アルドラーゼ(ALD)
- アルドラーゼ(ALD)は、細胞の崩壊や壊死、代謝障害で高値となる解糖系酵素である。組織崩壊をリアルタイムで反映する一方、臓器特異性が低いため補助診断に用いられる。
ALDは、Embden-Meyerhof経路に作用し、フルクトース1,6-2リン酸(FDP)を、D-グリセルアルデヒド3-リン酸(GAP)とジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)に可逆的に分解する。また、フルクトース1-リン酸(F1P)を、DHAPとD-グリセルアルデヒドに非可逆的に分解する反応を触媒する。
ALDは、α,β,γの3つのサブユニットにより構成される四量体であり、A,B,C3種類のアイソザイムが知られている。Aは心筋,骨格筋,脳などのエネルギー産生の高い臓器に多く含まれ、Bは肝臓,腎臓,小腸上皮などに多く含まれている。Cは中間的な性状を持ち、脳や脊髄などの中枢神経系に存在する。 ALDのアイソザイム検査はあまり行われておらず、UV法では主にA型の活性が測定される。
赤血球内には多量のALDが含まれているため、溶血検体では見かけ上高値となる。
<出典:Wikipedia>