プチ早期退職者の資産運用+αブログ

パートタイマーの時給は職種による差が少な過ぎる

 明日(4月25日)から3度目の緊急事態宣言だ。入国者に厳格な2週間隔離をすべきだったが、入国者に対しては当初からずっとザルのままで、結局、日本国民に負担を強いることになっていると思う。この辺りの話は、他に色々きちっと意見を書いている人も多いので、これ以上は書かないが。


非正規労働者の拡大とコロナの影響

 コロナ禍によって悪影響のあった業種を中心に非正規労働者として働いていた人たちが職を失ったり、収入が激減したりしている。非正規労働者は、元々そういう扱いができるように作られてきた制度ではあるが、小泉内閣(竹中経済財政担当相)時代に拡大された。多くの国民が支持した結果なので、国民の選択だとも言える。

 今では、非正規労働者としての収入が主たる収入となっている世帯も多くなっているだろう。そういう世帯がコロナ自粛による収入減の直撃を受けてきた訳で、感染率や重症化率を考えれば、コロナ感染よりもずっと影響が大きかっただろうと思っている。


アルバイト、パートの賃金水準

 以前、外食チェーンの店舗で食事中にアルバイト/パートの募集の張り紙を見て、補助的に得る収入としてならいいが、この時給で生活していくのは難しいのではないかと思った。地域によって違うだろうが、飲食店のアルバイトの時給は1,000円ぐらいだ。高校生だと100円くらい安い。最近はコロナ自粛で難しいが、深夜の時間帯だと1,500円ぐらいになっている。

 パートタイマーでもあまり差はなさそうだ。一年ほど前の記事にあった情報だが、地域や業種によるアルバイト・パートの平均時給のデータは、例えば、以下のようになっている。


 元は厚生労働省「一般職業紹介状況」のデータらしいが、上の表は以下の記事の中からの抜粋だ。ほかの情報もあるので、興味があれば参照のこと。



ケアマネージャーのパート

 さて、個人的に少し知っている特定の業種の話になるが、介護関係の資格の中で最上位はケアマネージャー(介護支援専門員)だ。介護を必要とする人のケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行う。受験資格そのものも大変で、5年以上かつ900日以上の介護等の実務経験が必要だ。介護実務をやっている期間中に国家資格の介護福祉士を取得している人も多い。

 ケアマネージャーの試験は、合格率が高くても2割ぐらいだ。試験対策は独学では難しいレベルなので、通信教育を受講したりする。また、資格試験を突破した後で、87時間の実務研修が必須だ。その他、更新にも研修が必要だ。

 資格の取得・維持に多くの時間を要するだけでなく、資格試験のための受講費用や研修費用も結構な額がかかる。そのようにして資格を取得・維持してケアマネージャーを続けていたとしても、パートだと時給は1,500円ほどに過ぎない(手当も少し付いたりするらしいが)。

 時給1,500円だと、飲食店系のアルバイトの1.5倍、深夜帯だと同じレベルだ。飲食店系の深夜アルバイトが楽だと言いたい訳ではなく、資格取得・維持に費用や時間を要するケアマネージャーの時給が安すぎるのではないかということだ。

 週3日、5時間のパートで月(4週間)に9万円、年間では108万円だ。税制とか健康保険上の扶養家族の範囲内で働いているのなら手ごろな金額ではある。高齢化社会で必要性が高まっている仕事で、社会に参加していることも実感しやすい。しかし、ケアマネージャーの資格レベルや費用、仕事の重要性なども考慮すると、金銭面だけ見れば割りに合わないだろう。


非正規労働者の収入での生活は厳しい

 どの職種でもいいが、パートでフルタイム働くとして、1日8時間、週5日、月に4週間働くと、時給1,500円だと年収288万円にしかならない。自立していて、ここから国保(健保)保険料や家賃等を引くと生活は厳しいだろう。結婚、子育て等を考えていくと、なおさら厳しい。そのため、男性が非正規だと有配偶率が下がることになる(生命維持と子孫繁栄の記事の追記部分参照)。

 もっとも、パートタイマーでなく、複数コンビニを経営するオーナーにコンビニの店長として社員で雇われたりしても報われないようだ。以下のような記事もあった。



日本人に適切な賃金が支払われる社会を期待

 一消費者としては、品物の値段やサービスの対価が安いのはうれしいことだ。しかし、それが非正規労働者等の低賃金によって支えられているとなると、結局、日本全体の消費が落ち、活力の低下につながると思う。

 最近、コンビニの店員はほとんど外国人のアルバイトになっているように見える。また、外国人技能実習制度を利用して、日本人があまり働きがらない仕事を低賃金でさせたりしている事例もよくきく。2019年からは「特定技能」を新設する改正出入国管理法も施行され、外国人労働者の受け入れ拡大を図ってきた。

 これらが企業側/雇用側に都合がいいのは分かる。しかし、安易な外国人労働力の導入はますます賃金抑制に働くことになり、日本人労働者にはマイナスだ。政府や政治家にもきちっと考えてほしいポイントの一つだが、労働者側にいるはずの野党も含めてあまり議論されてこなかったと思う。テレビのニュース等で大きく取り上げられてこなかっただけかもしれないけれど。


【2021.6.11追記】

 最近は地方自治体を中心に非正規公務員が増えている。ニュースになったりするのでご存じの方も多いと思うが、かなり悲惨な境遇に置かれているようだ。公務員と聞くと何か楽しているような印象を持つかもしれないが、そういう報道が多かったためにそう思い込まされている面が強い。以下の記事は印象深かった。



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