風邪症状を起こす他のコロナウイルスの記憶型T細胞の一部が、新型コロナウイルスにも反応しうる(=交差反応)ことが報告されてます。交差反応性T細胞とも言います。
未感染者がもともと持っているこの交差反応性T細胞の数や性質の違いが、COVID-19の症状の地域差、年齢差、個体差を生む一因となる可能性が指摘されているのです。日本の新型コロナの感染者数が欧米と比べて少ないのは、日本人は元々特有の要因「ファクターX」が存在していることが発表されていました。
理研生命医科学研究センター免疫細胞治療研究チームが発表していましたが、詳しくは
「日本人の多くは風邪を記憶した免疫細胞が新型コロナも攻撃、「ファクターX」の可能性 理研が発見
2022.01.04」をご覧ください。
【 日本の新型コロナの感染者数が欧米と比べて少ないのは日本人特有の要因「ファクターX」があるのではないかと指摘されている。研究グループはこの特定の白血球型「HLA-A24」がファクターXの1つである可能性もあるとしている。日本国内でも感染力が強いとされるオミクロン株の感染例が増えている。今年のコロナ禍がどうなるかは予断を許さないが、理研の研究成果のように日本人向けの治療薬やワクチンの開発につながる研究も望まれている。
理研生命医科学研究センター免疫細胞治療研究チームの清水佳奈子上級研究員、藤井眞一郎チームリーダーらの共同研究グループは、このエピトープに着目してHLAの型との関係を調べた。HLA分子は体中のあらゆる細胞の表面に存在している。キラーT細胞が感染細胞を認識するためにはエピトープがHLA分子と結合しなければならない。エピトープは6~10個のアミノ酸や5~8個の単糖の配列で構成する。
研究グループによると、HLA分子は数万種類あり、個人個人は複数の型を持っている。HLA型は親から子へ遺伝する。このためHLA型の分布は人種によって異なる特徴が生じる。日本人に多いHLA型としてHLA-A24が知られる。日本人の約6割が持っているが、欧米人では1~2割程度しか持っていないと言われている。
藤井チームリーダーらは、新型コロナウイルス表面のスパイクタンパク質を調べた。その結果、HLA-A24と結合してキラーT細胞を活性化するエピトープを見つけた。さらにこのエピトープの類似部位が同じコロナウイルス仲間で風邪の原因となり、4種類ある従来型の季節性コロナウイルスにも存在すること、さらにこのエピトープはHLA-A24に結合してキラーT細胞を活性化することを突き止めた。
多くの人は季節性コロナウイルスの感染経験がある。このために体内にはこの感染を記憶している「記憶免疫キラーT細胞」が存在している。しかし、そのT細胞が新型コロナウイルスやその変異株に対する殺傷効果、つまり「交差免疫」を示すかどうかはこれまで検証できなかった。季節性コロナウイルスのエピトープは候補が多かったことや、キラーT細胞を増殖させることが難しいなど技術的課題があったためという。
藤井チームリーダーによると、今回、HLA-A24分子の関与により、季節性と新型の両方のコロナウイルスに交差免疫が働くことがはっきりした。また、交差免疫の鍵を握るエピトープを特定。特定したエピトープのペプチド(アミノ酸の鎖)は季節性、新型を問わずHLA-A24の分子と反応することを確認できたという。】
せっかく日本人が持っていた記憶免疫キラーT細胞の働きを抑えてしまって感染者数を増やしたのがコロナワクチンではないだろうか?