mRNAワクチンの接種でがんが発生したり、がんの進行が早くなったりすることが懸念されていましたが、2021年と比較して2022年に急峻な増加が見られるがんが存在することが分かりました。
「コロナワクチンの接種により、日本のがん死亡は増加したか?」
小島 勢二
2023.06.08 06:50
【コロナワクチンは、一種の遺伝子治療である。過去を振り返れば、がん、とりわけ白血病の発症は、遺伝子治療における最大の懸念事項であり、コロナワクチンが遺伝子治療であることを考慮すれば、この問題に触れないわけにはいかない。全国を対象にした人口動態統計やがん登録を用いて、がん死亡の推移を注視する必要がある。
つい最近、6月2日に、2022年の人口動態統計が公表された。この統計には、年次の総死亡数のほか、個々の死因における死亡数が含まれている。がんについても、総数のほか、胃がん、肺がん、白血病といった個々のがんの死亡数も記載されている。ワクチン接種前後を比較することで、ワクチン接種が、個々のがんによる死亡数の増減に影響を与えたかを知ることが可能である。
図1は、2020年、2021年、2022年のがんによる死亡数と、2016年から2019年のがん死亡の平均との差を算出して、平均に対する割合をグラフ化したものである。
4年間のがんによる年間総死亡数の平均は、374,083であるが、2020年、2021年、2022年の死亡数は、それぞれ、391,545、381,505、385,787であった。平均との差は、17,462、7,422、11,704であり、その差の平均に対する割合は、4.7%、1.9%、3.1%であった。
わが国でコロナの流行が始まったのは2020年以降であり、コロナワクチンの接種は2021年からである。ワクチン接種のがん死亡に与える影響は、2020年と2021年、2022年を比較することで知ることができるが、ワクチン接種の普及と発症から死亡までの期間を考慮すると2022年の死亡数がより重要である。
ワクチン接種前の2020年と比較して、接種後の2021年、2022年の全がんの死亡数は減少しており、コロナワクチンの接種ががん死亡を増加させたという結果は得られていない。とりわけ2020年、2021年、2022年の肝がんの減少率は、-7.0%、-9.8%、-11.8%、胃がんの減少率は-3.5%、-6.4%、-8.5%と著しい。
しかし、個々のがんのなかには、子宮がん、卵巣がん、乳がん、白血病、膵臓がんのようにワクチンの接種開始後、とりわけ、2022年に死亡数が増加したがんもある。
図2は、ワクチン接種後に死亡数が増加した5種のがんについて、過去10年間の死亡数の推移を示す。膵がん、卵巣がんは一貫して死亡数は増加しているが、乳がん、子宮がん、白血病は、2021年と比較して2022年に急峻な増加が見られる。
コロナワクチンの接種によって体内に産生されたスパイクタンパクは、細胞表面にあるACE2受容体と結合するが、最近の研究によると、スパイクタンパクはエストロゲン受容体とも結合し、転写を活性化することが判明した。
乳がん細胞株の培養液に、エストロゲンの一種であるエストラジオールを添加すると乳がん細胞は増殖するが、選択的エストロゲン受容体拮抗薬であるラロキシフェンを添加すると増殖は阻害される。スパイクタンパクも同様に、培養液に添加すると、乳がんの細胞株は増殖し、ラロキシフェンの添加により増殖は阻害される。
エストロゲン受容体は、乳がんのほか、子宮がんや卵巣がんにも発現している。このことから、ワクチンを接種して体内にスパイクタンパクが産生されると、乳がんや子宮がん、卵巣がんの進行を早める危険性がある。昨年末に発表された基礎的論文で指摘された懸念が、実際の臨床データで裏付けられたことになる(Sci. Adv: 8, 30 Nov 2022)】
確かに全体のがんの増加はワクチン接種をして多くなったようにみえませんが、増えているがんの種類もあるので注意が必要です。特に女性と若い人は注意が必要だと思います。