸市街地の扇状地部分に建物被害が集中した。沖積平野は地盤が軟弱であり、地震の揺れが大きくなる。また、海岸の埋立地でも沖積平野同様、被害が大きい。
③ マグニチュードM
震源の地震の強さを示す。兵庫県南部地震はM7.3の直下型地震であり、震度は7であった。東北地方太平洋沖地震の震源は三陸沖200km、M9.0であり、震度は7であった。
④ 津波
兵庫県南部地震では津波は数10cmであり、被害はなかった。東北地方太平洋沖地震の津波は最大40mの高さであり、津波による被害が非常に大きかった。


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