急性炎症性神経障害:Dr Mark Trozzi(マーク・トロッツィ博士)がCOVID-19 mRNAワクチンによる障害報告に関する査読済み論文の約1,000件を掲載したサイトの紹介の続きです。
1000 peer reviewed articles on “Vaccine” injuries
その中で106項目目の「急性炎症性神経障害(Acute Inflammatory Neuropathies)」の紹介です。
急性炎症性神経障害:
末梢神経、神経根、またはその両方への病原性免疫介在性血原性白血球浸潤を特徴とし、結果として脱髄または軸索変性、あるいはその両方を伴う異種の疾患群を包含し、これらの疾患の病因は未だ解明されていない。
末梢神経は次の3種類に分けられます。手足の感覚情報を脳に伝える感覚神経、脳からの運動の命令を全身の筋肉に伝える運動神経、発汗や腸の蠕動、心臓の拍動などさまざまな命令を伝える自律神経です。感覚神経や運動神経では、電線に相当する部分である「神経軸索」の周囲に、絶縁体(電線のカバー)に相当する「髄鞘」を持っているため、情報を瞬時に伝えることができます。自己免疫に伴う末梢神経障害では、この「神経軸索」や「髄鞘」が障害されて情報が伝わりにくくなります。障害されるスピードは病気によって異なります。
急性に進行する症例として、ギラン・バレー症候群やフィッシャー症候群などがあります。
「両側の手や足に力が入らない」、「歩行時につまずく」、「階段を昇れない」、「物がつかみづらい」、「手や足の感覚が鈍くなる」、「顔の筋肉がまひする」、「食べ物が飲み込みにくい」、「呼吸が苦しい」など 様々な症状が発生します。
----
急性免疫性ニューロパチーの代表的疾患であるギラン・バレー症候群(Guillain-Barre Syndrome, GBS)は、感冒等の上気道感染や下痢を伴う胃腸炎に感染して1~2週間後に、手足の先にしびれや力の入りにくさが出てきます。その後数日から2週間のあいだに急速に症状が進行することが特徴です。神経症状が出てから2週から4週で症状はピークになり、重症例では四肢麻痺が進んで歩行に介助を要し、10数%の患者さんは呼吸筋にも麻痺が及んで人工呼吸器を装着することが知られています。また約半数の人は顔面神経麻痺、複視、嚥下障害といった脳神経障害を生じます。頻脈、徐脈、起立性低血圧、膀胱直腸障害といった自律神経障害を伴うこともあります。(日本神経学会)
----
Reporting of acute inflammatory neuropathies with COVID-19 vaccines: subgroup disproportionality analysis in VigiBase:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34579259/
COVID-19ワクチンによる急性炎症性神経障害の報告:VigiBaseにおけるサブグループ不釣り合い分析:
----------
Case Series of Acute Peripheral Neuropathies in Individuals Who Received COVID-19 Vaccination
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10054424/
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)ワクチン接種後の急性末梢神経障害の症例シリーズを報告
CLINICAL LETTER| VOLUME 140, P50-51, MARCH 2023Download Full Issue
Kyoko Fukahori, MD
https://www.pedneur.com/article/S0887-8994(22)00253-3/fulltext
COVID-19ワクチン接種後に神経痛性筋萎縮症(パーソンテージ・ターナー症候群)を発症した14歳の少女の症例を紹介する。