血管攣縮(れんしゅく)のページを更新
- 薬剤や機械的刺激,血管作動性物質やホルモンの作用により,一過性に血管が異常収縮をおこし灌流組織の虚血を生じること。血圧維持に必要な生理的収縮をつかさどるCa2+依存性血管平滑筋の収縮と,Rhoキナーゼを介するCa2+非依存性収縮があり,後者による血管緊張の異常が,臨床的には冠動脈攣縮による狭心症,くも膜下出血にともなう脳血管攣縮,血管攣縮性網膜症などを生じさせると考えられている。
冠動脈の部分的攣縮(spasm)による心筋虚血は血管攣縮性狭心症といわれ,喫煙,動脈硬化に加え自律神経系や循環ホルモンの関与による内皮依存性血管拡張異常が原因とされ,発作中にST上昇がみられるものをとくに異型狭心症と呼ぶ。予防にはCa拮抗薬が選択される。脳血管攣縮は,くも膜下出血の発症後3日から2週間の間に頭蓋内の主幹動脈に2~4週持続する一時的な狭窄を生じ,最悪の場合は脳梗塞をおこす。病理的には内膜・中膜の変性を認め,くも膜下腔に広がった血球成分自体が原因とされ,予防にはtriple H (hypertension, hypervolemia, hemodilution)とオザグレルNaや塩酸ファスジルの静脈内投与が,発症後には血管の再拡張を目指して,塩酸ファスジルの動注やバルーンを用いた血管形成術が施行される。
<出典:医学用語解説集>
ワクチン接種後に、くも膜下出血や急性大動脈解離が起きる可能性があり、一過性の激しい頭痛、視力障害、四肢脱力などをともなう 可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)や冠攣縮性狭心症になる危険性もあります。