日本を代表する芸能会社であり上場企業であるエイベックスと、これまた日本の伝統興行元である相撲協会との、昨年6月に開催されたJYJコンサートの件に関する裁判。

 今年7月20日に東京地裁に提出された相撲協会側の陳述書には、下記のような記述がありました。

 
 
「エイベックスは相撲協会がC-JeSやザックと共同でエイベックスの権利を侵害したと主張していますが、相撲協会はいったん許可した貸館につき、許可を取り消す理由がなかったことから、本件コンサート(JYJのコンサート・筆者注)のため国技館を貸館したに過ぎません。


 本件の事実関係において、もし相撲協会がエイベックスに対し損害賠償責任を負担するようなことになれば、今後、国技館の貸館につき何らかのクレームが入った全てのケースにおいて、相撲協会はその者に対する損害賠償責任を負担するリスクを負うことになってしまいます。そのようなことになれば、相撲協会と同様の貸館事業を行う全ての者が、貸館することに萎縮的にならざるを得ません。


 C-JeSとエイベックスとの間のJYJに関する問題は当事者間で解決すべき問題であり、相撲協会は全く関係のない話です。私としては、相撲協会は見せしめのために訴えられたとしか思えません。」


 JYJという韓国のグループの件を巡って、ぶつかり合うことになったエイベックスと相撲協会。上記陳述書の通り、相撲協会側としては、正常な貸館業務を行ったにすぎないにも関わらずエイベックスに訴えられてしまうという、まさにとばっちりの格好となった。

 エイベックスに「相撲協会は見せしめのために訴えられた」と主張するのも無理もないところであろう。