ウイルス性脳炎のページを更新
- ウイルス性脳炎とは、脳内にウイルスが入り込んで炎症を起こす病気です。 稀な病気ですが、小児から成人に幅広く発症します。ウイルスの種類によっては、死亡率が10%程度のものもあり、記憶障害や脳の機能障害等の後遺症が残ることもあります。
- 【原因】
- ヘルペスウイルス科、日本脳炎、ロタウイルス、エンテロウイルスA71型、D68型、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルスなどがある
感染経路
ヘルペスウイルス科;接触感染・飛沫感染。
ロタウイルス;接触感染・経口感染。
エンテロウイルス;飛沫感染・経口感染。
インフルエンザウイルス;飛沫感染。
麻疹ウイルス;空気感染。
風疹ウイルス;飛沫感染、など原因ウイルスより異なる - 【症状】
- ウイルス性脳炎は感染急性期に様々な神経症状を呈する。一般的には発熱、意識障害、けいれん、異常行動・言動などがある。また、頭蓋内圧亢進症状として頭痛や嘔吐がある。新生児・乳児期には大泉門の膨隆も認める。
成人における急性ウイルス性脳炎の中で最も頻度が高いのは、単純ヘルペス脳炎(herpes simplex encephalitis: HSE)です。起因ウイルスが判明したウイルス性脳炎の約60%, 脳炎全体の中では約15~20%を占めているそうです。 コロナワクチン接種で免疫抑制されている間はヘルペスの活動が活発になりますので注意が必要です。
また、COVID-19による脳炎も、インフルエンザ脳症も、ともに病態は神経細胞の急激な炎症と壊死であり、その原因として免疫系の暴走(サイトカインストーム)があると考えられています。
ウイルスが直接脳内に入るのではなく、免疫物質であるサイトカインが過剰産生されることで、細胞のエネルギー源である糖代謝の異常や細胞内のエネルギー産生工場であるミトコンドリアの機能低下をもたらし、神経細胞や血管内皮細胞(血液中の「異物」から脳を守るバリア)の壊死につながるとされています。