ダウンレギュレーション (down regulation)のページを更新
- ダウンレギュレーション (down regulation) は、生体内のシグナル伝達系において、シグナルを弱める方向の調節のこと。日本語で「下方制御」と言われることもある。特に、覚醒剤や抗うつ薬などの薬の耐性につながるメカニズムとして、神経系でドーパミンなど特定の物質が過剰に放出された時に、それに対応する受容体の数が減り、その物質に対する感受性が減少することを指して用いられることが多い。
受容体に結合する能力は,細胞内の制御機序の他に細胞外の因子にも影響される。ベースラインの受容体密度および刺激-応答機序の効率は,組織によって異なる。薬物,加齢,遺伝子変異,疾患などにより,受容体の数や結合親和性が増加(アップレギュレーション)または減少(ダウンレギュレーション)することがある。例えば,クロニジンはα2受容体のダウンレギュレーションを引き起こすため,クロニジンの投与を急に中止すると, 高血圧クリーゼが起きる可能性がある。β遮断薬を長期投与するとβ受容体の密度が増加するため,投与を突然中止すると重度の高血圧や頻脈を来す可能性がある。受容体のアップレギュレーションやダウンレギュレーションは,薬物への順応に影響を及ぼす(例,脱感作,タキフィラキシー,耐性,獲得耐性,投与中止後の過感受性)。
<出典:Wikipedia>