中枢性副腎皮質機能低下症
last updated: 20191. 定義
・副腎不全のうち,副腎の機能障害によるものを一次性, 下垂体におけるACTH分泌機能障害によるものを二次性, 視床下部におけるCRH分泌機能障害によるものを三次性という.
2. 二次性副腎皮質機能低下症
・下垂体の障害はACTHを含む汎下垂体機能低下症を来し得る.
3.ACTHを含む汎下垂体機能低下症
・PROP-1 の変異によるACTHを含む下垂体機能低下症の報告がある.ただ
・下垂体形成の初期にはたらく転写因子(HESX1, LHX4)の変異もACTHを含む汎下垂体機能低下症を来し得る
4.ACTH単独欠損症
4-1. 自己免疫
・ACTH産生細胞を選択的に欠損する下垂体炎の症例が報告され
・ACTH単独欠損症と円形脱毛症が合併する症候群(tripl
4-2. 遺伝子変異
・ACTH単独欠損症を来す極めて稀な変異遺伝子としては, POMC, PC1, TPITが知られている.
・小児期に発症する二次性副腎皮質機能低下症の原因として propiomelanocortin (POMC) の機能欠失変異のホモ接合または複合ヘテロ接合が同定された7症
・ACTH単独欠損症の原因として, POMCからACTHを切り出す酵素である prohormone convertase 1 (PC1) の機能低下をもたらす遺伝変異も報告されている (Clin Endocrinol 1993; 39: 381).
・新生児発症のACTH単独欠損症の原因として, ACTH産生細胞の分化に必須の転写酵素である TPIT の遺伝子変異が報告されている.
新生児発症のACTH単独欠損症27例のうち17例でTPIT遺
Endocrinol Metab 2005; 90: 1323).
5. 三次性副腎皮質機能低下症
・三次性副腎皮質機能低下症の原因として最も多いのは, ①高用量ステロイド治療の中断と ②Cushing症候群などの副腎皮質機能亢進症の治療後である
・高用量ステロイドは視床下部におけるCRH産生と分泌を低下さ